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バリアフリーという考え方を劇化する 永井 啓一 |
このシナリオは、永井と永井学級の生徒たちで考えたオリジナルです。
2部構成となています。
第1部 〜約束の日〜 第2部 〜次の日〜
| 第1部 〜約束の日〜 |
〜ナレーション〜
AさんとBさん、Cさんは、それぞれ足が不自由、耳が不自由、目が不自由という障害をもっている2年5組の生徒です。
ある日、AさんとBさん、Cさんが遊ぶ約束をしました。3人とも1人で街へ遊びに行くのは初めてです。百貨店に1時に待合わせしました。しかし、1時になっても誰も到着しません。3人はなぜ来なかったのでしょう。
〇Aさん・・・12時00分出発
Aさんは、いつものように車いすに乗り、少し早く家を出ました。行く途中、少しのどが渇いたので、ジュースを買おうと思いました。
しかし、自動販売機のボタンに手が届かず買えませんでした。しかたなく待ち合わせた場所に向かっていると、急に雨が降ってきました。Aさんは雨宿りをしようと近くにあるお店に入ろうとしましたが、どの店も入口に段差があって入ることができません。Aさんは、しかたなく少し雨が落ちてくる木の蔭で雨宿りをしました。大分時間がたちました。(このままでは遅刻してしまう!)そう思ったAさんは、Cさんに電話をしようと思い、近くにある電話ボックスに入ろうとしました。しかし、電話ボックスは狭すぎて車いすのままでは入ることができませんでした。結局、電話もできないまま1時になってしまいました。
〇Cさん・・・12時15分出発
Cさんは、待ち合わせ場所まで汽車で行くことにしました。1人で汽車に乗るのは初めてのことですが、乗り方は以前にお母さんにつれてきてもらったことがあるので、だいたいわかります。
切符も順調に買い、ホームまでたどり行きます。しかし、汽車とホームの間に落ちそうになります。「ストップ!」横にいた人が声をかけてくれたおかげでどうにか助かりました。その人に汽車に乗せてもらい何とか津山駅に到着しました。津山駅から百貨店までは足元の点字ブロックをたどればつきますが、途中で雨が降ってきました。Cさんは、近くにあるお店に入ろうと、お店の前まで行きました。そこのドアは音で自動ドアだということは分かりましたが、近くに寄ってみてもドアが開きません。
なんとタッチ式の自動ドアだったのです。お店に入れないCさんは百貨店に向かいました。
信号で止まったのですが、いつ青なのかわかりません。困っていると後ろから「青になった」という声が聞こえてきたので、何分か待った後にようやく渡ることができました。信号を渡って、百貨店に向かいました。
しかし、ここでどうしても進めなくなりました。点字ブロックの上に自転車が置いてあり、足で確認できなくなったのです。Cさんも結局時間どおりに到着することはできませんでした。
〇Bさん・・・12時30分出発
Bさんは、何度かお母さんと買い物に行ったことがあるので、30分あれば大丈夫だと思い家を出ました。足取りも軽く、路地を進みます。細い路地を通っていると、後ろから自動車が来ました。Bさんは音が聞こえないので車が近付いていることに気づきません。運転手はクラクションを鳴らしますが、Bさんは全く気づきません。運転手はついに切れてしまいBさんに怒鳴りつけますが、Bさんは何だかわかりませんでした。運転手は、Bさんが耳が不自由だとわかると、「もういい」という様に行ってしまいました。
Bさんは、怒鳴られたことで動揺してしまい、道がわからなくなってしまいました。(過去のいやな思い出が頭をなかでグルグル回りだす)
気を取り直し、Bさんは近くにいる人に助けを求めました。Bさんは、もしもの時にとお母さんから受け取った「百貨店までの道を教えてください」と書いてある紙を見せました。その人は、とても丁寧に道を案内してしてくれましたが、Bさんには何を話しているのかわかりません。Bさんは、耳が聞こえないことを伝えますが、手振りで教えてくれてもわからず、そのあと散々道に迷ってようやく百貨店に到着しますが、もう1時15分で誰もいませんでした。Bさんは、みんな待ちきれず帰ってしまったのだと思い、とぼとぼ家に帰ってしまいました。
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