第2次静岡遠征記

静岡某所の宿をまるごと貸し切って催される等身大人形ユーザーのオフ会参加と廃墟ホテルにおける新作の撮影が、今遠征の目的である。

2007年11月28日 水曜日 曇り
退勤後、バンを借りて来て、撮影に必要な物資を積み込む。真冬、しかも沿岸部で車中泊するため、布団類だけで結構な荷物量となる。入念な事前準備が功を奏し、小1時間程で積み込み終了、深夜の長距離運転に備え、飯を食って3時間程横になる。


布団に水、酒、食料、身の回りの品さえあれば、生活には事欠きません。


潮風が凄まじく、これ以上近寄って撮影することは出来ませんでした。

11月29日 木曜日 曇り
未明、自宅を出立し、真夜中の首都高、東名を疾走し、静岡某所を目指す。早朝、目的地に到着すると、雨こそ降っていなかったが天気は大荒れ、海沿いでは車の扉が開けられない程の強風が吹き荒れていた。お陰で廃虚ホテルに荷物を運び込む間、完全に気配を消すことが出来た。車の中に布団を敷き、一眠りした後、作業開始。事前調査により、地元警察による巡回の可能性が示されていたため、最も大規模な披露宴の撮影から着手したが、 悪天候のため陽が陰るのも早く、予想通り撮影を中断することを余儀なくされる。人形達を廃墟ホテルの奥に隠し、現場を離脱、隣町の温泉につかり、疲れを癒す。低周波マッサージ付きの露天風呂は腰痛に抜群の効果があった。その後は岬の突端に車を止め、駿河湾の荒波を眺めながら酒を飲んで就寝する。


廃墟ホテルでの撮影の模様


夜の間はこんな具合に、奥の目に付かない場所に隠しておきます。

11月30日 金曜日 曇り後雨
午前3時に起床し、コンビニでしばらく立ち読みした後、朝飯食って一眠り、しっかりクソをたれ、早朝より撮影に臨む。昨日中断した披露宴の写真を撮影した後、ロビーでの撮影、翌日の準備、拡大した戦線の整理・撤退と、7時間連続の作業で疲労困憊(寒いので休憩する気にもならない)、まだ陽があるうちから長々と温泉につかり、翌日の撮影へ向け、鋭気を養う。夕焼けを眺めながらつかる低周波温泉は最高だったし、夜はすっかり晴れ上がり、車の中に寝ころべば満点の星空が目に入る。昔は当たり前に眺めていた光景だが、それがありがたく身に染みるようになったのは、自分もそれだけ都会暮らしが長くなったということだ。


化け物ネズミを倒した猫の像
石工さんの造型センスが最高です。左耳がちぎれ、それを
ボンドで付けようとした形跡に地元の方々の愛情を感じます。

12月1日 土曜日 晴れ
朝から爽やかに晴れ、しかも全くの無風、ガラスが大破し、吹きさらしの喫茶室での撮影にとっては、最高の天候条件だ。 予定通り、午前10時に撮影終了、大量の荷物を運び出していると、隣家の胴の長いクソ犬がギャンギャン吠えまくる。それを聞き付け、出てきた婆さんに「警察呼ぶぞ」と恫喝されたが、「ああ、すいません」と平謝りしながら、淡々と荷物を積み込むのみ。



キャタピラ車両好きにはたまらない光景です。


残念ながら予備役編入となったタカイ兵長

正午過ぎ、オフ会が催される宿に顔を出したが、まだ誰も到着していなかったので、海辺をロケハンしていると、流木の山やら砂丘やら、優良物件を幾つも発見する。真っ昼間から温泉につかりながら、3日間の激闘を振り返る。小さな障害は幾つかあったが、ほぼ全てが予定通り、順調に進んだのは、気持悪いほどだ(いつもは、思い通りにならないことの方が多い)。
夕刻、再びオフ会会場に赴くと、既に大半の参加者が顔を出していた。早速、アオバの息子・サンボを出すと、想像以上の歓声と拒否反応が巻き起こる。等身大でソフビ製だし、間接の可動にしても、他の人形達と何ら変わりないというのに・・・人形の世界でも人種差別は健在だった。


クリスマスパーティーの模様

午後7時、今遠征最大のイベント・クリスマスパーティーが催される。以前にも何度か書き記した通り、キリスト教カルトが最も喜ばない方法でクリスマスを祝うこと自体が快感だし、一線越えた有志達と酒を飲み交わすことは愉快この上ない。今年初参加の真木君は若干26歳だと言うが、「道を踏み外すには早過ぎる」「こんな大人になってはいけない」と叱咤激励されていた。料理も最高で、特に生シラスの寿司が絶品だった。しかし、疲れがたたったのか、2次会が始まった早々、眠りこけてしまい、早々に就寝することになってしまう。


小さな娘さん達


悪さをするおそれがあり、外に追い出されたサンボ
可哀想ですが、もともと被差別キャラなんで、しょうがないでしょう。

12月2日 日曜日 晴れ
 早朝、昨日発見した荒野の明け方の日照条件を確認した後、海辺を車で走ろうと砂浜に突っ込んだ途端、車輪が砂にはまり、立ち往生してしまう。歩いて宿まで戻り、飲んだくれていた岳さんを起こして、四駆の車で牽引してもらうことに。何とも迷惑な話だが、当の岳さんは「朝から愉快な出来事が起きていいね」と まんざらでもない様子であった。


生まれて初めての経験でした。やっぱり四駆はパワーがあります。


健康的な朝飯を食った後、恒例の屋外撮影会が実施される。「先んずれば即ち制し」とばかりに、真っ先に「変人の聖地」入りし、ちゃっかりセンターを確保。その後は自然の流れに任せただけなのに、気付いてみれば想定通りの並びが出来上がっていて、これには自分も驚かされた。これにて、見事に新婚夫婦とそれを取り囲む家族と友人の写真が捏造されるに至る。風が強く、花嫁達の髪が乱れ、またそれに気を取られ、小道具の造花をうっかり使い忘れたが、なかなかの傑作に仕上がった。これも皆様の協力あっての話である。


屋外合同撮影会の模様


白と黒のコントラストが素敵過ぎます。


こんな可愛い娘さんにも実用機能が付いてます。

引き続き、撮影会が行われた後、昼飯を食べ、散会とあいなる。昨年は、工事+事故渋滞で酷い目にあったのだが、今年は渋滞に全く絡まず、極めて順調に運転出来た代わりに、目当てにしていたPA、SAが満杯で、ほとんど休憩無しに慣れない長距離運転をしたため、右足の筋がおかしくなってしまう。 大急ぎで荷物を下ろして車を返却、1日分のレンタル料を返却してもらう。帰り道、バルコに寄って、榊原さんに亀饅頭を渡すと大喜びされていた。


消防の方から来た人に注意されているところ


破産した後、荒れるがまま放置されていた廃墟ホテルに買い手が付いたそうだ。全く信じ難い話だが、おそらく今回の撮影が最初にして最後のチャンスだったと思われる。前半の荒天、後半の晴天と天候条件もほぼ完璧、幸運続きの遠征であった。


目次へ戻る

トップページへ戻る