タイヤに窒素ガスは有効?
天気いいですねー。今年は例年に比べてずっと桜の開花も早いとか。近くの桜もボチボチ咲き始めて、もう雪降ることはないだろう、って感じです。だから、この週末はスタッドレスタイヤを夏タイヤに履き替えました。

 

で、ですね。巷で言われている窒素ガスというものをタイヤに充填してみました。いまはガソリンスタンドやイエローハットなどいろんなところで1台2000円ぐらいでサービスしています。初耳の人には詳しく説明しますが、要するにタイヤには普通、空気を入れますが、空気の代わりに純度の高い窒素ガスを入れるという技です。業者や実際に体験したユーザの弁では

  • 乗り心地が良くなる
  • タイヤの騒音が静かになる
  • 熱による膨張が少なくなるのでバーストしにくくなる
  • 燃費がよくなる

とまあ、いいこと一杯で、2000円で本当にそんな効果が体感できるなら安いものです。でも考えてみれば、空気の約78%は窒素で、21%が酸素、あと1%はいろいろという組成ですから、もともと78%窒素が入っているものを100%にしたところで、こんなにいいことがあるとは鵜呑みにできません。で、まあ自分でも体験してみようということになった次第です。

私は割と乗り心地に煩いほうなので、安い空気圧計を持っており、自分で1ヶ月に1回ぐらい計ったりしてます。ま、安い計器なので0.1Kg/cm^2ぐらいの誤差は避けられないでしょうが、いつも同じ計器で計ればそれなりに状態管理はできます。夏タイヤに履き替えた直後は、昨年冬にしまったときと同じ、前2.2Kg/cm^2、後2.3Kg/cm^2でした。使わないと早く空気が抜けるという話もありますが、一冬物置で平積みにもかかわらず変化なかったです。そこで前2.1Kg/cm^2、後2.2Kg/cm^2にしてガソリンスタンドに行き、給油のついでに、ガソリンスタンドの空気入れで計ってみたら、前2.25Kg/cm^2、後2.4Kg/cm^2になってます。これは天気もよくタイヤの温度が上がったためなのか、計器の違いによる誤差なのか定かではありません。でも、大体いつも少し高めに出ることが多いです。

そのままイエローハットにいって窒素ガス充填を依頼しました。1本500円で4本で2000円(税別)です。空気圧は前2.2Kg/cm^2、後ろ2.3Kg/cm^2で頼みました。作業を見ていると、車体を持ち上げて、タイヤのバルブを緩めて空気を全部ぬき、1回窒素を入れて、また抜いて、バルブを閉めて、最終圧力まで窒素ガスを入れています。ホースの先には鉄工所などで見かける大きなボンベが繋がっていました。

さて、お店から出てきてしばらくいつもの道を走って見ます。ハッキリではないですが、なんとなく乗り心地がよくなり、静かになった気がします。でも、不思議ですよね。どうしてそう感じるのか。理系の私としてはふーんでは済まされません。で、いろいろ理由を考えて見たわけです。

インターネットで窒素ガスについていろいろ広告や意見が書かれているので、それによると、F1などのモータースポーツ、航空機のタイヤには昔から窒素ガスが使われているそうです。この実績からなんとなくいいんじゃない?という先入観があるのかも知れません。窒素ガスを充填すると酸素がないので、高温になっても安全という配慮もあるそうです。でも、乗り心地とか音が静かになるというなら、もっとほかに科学的な理屈があってもよさそう。で、

仮説1:タイヤが軽くなったから?

21%の酸素が窒素に置き換わると、タイヤがどれくらい軽くなるか計算してみました。205/55/R16のタイヤで計算すると空気の入る部分の体積はおよそ37.5リットルです。さて、窒素と酸素の重さですが、昔、化学で習ったモルという単位でいうと、窒素28g、酸素32gだと思うので、先のタイヤに2.2気圧で空気(窒素:酸素=4:1)を入れた場合116.06g、窒素だけ入れた場合103.12g、その差12.94g軽くなります。バランスが取れてないならいざ知らず、タイヤが12.94g軽くなったからといって感じ取るのはまず不可能でしょう。だから、軽くなったからではないかという仮説は無理ですね。

仮説2:熱膨張率が下がって走行中の空気圧が上昇しなくなった

きっと窒素は酸素に比べて熱膨張率が小さいので、走ってタイヤ温度が上がっても、圧力は高くならない。よって最初の空気圧が保たれる。だから乗り心地が硬くならない。と想像したのですが、「希薄な気体は気体の種類に関係なく熱膨張率は同じである」と誰かが昔発見したという事実もあります。2気圧が希薄な気体かどうかは知らないですが、2気圧ぐらいでは液化するわけもないので、十分薄いのでしょう。だから、この仮説も無理があると思います。

仮説3:水蒸気が含まれていないので圧力が変化しない

これは昔スタッドレスタイヤを買ったときにイエローハットの店員さんと窒素ガスの効果について話したときに出た内容ですが、コンプレッサーで圧縮した空気をすぐにタイヤに入れると空気中の水分が入りやすいので、当店では圧縮空気を寝かせて冷ましてから使ってます。ということです。仮に真夏に気温30度、湿度70%のとき、仮説1のタイヤ中に含まれる水分は1.75gです。でも、すでに水蒸気になってるわけで、熱膨張率が気体の種類に因らないことからも影響は少なそうです。

仮説4:人間の勘違いである

インターネットで窒素ガスの効果についていろんな意見がありますが、割と効果があったという報告が多いです。たとえばこんな状況だったらどうでしょう。車に乗ってお店にいきます。その間の走行によりタイヤが暖まり空気圧は上昇します。当然、この上昇分によってタイヤは硬くなります。で、お店に行って窒素ガスに交換してもらいます。窒素ガスボンベは冷えているのでタイヤ内の温度は下がり、指定した圧力にしてもらい、お店を出て走り出すと、さっきより圧力は下がっているからタイヤもやわらかく感じるはずです。とくにタイヤに神経が集中しているので、この差を感じ取るのもできるでしょう。だから良くなったと勘違いする。なにも証明するものはないですが、ストーリーとしてはいい線いってると思うんですが。

今日の朝、車を動かす前に後ろの空気圧を計ってみたら2.2Kg/cm^2でした。手元の計器とお店のとでは0.1の誤差があるようです。それに、お店では車体を持ち上げてタイヤが地面から離れた状態で空気圧を調整してます。地面に下ろした状態なら空気圧は上昇するものじゃないんでしょうか。そもそも空気圧を調整するときは、タイヤは浮かせるものなのか地面につけるのか。うーん。よくわからん。私としては仮説4を支持することにしましょう。みなさんも興味があったらお試しください。