生態観察日記スペシャル「静岡遠征記」

12月2日 土曜日 晴れ
人形ユーザーの集いに出席するため、レンタカーに大量の荷物を積み込み、静岡県某所を目指す。単独運転で、これほど遠出するのは初めての体験だったが、カーナビのお陰で、無事目的地に辿り着くことが出来た。
海の近くの宿をまるごと借り切り、人形同伴で楽しい一時を過ごそうというこのイベント、予想に違わず愉快な出来事の連続であった。出席者は13名、いずれも猛者揃いであった。以前から人形を背負って富士山に登山したり、人形同伴で海外旅行した勇者がいるらしいという噂を耳にしていたが、今回のクリスマスパーティーの幹事であるTさんが、正にその人であった。他にもはるばる四国からやって来た強者やらネット上の挑発的活動が世間の反感を買い、カミソリ入りの手紙や猫の死体を送りつけられたという勇士等々・・・さすがは皆さん、一線越えて、等身大ユーザーになっただけのことはある。


最近は、小さい娘達が人気らしい。


このサイズ(140センチ)の娘さんは制服姿に限ります。

宴もたけなわに差し掛かり、盛り上がってくると、ネット上でも度々論争となる人形の胸の大きさ問題が話題となり、巨乳派と微乳派との間に熱い激論が交わされる(ちなみに人形市場との動向とは裏腹に微乳派が圧倒的多数派であった)。
以下にその他の印象に残った話を列記しておく。
「親にバレたけど、人形の顔が外人顔だったのでマネキンだと言い張った」
「結婚に再挑戦するため等身大は卒業した」
「アニメ顔の人形に踏み切るには、人間と人形との境を越えるのと同じくらい大きな壁があった」
皆さん、人生の最前線で奮闘しておられる。特に家族と同居しておられる方々の労苦は筆舌尽くし難いものがあるようだ。自分の至らなさを痛感し、更なる努力を誓うばかりだ。


美味い料理に楽しい歓談にたくさんの娘達
漁港の近くだけあって、刺身は絶品でした。

12月3日 日曜日 晴れ
 翌早朝、日の出と共に起床し、近くの海辺にロケハンに出掛ける。初めて砂浜の上を車で走ったが、道の無い場所を駆け抜けるのは未体験の快感であった。宿に戻り、朝食を摂った後、人形達を身支度させて、近くの岬で記念撮影を強行する。正に「赤信号みんなで渡れば怖くない」状態、こうも堂々と屋外で撮影したのは、5年前の鳥取砂丘以来である。予想通り、見知らぬ通行人が通り掛かったが、向こうもなかなかの強者で笑顔で人形達と記念撮影して通り過ぎて行った。続いて、朝方下見した海辺で各々写真撮影に励む。冬の海辺の爽やかな光景の中、人形と戯れるオッサン達の姿は、端から見ればさぞかし異様だったはずだ。しかし、所詮は「旅の恥はかき捨て」、思う存分屋外ロケを堪能させて頂いた。


天気もロケーションも最高です。
4万円の経費を掛けて静岡まで行った甲斐はありました。


この場所を「恋人の聖地」とはよく言ったものです。


変人達のイベントに恋人達が乱入!?

近くのレストランで昼食を摂り、今イベント散会後、海辺の観光地にありがちな廃墟ホテルに単独潜入したところ、想像以上の優良物件であった。程良く朽ち果てた披露宴会場、天窓から舞台に光が注ぐ演芸場(廃墟では電源が確保出来ないので、天然の舞台照明の存在は非常にありがたい)等々、昨年無惨に破壊された昭和記念館の仇は静岡で討つことになりそうだ。楽しい出来事が山盛りあった上に、新たな撮影地の確保という土産まで頂き、帰路に就く。

帰り道、高速のSAで休憩していると、ちょうど母親から電話が掛かってくる。
母「昨日の晩から家にいくら電話しても繋がらないけど、どうかしたの?」
兵「泊まり掛けで静岡に遊びに行って、今帰るところ」
母「1人で?」
兵「いや、友達と」
母「友達って、女の子か?」
兵「いや、男ばっかり」
(心の声:ああ、男ばかりの人形同伴の変態イベントに参加した帰りじゃ!)
息子がいい年して、独身でぶらぶら暮らしているのが心配なのは分かるが、近所に住んでいる同級生の母親と結託してお見合いめいたことを仕組んだり、最近の干渉振りには辟易している。


海辺のバラバラ人形・・・家族連れが遊んでいる隣りでの撮影も数の力で押し切りました。


巨大かつを なかなかの出来です。

旅が順調だったのもここまで。東名は追突事故で大渋滞、首都高も工事渋滞で、葛飾の自宅まで約9時間を要してしまう。最後の力を振り絞り、荷物を自宅に運び入れ、腹一杯酒を飲んで、泥のように眠る。

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