生態観察日記スペシャル 2007年秋・板橋地下室死闘伝

8月25日 土曜日 晴れ
板橋地下室ロケ初日、身体一つで運べる限りの荷物を抱え Tさん宅に赴く。家主は寝ているのに、勝手に鍵を開けて地下室に入り、 撮影可能な環境を整え、順次具体的な作業を詰めて行く。事前に予想はしていたが、最大の難関は照明だ。 天井が低く(約170〜180センチ)、狭く、しかも照明を置きたい 場所に限って、控え壁(構造上の必要性から飛び出した壁)があるため、全く思い通りに行かない。結局、問題が解決出来ないまま1日が 終わってしまった。察しは付いていたが、前途は厳しい。早い話、まだ火がついていないということだ。


この写真が妙に気に入っています。
作業の合間に、たまたまこうなっただけなんですけどね。

8月26日 日曜日 晴れ
ふとしたきっかけから、照明の問題を解決する妙案を思いつく。 物心両面で火が灯り、あとは勢いで満足のいく撮影を行うことが出来た。しかし、ドリルで小道具に糸を通す穴を開けられなかったことから、後半の撮影は翌日に持ち越し、片付けと準備作業を行い、明るいうちに退散する。
天井の低さと狭さを克服する秘策を思い付いたはいいが、スピードライトの数が足りなくなり、やむを得ずSB-600を購入する。 必要になる予感はしていたが、今回の撮影は、交流電源が使えるためハロゲン照明で何とかなると思っていたのだが、何とかならなかったのだ。長期的に考えれば、島や僻地での撮影で、スピードライトが故障すると大変だ。予備はあっても損はしないだろう。


今回も赤ん坊達は大活躍

8月27日 月曜日 晴れ
幾分涼しくはなったが、地下室の湿度は相変わらず高く、汗が吹き出す。蒸し暑いだけで心身が摩耗するし、汗で人形やら衣装も汚れるため、夏の撮影は控えたかったのだが、9月以降、仕事の具合が不透明で、連休が取れる今のうちに撮影を断行する他無かったのだ。しかし、7月に予定を立てた段階で、この時期、暑さがこれほど厳しいとは予想もしていなかった。
地下室の床は、大雨が降る度に吹き出す地下水によってもたらされた土にうっすらと覆われている。ふとした思い付きから、今回も自分自身で出演することにしたのだが、D-200にはリモコンが無いため(リモート操作するには高価なオプションが必要)、セルフタイマーにして、シャッターを切った後、すかさず床に伏せなければならない。時間内に所定の動作を機敏に終えなければならないため、身体が激しく 土にこすれ、身体が酷く痛む。土俵に叩き付けられたたような具合になるのだが、下地がざらざらのコンクリートであるため、ある意味相撲以上にハードだ。 技術的問題の多くが解決し、朝から、晩まで頑張り通したので、本日は 2シーン撮影することが出来た。正直なところ、作業量が膨大で、全く予定通りに進んでいないのだが、人形の数が増えた分、場面設定に 要する時間が従来の約2倍、照明に要する労力も2〜3倍になって いるから仕方がない。


ご覧の通り、使用する躯体の増加により、撮影に要する手間はそれ以上に増大しております。
身体に掛かる負担も尋常ではなく、腰痛が悪化するばかりです。


昨晩、撮影後にTさんが自家醸造したビールをごちそうになったのだが、これがとんでもない出来損ないで、見た目は マンゴージュースのように濁っていて、味はホッピーの原液をさらに 濃くしたようであった。不味くはなかったので、Tさんが止めるのを 聞かず、飲んだのだが災いしたらしく、大して飲んでもいないのに、悪酔いしてしまったらしい。脳が麻痺し、気分が悪く、調子が上がらない。それが収まった後も、溜まっていた疲れと相まり、全くやる気が起きない。それでも何とか再起動を掛け、本日も裸一貫で 汗と土にまみれながら、地下室ロケ前半の最終ミッションを無事こなす。しばしの不在の間、大雨に伴う地下水の侵入に備え、物品を整理、大事な物は1階の控室に避難させ帰宅する。


新型の腕は間接がホールド出来るようになり、ご覧のような芸当が可能になりました。
もっとも、果物が乗ったお盆は糸で吊ってありますけど。


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