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28. Tintagel アーサー王伝説の村

ティンタジェルはイギリス最西部コーンウォール地方の海辺の村です。 コーンウォールと言うと、アフターヌーンティーでスコーンにつけるコーニッシュクリームの美味しさを思うのですが、それだけではありません、英国アンティークの根っこをたどるのに、もってこいの旅ができるのです。
それでは今回はアーサー王伝説で有名なティンタジェルの村をご案内しましょう。

ティンタジェルの一番の見所は、海に突き出した断崖に残るティンタジェル城址にありますが、その前に村の中心にある Old Post Officeを見ておきましょう。
この地方でも最も有名なコーニッシュ ストーン コテージが、写真の Old Post Officeです。 もともとは14世紀のマナーハウスでしたが、ヴィクトリア時代に村のポストオフィスとして使われたので、ナショナルトラストの管理となった今日でも Old Post Officeの呼び名があります。

重苦しい色あいのローカルストーンを組み上げて、でこぼこしていて重たそうなスレートぶきの屋根、小さな窓、そしてちょっと変わった煙突の形が、この地方のアンティーク コテージの雰囲気をよく伝えています。

(写真1)  Old Post Office


ティンタジェル城址は Old Post Officeがある村の中心から海に向かって歩いていった The Islandと呼ばれる岬の断崖上に残っています。
写真2の辺りはまだ序の口で、岩肌に張り付いたかなり急勾配の階段を登っていかねばならないので、結構な運動になることを覚悟してください。
村から歩いて半時間ほどかかるでしょうか、しかし登りきったら素晴らしい眺望が手に入りますので、多少の苦労は十分に報われるでしょう。

(写真2) ティンタジェル城が残る The Islandに向かう登り道


岩場を上り詰めると、そこは台地になっていてティンタジェルの城跡に行きあたります。
大西洋の大海原が向こうに広がっています。 吹きつける海風はまだ冷たく、断崖を見下ろすと白波が渦巻き、容赦なく岩に砕け、凄まじい感じです。
ここがアーサー王 誕生の地なのです。

(写真3) ティンタジェル城址から大西洋を望む


アーサー王伝説は12世紀にモンマスのジェフリー(Jeoffrey of Monmouth)という年代記作家が、アーサー王が6世紀にティンタジェル城で生まれたと記したのが始まりです。
それ以来、円卓の騎士とアーサー王の物語が語り継がれて来ましたが、特に19世紀ヴィクトリアンのロマンチックな時代風潮の中で、国民的人気を誇る伝説の英雄としてのアーサー王がイギリス人の中に定着しました。

英国の高名な詩人アルフレッド・テニスンがアーサー王伝説について詩 『Idylls of the King (1859)』 を書いていますし、ウィリアム・モリスをはじめとするラファエロ前派の作家たちがアーサー王物語を題材に多くの作品を描いたのもこの時代です。

また、ヴィクトリア時代には多くの人たちがティンタジェル詣でに出かけて流行となりました、テニスンやモリスもたびたびこの地を訪れているようです。
ミントンタイルのコレクターにとって一番人気は 『Idylls of the King 』 を題材とする12枚組みシリーズですが、作者のMoyr Smithもやはり来ています。


(写真4) ティンタジェル城跡


現代の詳しい考古学的知見によると、写真の城跡は正確には12世紀のお城で、アーサー王時代の6世紀の遺構は礎石ぐらいしか残っていないそうです。
ですから、このお城はアーサー王の時代とは本当は関係ないのです。でもこの古城にたたずんでいると、そんなことはどうでもよく、やはりアーサー王のお城なのだと思えてきます。
ヴィクトリア時代に参詣した多くの人たちも、そう思ってここを訪れたはずなのです。

(写真5) ティンタジェル城から教会を望む

(2003年5月21日)

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