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第三の男

第三の男 グレアム・グリーン著 小津次郎訳
早川書房(文庫)

(あらすじ)
作家のマーティンズは、友人のハリー・ライムに招かれて、第二次大戦終結直後のウィーン
にやってきた。だが、彼が到着したその日に、ハリーの葬儀が行われていた。
交通事故で死亡したというのだ。ハリーは悪辣な闇商人で、警察が追っていたという話も聞かさ
た。納得のいかないマーティンズは、独自の調査を開始するが、やがて驚くべき事実が浮かび
上がる。20世紀文学の巨匠が人間の暗部を描く名作映画の原作。
●1948年、ウィーンはアメリカ、ソ連、フランス、イギリスが統治する区域に分割されていて、
中心部は、その四大国が一ヶ月交替で治安し、その四カ国から集められた兵士によって、
昼夜ともパトロールされていた。
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■登場人物と映画の配役
ロロ・マーティンズ(映画では、ホリー・マーティンズ)・・・・・作家 ジョセフ・コットン
ハリー・ライム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・闇商人 オーソン・ウェルズ
アンナ・シュミット・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ハリーの恋人。女優 アリダ・ヴァリ
キャロウエイ大佐・・・・・・・・・・・・・・・ロンドン警視庁の警察官 トレバー・ハワード
■原作・シナリオ グレアム・グリーン
原作と映画のシナリオでは、違うところが多くあります。映画では、シナリオの方がベター
であると序文に書いています。文書と映像で物語らせる違いが、原作を読まれると良くわかり
ます。 ここでは、ご希望により映画に沿った説明を掲載いたしましたが、原作も読まれること
をお薦めいたします。
●作家マーティンズは、ウイーンのハリーのアパートを訪ねた。しかし、
ハリー・ライムの
アパートの門番コッホが、ハリーは交通事故で
なくったと告げる。
マーティンズは、中央墓地へ向かう。
(マーティンズがライムの)埋葬に間にあったのは、まったくの
幸運だった。広大な墓地の一点が、
雪のシャ
ベルでかきわわけ
られ、少数の人間が集まって、何か秘密の作業を営んでいるよ
うだっだ。
マーティンズは帰り際、キャロウェイに呼び止められて、タクシーの同乗した。
タクシーの中で、
「私はキャロウェイといいます」
「マーティンズです」「ライムのお友だちですか?}
「そうです」と彼は答えたが、、、、、
「こちらには、ずっと以前から?」
「今日の午後、アメリカからきたばかりです。ハリーから招待
された
ものですから」*原作ではイギリスからと。
★★★
(ハリーのアパートで)ハリーのアパートの門番コッホは、交通
事故の時死体を運んだ第
三の男がいたと洩らす。
(その後日)
マーティンズとアンナが、ハリの住居に近づくと、人だかりがしていた。
ハリーの交通事故の目撃者、コッホが殺されたのだ。
マーティンズは身をかがめて、靴紐をいじっていた。だが地面から
眼を上げると、ちょうど彼の眼と同じ高さに、せんさく好きな、ハンゼ
ルの冷ややかな子供とはいえぬ凝視があった。アンナのほうへ引き
返す途中で、彼は一度振り返って見た。子供は父親の手を引っ張っ
ていたが、その唇の形から、陰気なバラードのリフレインのように、
「パパ、パパ」と呼んでいるのがわかった。「コッホが殺された。引き
上げましょう」と、彼はアンナに言った。
彼は鋭く叫んだ、何の用だ?」だが、返事はなかった。そこでまた、
酒の勢いも手伝って、もう一度どなった、「返事をしろ、できんのか?」
すると、返事があった。
眼をさまされた誰かが、腹だたしげに窓カーテンを引いたので、灯り
が狭い道を横切って、サットさした。そうして、ハリー・ライムの顔を照
らしだした。
われわれは広告塔のところで足をとめた。「ね、彼はこの後ろ
に入ってすっかり消えてしまったんです。・・・・地面の中へ」
(観覧車で待っていると言伝を頼んだマーチンズ)
観覧車の囲いの中を行ったり来たりしながら、
彼は一時間ばか
り待っていた。

(やがて、現われたオーソン・ウェルズ。)
映画の名声リフ(現作にはなく、オーソン・ウェルズが、考えた)
大観覧車に乗ったオーソン・ウェルズが、闇のペニシリンで人
間の命を奪ったことを批難するジョセフ・コットンに向かって、
「ボルジア家の三十年の圧制はミケジャンジェロ、
レオナルド・ダ・ヴィンチ、そしてルネッサンスを生ん
だが、スイスの五百年のデモクラシーと平和は何を生んだか?
鳩時計さ」
アリダ・ヴァリを救うため、ジョセフ・コットンは、ハリー逮捕に
協力する。

あとに残っているのは、わなを仕掛けることだけだった。
下水路の配置図を調べて、マーティンズが誤って新聞売
場と呼んだ、大下水路の主要入口に近いカフェがよかろう、
と私は結論下した。ここならばいちばんライムをおびき寄せ
やすいところだろう。
(風船売り
が、隠れているキャロウェイ大佐達のところへ
しつこく、寄ってくる。)
マーティンズは、カフェーでハリーを待った。
カフェに現われたオーソン・ウェールズ。
「サツの手先とは立派なお仕事だわ」
ハリーは、下水路へ逃げ込んだが・・・。
大地下下水道での追跡劇は、実に印象的
な名場面の一つ。
映画では傷ついたハリーは鉄の階段を体を引きずって上
がりマンホールの蓋から指をだすと、そこは、上に警官がいない。
そこへ、
マーティンズが来て、ハリーを見上げる、
ハリーの眼が何かを語った後、一発の銃声がする。
銃声の後に、悄然と立つマーチンズ
★★★★★(ハリーの葬式が行われた)
(ラストの名場面は、原作とは異なる)
ハリーの葬式の帰り、
映画では、アリダ・ヴァリは、待ち受けるジョセフ・コットン
に一瞥もくれずに歩き去っていく。
実際、恋人も失った女性が、絶望のなか、なお毅然として
生きようとする誇り高さが胸を打つのである。
(解説 評論家 川本三郎 241Pより)
(
THE END
参考)アンナとマーチンズの関係が原作と映画では違って 描かれている。
映画では、アンナ(アリダ・ヴァリ)はあくまでも、ハリー(オーソン・ウェルズ)
への気持ち一筋に貫かれている。
★ビデオは,
「第三の男」 VHS 1998/12/10 ビームエンタティメント
B0005GOVF 参照しました。
*写真は、文庫に掲載されてい
るものとは異なりなす。
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