学級通信は「学級経営」に役だつか?
井上嗣祥
1、学級通信は誰が見るのか
今までは・・・
正論であるし、間違ってはいない。
しかしである。本当に保護者の方は見てくれているだろうか。
2、クラスの様子より、我が子の様子より・・・
保護者が学級通信に目を通すということは、当たり前のことではないと思う。
どちらかといえば、読まない確立のほうが高い。勿論、しっかりと読んでくださる方もいるが、そのような保護者は限られているのではないかと思う。
では、我が子のことが出ていれば見てくれるだろうか。クラスの事件をドラマチックに表現するのがいいのだろうか。これらのことも大切なことであるし、楽しみにしてくださる保護者もいるだろう。
3、大事なことは連絡事項
絶対に目を通すものといえば、「連絡事項」である。そんなものは学校便りや学年通信などでも伝えられているから必要ないと思われるかもしれない。私もそう思っていた。
しかし、人間誰でも見落とすということはあるもので、結局「連絡事項(行事予定や準備物など)」は何回紹介しても迷惑がられないものなのである。逆に何度か手紙が出されている行事のお知らせでも、学級通信の連絡で初めて知ったという例もあるくらいである。
連絡事項は何回紹介してもし過ぎではない。
逆に、井上の通信は早め早めに行事予定、準備物を教えてくれるというイメージが出来上がる。
4、忘れ物について紹介する
学級経営と関係ないじゃないかと思われるかもしれないが、我慢して読んでいただきたい。
連絡事項の下に、忘れ物について紹介する
(例)最近忘れ物をする子が目立ってきました。今日は、算数の時間に使う分度器を忘れていた子が5人いました。ご家庭でも声をかけていただきたいと思います。
これだけでも効果が現れる。1回で効果が現れないときは、2,3回続けてみるとよい。忘れ物のない授業は、いらぬ注意をする時間を削ることができる。授業のリズムを狂わすことがなくなるのだ。忘れ物チェックなどはしていないが、通信に紹介することで防げるものである。
5、学級通信で紹介するもの
やはり授業報告がメインになる。できるだけその日の授業はその日に通信で紹介するようにしている。(遅くとも、次の日で)
授業報告は教師修行(当たり前かな・・・)
授業報告のメリットをあげてみる。
@ 毎日書けば毎日レーポートを書いているのと同じ。
・相手は保護者である。毎回、返事があるわけではない。しかし、緊張感がちがう。発問、子どもの反応、作業時間・・・などどれも正確に報告しなくてはならない。真剣勝負である。
A 授業を振り返る(メタ化する)
・自分の授業を振り返るには、やはり書くことが一番だと思う。口で、頭の中で反省することはたかが知れている。書いてみて初めて気づくことが多い。内容がない授業は、自分の思いは書けても「子どもの動き、発言、考えがなくて」、通信にならないのである。
具体的なエピソードのない通信ほど面白くないものはない。
どの授業でも通信に書けるというのが今の目標である。(遠いけど・・・)
・また、書くことによって「自分の発問、指示がいかに明確でないか」が明らかになる。頭の中では、「今日の授業良かったなあ」と思って通信に書いてみると、そうでもなくて「こうすりゃよかった」と反省するのである。
自分の授業をテープやビデオにとって後で分析するのと同じような効果があるのではないかと思う。
B子どもも自分の発言を振り返る
・通信は子ども達もよーく見ている。6年生でも2年生でも同じである。
自分のことが載っていればなお更である。だから、授業報告には子どもの発言・考えはできるだけ紹介する。(ニヤニヤして見ているし・・)
・また、子ども達も通信を見て初めて自分の発言を振り返るのである。授業中の自分の言葉が文章化されてみて初めて考えるのである。
「こんな言い方したっけ?」「(私も)なかなかやるじゃない・・・」と感じることが、次の授業に変化をもたらすのである。
C文章修行である
・毎日書けば、日に日に文章力は向上する。書くスピードも速くなる。見やすいレイアウトも考えるようになる。(たいしたことないけど・・・)なかなか毎日書くことができないのを言い訳にしている自分が情けないのが現状である。毎日書かれて人はそれだけでも尊敬してしまう。
6、学級通信は学級経営に役立つのか
答えはYesである。
学級経営は一にも二にも授業であると思っている。学校生活のほとんどは授業である。その授業で、子ども達は充実感や、達成感、存在感、チャレンジしてクリアした喜び、誉められ、認められた喜びを求めているのである。少しでもあればそれだけで、立派な土産を持って家に帰れるし、学校に来れる。
大切な授業の腕を上げるための修行に学級通信は欠かせない。
保護者に読んでもらうかどうかというのは、おまけであって自己満足でしかない。(たまに、保護者の方からお手紙や感想をいただくと嬉しいけど。)
今は、とにかく書く。今年はなんとか100号を目指してがんばりたい。100号書いたら新しいものが見えてくるかもしれない。
ー(C)TOSS 井上 嗣祥(Tsuguhiro Inoue) All right reserved. ー