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「新着情報 その1」を見る
新着情報 その2
「新着情報」ページが重くなり過ぎないように、「新着情報その2」を設けました。 店主が興味深く思う品、説明を追加した品、最近のSOLD品などをご紹介します。
11/25 No. 4633 ヴィクトリアン or エドワーディアン フロント&バック 9カラット ローズゴールド ロケット
正方形の一辺の長さ 1.8cm、留め具を含む縦の長さ
3.3cm、厚み 4mm、ヴィクトリアン後期からエドワーディアン頃の英国製、一万八千円
側面部分には縄目状の飾りがダブルラインになっていて、装飾的な美しさを追求すると同時に、フレームのしっかり構造にも役立っています。 小振りなロケットながら、手にしてみると持ちはかりが感じられて、堅固に出来たロケットと言ってよいでしょう。
ロケット施されたとても細かい手彫りのエングレービングは、渦巻き様のウェーブパターンです。 ウェーブパターンは、Continuation(続いていくこと)や
Eternity(永遠)を象徴するクリスチャンモチーフで、ヴィクトリアンやエドワーディアンの時代に好まれました。
このロケットはベースメタルの上に、9カラットのローズゴールドの薄板を被せた作りで、「フロント&バック 9カラット ローズゴールド」と呼ばれる素材です。 デートレター等のホールマークが無いので年代特定が難しいのですが、手彫りのエングレービングの見事さ、波模様のデザイン、そしてフロント&バック 9カラット ローズゴールドという素材からみて、ヴィクトリアン後期からエドワーディアンの品と思われます。
全体のバランスのよさ、美しさもさることながら、細工のよいアンティークと思います。 写真では解像力不足でよくご覧いただけないのですが、渦巻き状のウェーブは、1ミリ間隔に何本もの微細な彫刻線を走らせて影を付けた細工で、ルーペを使って見ていただくと、確かな腕前の職人技に驚かれると思います。
9カラットゴールドは金含有量が37.5%の合金ですが、金以外に銅を多く含む場合には、その色あいは赤みがかかっていて、イギリスではローズゴールドとも呼ばれます。 英国にはバラの花が好きな人たちが多いので、ゴールドアクセサリーでもローズゴールドが好まれるのでは?と思えます。 金純度の高いイエローゴールドよりも、温かみがあるしイギリスっぽいので、私は9カラットのローズゴールドが好きです。
もちろん大切な人の写真を入れて使ってもよいのですが、細工の繊細さという点でかなり質の高い工芸品ですので、純粋にペンダントヘッドとしても楽しめると思います。
9カラット ローズゴールドの品には、あわせるチェーン選びに難しさがありますが、9カラットゴールド ロケットをお求めいただいたお客様から、「絹紐に通して胸に着けています。」とご報告いただきました。 なるほどの使い方と思いましたので、ご紹介しておきましょう。
11/25 No. 4667 レザーケース入り オペラグラス
伸ばした長さ 8.3cm、縮めた長さ 6.1cm、横幅
9.8cm、鏡筒部の最大外直径 3.7cm、対物レンズ直径
2.7cm、接眼レンズ直径 1.5cm、重さ 222g、一万八千円
オリジナル革張りケース付きのオペラグラスです。 ケースの下部にほころびもありますが、古めかしいアンティークでいい感じと思います。 オペラグラス本体は長い間ケースに保護されてきたこともあって、機能面は申し分なく、鏡筒部の送り出しもスムーズで、古い品ではありますが、コンディション良好なアンティークです。
観劇用に、あるいは自然観察用に、お手元にアンティーク オペラグラスがあると楽しみも増えましょう。 私は普段の暮らしの中で自然観察用にオペラグラスを使って重宝しています。 ちょっと散歩に出ましても、フィールドではリスやウサギが忙しそうにしていますし、日暮れ頃になりますと鹿も出てきます。 庭の桜の木に餌場があり、いつも野鳥やリスがやって来て賑わいます。 オペラグラスを使うと、やはり肉眼よりよほどよく見えて楽しくなるのです。
11/25 No. 4663 ピアストワーク 6ペンス コイン ペンダントヘッド SOLD
直径 1.95cm、留め具を含む縦長 2.7cm、コインは1953年鋳造、一万四千円
六ペンスコインのデザインをそのままに、手仕事でピアストワークが施したペンダントヘッドです。 糸鋸をひいたギザギザ跡が残る透かし細工は、かなり繊細な仕事振りで、仕上がりの良いクラフツマンシップと思います。 さらにはゴールドギルトが施されており、装飾性が高まっています。
下部には SIX PENCEの文字と、鋳造年の1953年が見えています。 くり貫かれた四つの花はイギリスの統合を象徴しており、表に並んだ四つの花は上から時計回りにイングランドのバラ、スコットランドのアザミ、北アイルランドのシャムロック、そしてウェールズのリークになります。
六ペンスの鋳造年が1953年ですので銀貨ではありません。 ちなみに、イギリスにおける六ペンスは1921年にスターリング純度925から純度500に変更となって、それが第二次大戦後の1946年まで続きました。
銀貨ではないものの、多くの時間を費やして作られたハンドピアストワークであり、作品としての完成度の高さは特筆にあたいしましょう。 ゴールドギルトが施されているのも美しく、上部留め具の円環は9カラットゴールドです。
これがサマセット・モーム『月と六ペンス』に言われる6ペンスなわけですが、マザーグースのナーサリーライムに、花嫁が身につけると幸せになれるといわれるサムシング・フォーに続いて、以下のように六ペンスが言及されていることもあって、縁起物として人気があります。
Something old, something new,
something borrowed, something blue,
and a sixpence in her shoe.
余談ながら、『月と六ペンス』という対比的な題名になんとも惹かれるのですが、皆さん如何でしょうか。 この小説を読むと六ペンス銀貨を持ってみたい気がしてくるように思うのです。 ちなみにモームは「幻想と現実」を表象する二つのものとして月と六ペンスを選んだようです。
11/25 No. 4277 ジョージアン スターリングシルバー オールドイングリッシュ パターン デザートスプーン
with ボトム マーキング SOLD
長さ 18.3cm、重さ 32g、ボール部分の長さ 5.8cm、最大幅
3.5cm、ボールの深さ 0.9cm、柄の最大幅 1.5cm、1760年代から1770年代の英国製、一万九千円
ゆったりと丸みを帯びた柄の曲線ライン、ボール部分の細身なオーバルシェイプ、そして柄元にかけて厚みのある構造と、手にして眺めてみるにつけ、その優雅なフォルムに感心させられるアンティークです。
さらに、このアンティークの特徴はフォルムの美しさだけに止まりません。 写真のデザートスプーンは、かなり古い品であることが、ボトムマーキングの手法から判断できることから、博物学的な興味の対象ともなりえるアンティークなのです。
写真二番目をご覧いただくと、ホールマークの刻印位置がボトムマーキングになっていることが分かります。 柄先の方に刻印することをトップマーキング、柄のボールに近い方に刻印することをボトムマーキングと言います。 今日ではトップマーキング多くて見慣れた刻印手法になりますが、昔の時代にはボトムマーキングが主流でありました。
このファッションの変化は1780年代の半ばに始まったものですが、その背景にはシルバースミスの銀製品を作る技術進歩が関係しています。
トレフィッドパターンやドッグノーズパターンといった昔のスプーンは、強度の観点から柄幅の広いスプーンが主流で、柄幅の広いボトムに刻印することが一般でした。 ところが柄を細くしてもスプーン強度を保てる技術が進み、次第に柄のボトム部分が細くなっていったのです。
そうなると、細くなったボトム柄に大きなホールマークを刻印することが難しくなり、場合によっては無理に刻印すると、スプーンシェイプを損なってしまうといった問題が起こってきたのです。
そしてついに限界点に達して、ボトムマーキングからトップマーキングへのファッションの変更が起こったのが1785年頃だったとされています。
写真のデザートスプーンは限界点に達する少し前に作られたものと思われ、ホールマークが判読しにくいのですが、ルーペを使って詳細に調べてみると、ホールマークは順にメーカーズマーク、エジンバラ アセイオフィス アザミマークの一部、エジンバラ アセイオフィス キャッスルマークの一部、そして1760年から79年までのデートレターサイクルの一部であることが分かります。
オールドイングリッシュ パターンを含むイギリスのスプーンパターンについてはアンティーク情報欄「4.イングリッシュ スプーン パターン」の解説記事をご覧ください。
かなり古いスプーンをお求めいただいたお客様から、ジョージアンの時代に銀器を使っていた人たちはどんな人たちだったのかというご質問をいただきました。 遠い昔に銀器を使っていたのは豊かな人たちであったに違いありませんが、この問題はよく考えてみると、もっと奥の深い問題であることが分かります。
ジョージアンの時代に銀器を使っていた人たちは、百年ほど前のヴィクトリアン後期に銀器を持っていた人たちよりも、一段と社会階層が上のお金持ちだったと思われます。 ジョージアンの時代には、まだまだ銀は社会の上層階級の占有物であったからです。 ヴィクトリア期には英国の経済力も大いに伸長したので、ヴィクトリアン後期の英国では銀器が新興富裕層にまで普及し、その裾野が広がりました。 つまり銀器を使った昔のお金持ちといっても、ジョージアンの時代とヴィクトリアンの時代ではその意味合いや程度が大きく異なるのです。
「International Hallmarks on Silver」という本に、過去の銀世界生産量推計という面白い資料がありました。 その資料によれば、写真のテーブルスプーンが作られた1760年代ころには、銀の年間生産量は650トンほどで、ヴィクトリア時代最後の1900年は5400トンとあります。 時代と共に生産量が八倍以上に増しているわけですが、逆にみると、より昔の時代における銀の希少性について、お分かりいただけるのではないでしょうか。
ジョージアンとヴィクトリアンでは銀のスプーン一本を取ってみても、そのステータスシンボルとしての価値はかなり違っていたわけです。 もっと詳しく知るためには、英国社会史や経済史の理解が不可欠になりましょう。 これからも少しずつ調べて、個々のアンティークが持つ時代背景について、英吉利物屋サイトでお伝えしていければと思っています。
11/25 No. 4075 ハンドピアストワークのスティール ペンダントヘッド SOLD
留め具を含む縦長 6.65cm、一辺の長さ 4.3cm、厚み
1mm強、重さ 16g、一万八千円
素材の厚みは1.2mmほどあるのではないでしょうか。 持った感じはかなりしっかりしています。 素材のスティールにシルバープレートが施してあります。
透かしの細工が素晴らしく、エングレービングの出来栄えも上々なアンティークで気に入りました。 透かしは糸鋸を引いたギザギザ跡が残るハンドワークで、これだけの仕事を仕上げるには大変な時間と手間、そして技術が必要になります。 労働コストが上昇した現代では、もはやお値段的にもお目にかかれない品ですし、そもそもこれだけの技術を持った職人さんが現代ではいなくなっているのです。
厚めなピアストワークと繊細なエングレービングは、アンティークでしか手に入らない美しさと言ってよいでしょう。 21世紀の現代では作りえないという意味で、凄いアンティークの一つと思います。
11/25 No. 4583 スターリングシルバー 葡萄の薬入れ SOLD
横の長さ 3.7cm、縦 2.55cm、高さ 1.7cm、重さ
18g、一万六千円
葡萄モチーフのスターリングシルバー ピルケースです。 葡萄のあたりがもっとも盛り上がった構造で、最大の高さが1.7センチになりますが、蓋を開けて側面の高さを測ってみると、1.25センチになっています。 銀は厚めに出来ていて、持った感じのしっかりしたシルバーケースと感じます。
もともとはゴールドギルトされていたようで、今では薄くなっていますが、ローズゴールドの色味が出ています。 上蓋をの側面部分には「PORTUGAL」の刻印がありますので、ポルトガルで作られたものでしょう。 底の部分にはスターリングシルバーを示す「925」の刻印があります。
葡萄は「Charity (博愛 or 思いやり)」を意味するクリスチャンモチーフで、イエス・キリストを表象することもあります。 「Charity」や「キリスト」をシンボライズする葡萄モチーフは中世以前にシリア辺りから、次第に北ヨーロッパのキリスト教コミュニティーに広まって行ったとされています。 もともとはローマ人によってもたらされた葡萄栽培が、中世ヨーロッパにおいては主に修道院によって運営されていたことも、葡萄とクリスチャンとの関係を深めていったようです。
11/23 No. 14743 ジョージ三世 スターリングシルバー オールドイングリッシュ パターン ティースプーン
長さ 11.8cm、重さ 11g、ボール部分の長さ 3.9cm、最大幅
2.2cm、ボールの深さ 5mm、柄の最大幅 1.0cm、1805年
ロンドン、Thomas Wallis作、一本 五千五百円
(3本あります。)
このスターリングシルバー オールドイングリッシュ パターン ティースプーンは、今から二百年以上前に作られたもので、英吉利物屋の扱い品の中にあってもかなり古い品になります。 1760年から1820年までのジョージ三世時代は長かったので、アンティークにおいても、この時代の品には「ジョージ三世...」と接頭辞のように国王の名前を冠することが多いのです。
オールドイングリッシュ パターンについてはアンティーク情報欄「4.イングリッシュ スプーン パターン」の解説記事を、またジョージ三世については「5.シルバーホールマークとジョージアンの国王たち」後半部分もご参考ください。
写真三番目で見て、ホールマーク順にメーカーズマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、1805年のデートレター、そしてジョージ三世の横顔でデューティーマークとなります。
英国でアンティークという言葉を厳密な意味で使うと、百年以上の時を経た品物を指します。 気に入った古いものを使っていくうちに、その品が自分の手元で‘アンティーク’になっていくことは、コレクターの喜びとも言えますが、この銀のスプーンが作られたのは1805年ですので、余裕でアンティークのカテゴリーに入るどころか、その二倍の"ダブル"アンティークともなっているわけで、そんな辺りにもアンティークファンとしての楽しみ方がある品と言えましょう。
二世紀以上の時を経ているという古さはやはりアンティークとして大きな魅力になります。 英国の歴史は比較的安定していたことが特徴で、隣国フランスのように大きな革命や動乱を経験せずに今日に至っており、そのおかげもあってイギリスにはアンティークのシルバーが多く残っているとも言えます。 しかし、このティースプーンが作られた頃はイギリスにおいてもかなり世の中が荒れて、政治が混乱した時代でした。
一つには産業革命の影響で英国社会に大きな変化が起こりつつあって、ロンドンでは打ち壊しのような民衆暴動が頻発していたことがあり、二つには国王ジョージ三世がアメリカ植民地経営に失敗してアメリカ独立戦争を招いたことなどが混乱に拍車をかけました。 18世紀後半にロンドンで起こったゴードン暴動では死者が五百人を超える惨事となって革命一歩手前だったようです。
さらに加えて海外からの不安定要因がイギリスを脅かし始めます。 1789年に始まったフランス革命は次第に先鋭化していって、ついに1793年には国王を処刑してしまうまでになりました。 このティースプーンが作られた頃というのは、おっかなびっくり隣国フランスの様子を窺いながら、当時のイギリスはいつ対岸の火事が飛び火してくるか、ひやひやものでありました。 もし英国史がそのコースを少し外していたら、このスプーンを今こうして見ることもなかったかもしれない、などと思ってみたりもするのです。
それから、柄先にホールマークを刻印することをトップマーキングと言いますが、1800年前後にロンドンで作られたティースプーン等の小物シルバーウェアのトップマーキングにおいては、ロンドン レオパード ヘッドの刻印を省略することが当時流行っていました。 このティースプーンにもロンドン アセイオフィス マークがありませんが、同時期に作られたロンドン物ではよく見かける傾向なのです。 おそらくロンドン中心思考がこうした習慣を生んだと思われますが、1830年ぐらいから以降は改まりきっちり刻印されるようになっていきます。
11/25 No. 4734 エドワーディアン スターリングシルバー フィドルパターン ティースプーン
長さ 12.0cm、重さ 15g、最大幅 2.5cm、ボールの深さ
0.7cm、フィドル柄の最大幅 1.35cm、柄の最大厚み
2mm、1907年 ロンドン、Josiah Williams &
Co.作、三千五百円
今から百年とちょっと前に作られたスターリングシルバー フィドルパターンのティースプーンです。 イギリスのアンティーク シルバー テーブルウェアの歴史を紐解きますと、昔のものほどサイズが大きくなる傾向があります。 例えばジョージアンのテーブルスプーンなど見ますと、こんなに大きなスプーンを二百年前の人は使ったのかとびっくりします。
この傾向はフィドルパターンのティースプーンにも言えることで、写真のティースプーンと、4732 ジョージアン ティースプーンを比べていただくと、サイズの変遷がお分かりいただけると思います。
エドワーディアンとジョージアン、製作年は百年前と二百年前で、両者の間に一世紀ほどの隔たりがあるわけです。 この二つのフィドルパターンを並べて見ると、4734
エドワーディアン ティースプーンの方が、ひとまわりと言わずふたまわりほど小振りになっており、博物学的な興味の対象ともなりえましょう。
ただし、4734 ティースプーンはジョージアンと比べれば確かに小振りではありますが、柄の最大厚みは2ミリもあり、銀をたっぷり使って作られており、手にしてみて重厚感ある仕上がりになっています。
写真二番目に見えるホールマークは順に「Josiah
Williams & Co.」のメーカーズマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、ロンドン レオパードヘッド、そして1907年のデートレターになります。
一般にヴィクトリア時代創業のシルバースミスが多い中にあって、この品を作ったJosiah
Williams & Co.はジョージアンの時代に始まった老舗の一つになります。 1800年創業のJosiah
Williams & Co.はブリストルのメーカーで、地方では最大のシルバースミスでした。 メーカーズマークは当時の共同パートナーであった二人、George
Jackson & David Fullertonの頭文字GJDFが刻まれています。
今日でも中世の街並みや大聖堂が美しいブリストルは、16世紀にはエイボン川河口の貿易港として栄え、その後はイングランド南西部の主要都市として発展しました。 しかし大きな都市であったがゆえに、第二次大戦中の1940年11月24日にはドイツ軍による空襲を受け、Josiah
Williams & Co.も工房を失い、残念ながら140年の歴史に幕を閉じました。
このスプーンのパターンは柄の形がヴァイオリン(Fiddle)に似ていることから、フィドルパターンと呼ばれます。 もともとは18世紀のフランスで人気だったこのフィドルパターンは、19世紀に入った頃からイギリスでも次第に流行っていきました。 フィドル パターンについてはアンティーク情報欄「4.イングリッシュ スプーン パターン」の解説記事もご覧ください。
11/25 No. 4720 エドワーディアン スターリングシルバー クロス
縦の長さ 3.9cm、留め具を含む全長 4.8cm、横の長さ
2.5cm、帯幅 6mm、厚み 1mm、1904年 バーミンガム、一万九千円
お手入れしたところ綺麗になったので、写真を撮り直してみました。
三つ葉が左右交互に向きながら、たくさん並んで彫られていて、三つ葉のバックにもとても細かなエングレービングが施されています。 このパターンの彫刻はヴィクトリアンからエドワーディアン頃に流行ったデザインになります。
基本デザインは深めな彫りで、葉っぱが左右交互に向かうことから、その彫刻切面はブライトカットと同様な効果をもたらし、光の反射を美しく誘います。 ブライトカットとは十八世紀終り頃から、英国においてその最初の流行が始まった銀装飾の手法です。 ファセット(彫刻切面)に異なった角度をつけていくことによって、反射光が様々な方向に向かい、キラキラと光って見えることからブライトカットの呼び名があります。
三つ葉デザインの手彫りエングレービングはレベルの高い仕事です。 写真では解像力不足でよくご覧いただけないのですが、背景にある濃いめの色合いでシェードがかかったように見える部分も、1ミリ間隔に何本もの微細な彫刻線でエングレービングを施したもので、ハンドワークとしては限界に近い仕事です。
英国でアンティークという言葉を厳密な意味で使うと、百年以上の時を経た品物を指します、そして百年もので素晴らしいアンティークはそうはないものです。 この品は105年の時を経ており、余裕で厳密なカテゴリーに入るエドワーディアン アンティークです。
裏面に四つのブリティッシュ ホールマークがしっかり深く刻んであるのも好印象です。 ホールマークは順にメーカーズマーク、バーミンガム アセイオフィスのアンカーマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1904年のデートレターになります。
また、留め具の円環にもスターリングシルバーを示すライオンパサントが刻印されており、クォーリティーの高さを示しています。
19世紀後半からしばらく、ヴィクトリアンやエドワーディアンのイギリスでは、植物を好む自然主義的傾向が顕著でした。 バルコニーやガーデンファーニチャーに絡まるアイビーが好まれ、稠密かつ精巧なナチュラルデザインとしてファーン(シダ)が好まれました。 あるいはコンサバトリーでの観葉植物や薬草の栽培もガーデニングの延長として流行ったのです。
そういえば、もともとは王宮庭園であったキューガーデンが、王立植物園として生まれ変わったのはヴィクトリア時代の初め頃でありました。 植物研究施設としてのキューガーデンが、ヴィクトリアンの人たちの植物好みを引っ張ったと言うこともあるでしょう。
写真のシルバーアンティークに施された植物文様には、ヴィクトリアンの人たちの植物好きが色濃くは反映されているわけです。
それから、このアンティークが作られた頃の時代背景について、英国アンティーク情報欄にあります「14. Still Victorian」もご参考まで。
11/24 No. 5824 9カラット ゴールド リング with
ガーネット SOLD
リング内径 1.7cm、リング外径 1.95cm、リング最大帯幅
4.5mm、ガーネット直径 2mm、英国製、一万九千円
八方位星型カットの中央にガーネットが埋め込まれています。 三つのガーネットはフレームの向こう側に抜けた構造になっていて、ブリリアントカットされたガーネットの角錐状パビリオンが伸びている様子が、ルーペで見てみると分かります。 9カラットゴールドのフレーム内側はドーム天井のようになっているので、パビリオンが指に触れることはありません。
リングの帯幅は中央のガーネット付近が最大で4.5ミリほどあります。 中央のガーネットから両サイドに向かって次第に帯幅が細くなっていく作りで、ちょうど反対サイド付近で1.5ミリと最小になります。
リングの内側にはメーカーズマーク、9カラットゴールドを示す「天秤に375」のコモン
コントロール マーク、さらに9カラットゴールドを示す「375」刻印があります。 もう一つ刻印があり、読み取りにくいのですが、シェフィールド アセイオフィスマークでしょう。
デートレターはありませんが、「天秤に375」のコモン
コントロール マークに始まるブリティッシュ ホールマークが刻印されていることには好感が持てます。
11/24 No. 6075 スターリングシルバー ケース SOLD
縦 8.7cm、横 7.2cm、最大厚み 1.6cm、重さ
97g、1919年 バーミンガム、二万七千円
11/23 No. 4683 『Paris』 エングレービング クリスティング スプーン
with フレンチ ホールマーク SOLD
長さ 14.3cm、重さ 26g、最大幅 2.75cm、柄の最大幅
1.5cm、柄の最大厚み 2mm強、一万四千円
植物文様の装飾は金属象嵌による工芸作品です。 ベースになる銀素材に象嵌細工を施している様子からみて、金色部分は9カラットゴールドで間違いないでしょう。 写真二番目に見えるように、裏面にも同様な植物文様が施されていますが、こちらの象嵌細工はボール裏面にまで及んでいてゴージャスです。
ルーペで詳細に観察していくと、まずシルバースプーンに彫刻刀で植物文様を刻んでいき、その上から9カラットゴールドを埋め込んだ細工であることが分かります。 手で触れてみるとゴールドの植物文様部分は、少し盛り上がってレリーフ状をなしています。
ボール裏面のテーブルに触れる面は金象嵌がなくなっていますが、下地部分の銀の刻み跡が確認できることから、かえって金象嵌を施した手順や手法が分かるところに面白みを感じます。 時間のかかった工芸品で、シルバースミスの力量も確かなことから、見ごたえのあるアンティーク スプーンになっています。
手の込んだ装飾が施されているスプーンでありますので、クリスティングのお祝い品であったろうと思います。 ボール部分には『Paris』のエングレービングがありますが、これは都市名のパリではなくて、プレゼントされた女の子の名前が『Paris』であったということでしょう。
ボール内側の柄元に近い左右には、フレンチホールマークが深く刻印されているのも、この品のよい特徴です。 二つのホールマークは、フランス製シルバーのスタンダードマークである知恵と武勇の女神ミネルバの横顔マークと、菱形のメーカーズマークになります。
1838年に制定されたフランスのホールマーク制度によれば、ミネルバマークと四角いメーカーズマークがフレンチシルバーの要件になっています。
11/23 No. 4712 ヴィクトリアン ピンチバック ロケット
楕円の長径 2.75cm、短径 2.2cm、厚み 5.5mm、重さ
7g、ヴィクトリアン後期からエドワーディアン頃の英国製、一万八千円
このヴィクトリアンロケットは、作りもアンティークな上に、かなり綺麗と思います。 彫刻の確かな技術、そして品のよさが時を経たアンティークであることを伝えてくれる。 そういう品はそれほどはないものです。
厚さが5.5ミリと厚めなロケットのボディー部分に、上下からピンチバックの板を張り合わせた構造をしており、ロケットとして昔の工作方法で、いかにもヴィクトリアンな作り方がしてあります。 現代のロケットは一枚板から打ち出す方が普通でかつ容易なので、この手間のかかった作りからして、古いロケットであることが伺い知れるのです。
両面ともに幾何学模様はゴージャスな飾り彫りになりますが、表に見える小さなクロスには清楚な美しさを感じます。 雰囲気が違った表と裏のデザインが二通りに楽しめるのはよいでしょう。 彫刻レベルはアンティークでしか手に入らない高い水準にあると思います。 両面ともにエッジ周りにはブライトカットの楕円周が刻まれているのも気に入りました。
エングレービングは手仕事としては限界的な技巧が凝らされており、基本デザインの背景部分には、1ミリ間隔に何本もの彫刻線を引いて影を付けた細工も見て取れます。 ルーペで詳しく見ていくと、楽しみがよりいっそうに深まるアンティークです。
ロケットの素材はピンチバックと呼ばれるアンティークな素材です。 この素材は銅と亜鉛の合金で、ゴールドの色あいをもたらすジュエリー素材として、ヴィクトリアンの英国で好まれてしばしば使われました。 元々は1720年ごろにロンドンの時計メーカーであったクリストファー ピンチバックという人が発明したことから、ピンチバックの名で呼ばれるようになったのでした。
デートレター等のホールマークが無いので年代特定が難しいのですが、ロケットの作り方、素材や構造、モチーフとデザイン、そしてエングレービングの素晴らしさ等からみて、ヴィクトリアン後期からエドワーディアン頃の品と思われます。
11/23 No. 4686 ファージング コイン ペンダントヘッド
with ゴールドギルト 一部 SOLD
直径 2.0cm、留め具を含む縦長 2.7cm、厚み
1.5mm、ファージング コインは1943年鋳造、一つ
八千円 (三つあります-->二つあります。)
英国のファージング コインにゴールドギルトを施したペンダントヘッドです。 ファージングという今では使われていない通貨単位の響きにノスタルジーを感じますし、昔の通貨制度を考えてみるよい材料になって、興味を惹かれます。
Farthing コインは四分の一ペンスに相当し、13世紀に初めて作られ、それから700年以上にわたって英国で使われてきた歴史があります。 第二次大戦後のインフレーションの為に、次第に使う意味がなくなってきて、1960年に廃止となりました。
デザインになっているのは ウェン(Wren) という鳥で、尾を高く上げる姿が特徴的です。 成長しても体長が10センチにも満たない、イギリスで最も小さな鳥として知られています。 おそらくファージングが小さな貨幣単位であることから、デザインに採用されたのでしょう。
英吉利物屋をご贔屓いただいているお客様から、『ウェンという鳥、見たことがあるような、ないような・・』といただきました。 私も思うところが一緒だったので、ウェン(Wren)について、もう少し調べてみましたら、いろいろ分かってきました。
まずこの鳥はイギリスにも日本にもいます。 小さくてけっこう動きが素早いので、じっくり見たことがある方は少ないかも知れませんが、山奥の渓流とかで声を聞いた経験は皆さんあると思います。 日本での名前はミソサザイ、鳴き声のいい鳥です。 野鳥好きな方は大勢いらっしゃるようで、ユーチューブで「ミソサザイ」と検索すると、たくさん出てきます。 鳴き声を聞くと、ああ聞いたことあるなと思われることでしょう。
マザー・グースでも有名な『誰が殺したクック・ロビン』に出てくるロビンという鳥がいますが、このロビンとウェンは夫婦だという考え方が、昔のイギリスにはあったようで、興味深く思っております。 そもそも別種ですから、科学的にはありえないのですが、ロビンが雄鳥、ウェンが雌鳥で夫婦と見られたようなのです。
ロビンはちょっと風変わりな鳥で、庭で芝刈りしておりますと、周りの小枝やガーデンゲート止まって人を見張るような挙動をします。 その本当の理由は、芝刈りすると地面から出てくるミミズなど捕ってやろうということらしいのですが、この庭はロビンの縄張りだとばかりに、人を見張る姿は滑稽でもあり、人懐っこい鳥なのかなあとも思うのです。
そして「王立園芸学協会」と「野生動物トラスト」による、庭で見かける生き物たちのお気に入りコンテストでは、ロビンは上位に入賞する人気の鳥でもあります。
そうすると、人気者ロビンの奥さんであるウェンも、イギリスではそれなりの人気を持っていて、そんなことを背景にイギリス硬貨のデザインに選ばれたのか、などと考えております。
裏面の肖像は現女王エリザベス二世の父君にあたるジョージ六世です。 「王位を賭けた恋」で有名なエドワード八世が劇的な退位を遂げた後に、急遽、英国王になったのがジョージ六世でした。 ご本人も自分が国王向きなパーソナリティーであるとは思っていなかったようで、それまでに国王になる準備がまったく出来ていなかったこともあって、初めのうちは周囲からも大丈夫だろうかと心配されました。
ところがその後の対ドイツ戦争中に、側近たちがバッキンガム宮殿からの疎開を進言したのに、それを拒んで、爆撃を受けるロンドンから執務を続けたことで、国民の人気が上がりました。 戦争中のロンドンはしばしばドイツの爆撃機が来たり、さらにはV1やV2と呼ばれるミサイルまでもが飛んでくる危険な状況でありました。 そんな中でロンドンにあって英国民を鼓舞し続けたジョージ六世の評価が上がったのは当然と言えば当然でしたが、さらには王妃や子供たちを大切にする理想的な家庭の夫であったことも、「良き王」として英国民の尊敬を集める理由となったのでした。
11/23 No. 4505 エンジェルヘッド モチーフ ノルウェー シルバー ティースプーン
長さ 11.5cm、重さ 10g、最大横幅 2.25cm、柄の最大幅
1.5cm、柄の最大厚み 2mm、ノルウェー製、Marius
Hammer作、一本 五千円(3本あります。)
お手入れしたところ、綺麗になりましたので、写真を撮りなおしてみました。 レイノルズのエンジェルヘッドを思わせるモチーフに惹かれて求めた品で、北欧アンティークの中でもノルウェー製のシルバー ティースプーンになります。 裏面にはノルウェー製シルバーのスタンダードである「830」の刻印と、メーカーズマークが刻印されています。
ボール部分の先細なシェイプと、三つ葉の柄先に植物模様とエンジェルヘッドが可愛らしく、優雅な雰囲気で気に入りました。 柄の中ほどに見えるねじり構造は、柄の強度をアップするのと同時に、光の反射が綺麗で装飾的な美しさを追求するのに役立っています。
柄の裏面に刻印されたホールマークは、ノルウェー製シルバーのスタンダードマークと、マリアス・ハマーの「MH」マークです。 シルバースミスのマリアス・ハマー(1847年-1927年)は、ジュエリーも手がけたノルウェーの有名どころになります。
ノルウェーの銀にはデートレターの制度がないので、製作年を特定することが難しいのですが、マリアス・ハマーの作であることからして、百年ほどの時を経たアンティークであると考えられます。
11/21 No. 4669 ヴィクトリアン スターリングシルバー バターナイフ
長さ 14.1cm、重さ 16g、ブレード部分の最大幅
1.8cm、1895年 シェフィールド、James Deakin
& Sons Ltd作、一万三千円
今から百十五年前のヴィクトリア時代に作られたスターリングシルバー バターナイフです。 ブレードはシンプルで使いやすく、小花の入った植物模様のレリーフは気の利いた美しさで、今のものにはないゴージャス&アンティークな雰囲気に仕上がっています。
バターナイフは元々バタースペードという鏝状(こて状)のシルバーウェアから発展してきた経緯があります。 このバターナイフはバタースペードと同じようなこて状ブレードを持ち、ブレード面に対して柄先が2センチほど高い位置にくる構造となっています。 その昔の「こて状バタースペード」の面影を残しているという意味で、バターナイフの歴史的発展過程を示しているわけで、博物館的な興味を感じさせてくれるアンティークとも言えましょう。
この辺りの経緯について詳しくは、英国のバターナイフの歴史を解説しております
「9. トラディショナル イングリッシュ バターナイフ」の解説記事をご参考ください。
写真三番目にあるように、柄の裏面には四つのブリティッシュホールマークが、しっかり深く刻印されているのもこの品のよい特徴です。 ホールマークは順に「James
Deakin & Sons Ltd」のメーカーズマーク、1895年のデートレター、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そしてシェフィールドの王冠マークになります。
「James Deakin & Sons Ltd」は1865年にジェームス・ディーキンによってシェフィールドで創業されたのが始まりです。 1886年には彼の三人の息子達、ウィリアム、ジョン、アルバートもパートナーに加わり、ファミリービジネスとして上述の社名に変更し、事業は順調に発展していきました。 1888年にはロンドン支店開設、ヴィクトリア後期の1890年代には、スコットランドのグラスゴーとアイルランドのベルファストにも支店を開設しています。
写真のバターナイフが作られたのは1895年のことですので、息子たちがファミリービジネスに加わって、支店も順調に増えていった銀工房の最盛期における作品と言ってよいでしょう。
しかし多くのシルバースミスがそうであったように、事業のピークは英国の国力がピークであったビクトリア後期からエドワーディアンの時代にあったようです。 その後は事業を次第に縮小していき第二次世界大戦が始まった1940年には店を閉めました。 メーカーズマークの「JD
WD」はJohn & William Deakinのイニシャルになっています。
この品が作られた1895年というのは、19世紀の終わり頃であるとともに、六十余年続いたヴィクトリア時代の終り頃にもあたっています。 当時の様子については、英国アンティーク情報欄にあります「14. Still Victorian」や「31. 『Punch:1873年2月22日号』 ヴィクトリアンの英国を伝える週刊新聞」の解説記事もご参考ください。
11/21 No. 4508 ヴィクトリアン スターリングシルバー リング
with ブリティッシュ ホールマーク
リングの内径 1.85cm、リングの外径 2.05cm、リングの帯幅
8mm、1894年 バーミンガム アセイオフィス、一万八千円
プレーンタイプのリングですが、帯幅があって、銀がしっかりの、どちらかと言えばごっつい系のスターリングシルバー リングです。 作られたのは1894年のことで、百十五年の年月が経過したヴィクトリアン アンティークになります。
ブリティッシュ ホールマークがどれもしっかり深く刻印されているのがこのヴィクトリアーナのよい特徴です。 リング内側に見えるホールマークは順にバーミンガム アセイオフィスのアンカーマーク、1894年のデートレター、スターリングシルバーを示すライオンパサントです。
ちょっと見たところ、プレーンタイプなのでそれほど古い品に思えませんが、ブリティッシュ ホールマークを判読することによって、時を経た品であることが、分かる人にはそれと分かる、そういうアンティークもよいのではと思うのです。
シンプルなデザインの純銀というものは、銀の色合いは思っていた以上に美しく、まろやかで心がやすまるものであると、あらためて気付かせてくれることもあるように感じます。
お客様から、なるほどと思わせていただいたお話がありますので、ご紹介させていただきましょう。
『先日北海道では珍しい大型台風が通過し、短時間ですが停電となってしまいました。夜、仕方がないので古い灯油ランプを持ち出し屋内の照明としたのですが、以前手配いただいたティースプーンをランプの光にかざしてみたところ、ほの暗い明るさの中、スプーンのボウル内や彫刻の輝きにしばし見とれました。銀のアンティークには点光源の古い照明が合うようです。また昔の貴族が銀器を重用したのもうなずける気がします。』
私はアンティーク オイルランプのファンで、早速に試してみたのですが、シルバーにアンティークランプの灯がほんのりと映って揺れているのを見ていると、なんだか落ち着くものでした。 スプーンとリングで違いはあるものの、磨きぬかれたソリッドシルバーの輝きを楽しむのも、またよいのではと思わせてくれる銀のリングです。
いつも身に着けられてきた品でありましょうが、よく磨きがかかっていて穏やかな雰囲気になっている様子を見ると、いい感じに年を経てきたシルバーリングと感じます。 これからもゆっくり時間を過ごして、さらに五十年、百年が経っていくのだろうなあと思うのです。
11/21 No. 4733 スターリングシルバー&マザー オブ
パール ペンダントヘッド with スターリングシルバー チェーン
縦の長さ(留め具含まず) 4.3cm、最大幅 1.0cm、厚み
2mm強、全体の重さ 5g、シルバーチェーン一周の長さ
46cm、一万一千円
スターリングシルバーのフレームにマザー オブ
パールの入ったペンダントヘッドです。 上半分は透かし細工になっていて抜けた構造です。 写真二番目で見えるように、マザー
オブ パールの下側はシルバーフレームでカバーされています。 シルバーフレームの裏面には、スターリングシルバーを示す「925」の刻印があります。
チェーンもスターリングシルバーで繊細な感じがいいと思います。 留め具部分の二箇所にスターリングシルバーを示す「925」の刻印があります。
マザー オブ パールという素材はミルクホワイトの輝きが内側からこぼれてくるようで、光に当たると見えてくるうっすらとした虹色の輝きが綺麗です。 マザーオブパールの品をお買い上げいただいたお客様から、次のようなお便りをいただきましたので、ご紹介させていただきます。
『取手の白蝶貝のうっすらとした輝きがとても綺麗です。 まるで、嵐が来る前の空のようだと思いました。 上空を凄い速さで白い雲が流れていく中、時折、空全体がぱあっと明るくなる様子を髣髴とさせます。』
イギリスは一日の中でもお天気の移り変わりが激しくて、さっきまで晴れていたかと思うと、一転してにわかに雲が天を覆うことも多く、お客様からの文章にあったような光景をしばしば目にいたします。 なるほどと、マザーオブパールをとてもよく形容しているように思いました。
11/20 No. 5181 スターリングシルバー フォブ ペンダントヘッド
with ピアストワーク SOLD
直径 2.5cm、全体の長さ(留め具含む)3.8cm、重さ
4g、本体の厚み 0.5mm、1933年 バーミンガム、一万円
少し時代が下って1933年に作られたスターリングシルバー フォブです。 それでも今から七十年以上前に作られた品なので、けっこうな古さと思います。 エングレービングは美しいですし、透かし細工もレベルの高さを持っています。
ヴィクトリアンやエドワーディアンのフォブと比べると、すっきりモダンな雰囲気に仕上がっています。 いくつかシルバーフォブを並べて、年代的な趣の違いを感じてみるのも楽しいでしょう。
四つのブリティッシュ ホールマークがしっかり深く刻印されているのもこの品のよい特徴です。 裏面のホールマークは順にメーカーズマーク、バーミンガム アセイオフィスのアンカーマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1933年のデートレターになります。
11/20 No. 7947 シルバー ブローチ with マルカジット SOLD
横の長さ 5.9cm、縦の長さ 3.0cm、最大厚み(留め金含まず)
7mm、重さ 13g、一万三千円
植物デザインのシルバーフレームに大小たくさんのマルカジットがはめ込まれ、キラキラと反射光が綺麗なブローチです。 フレームは中ほどがゆったりと盛り上がった格好で、緩やかに湾曲した構造になっています。
マルカジットは丸い粒の表面が六角錐になった鉱物で、マーカサイトと発音されることもありますが、私の周りのイギリス人は皆マルカジットと発音するので、それに従っています。 光沢のある六角錐状の表面が、光を様々な方向に反射して美しい為に、古くから装飾品に多く使われてきた素材です。
写真二番目は光量を絞って撮ってみました、マルカジットの輝き具合の様子から、六角錐状の表面構造がお分かりいただけるにではないでしょうか。 マルカジットは少しの光でも、鏡のように四方に(六角錐なので正確には六方向でしょうか。)光を反射して輝いてしまうので、写真を撮っても普通はその表面構造まで分からないことが多いのです。
写真三番目では、右下の大きな葉っぱ裏面に、「SILVER」の刻印が見えます。
11/20 No. 5932 スターリングシルバー&マザー オブ
パールのペンダントヘッド SOLD
縦の長さ(留め具含む) 3.8cm、楕円の長径
2.6cm、短径 1.95、厚み 5mm、重さ 5g、一万一千円
スターリングシルバーのフレームにマザー オブ
パールの入ったペンダントヘッドです。 真上から見てほとんどがマザー
オブ パールなわけで、純粋にマザー オブ パールの色合いを楽しむ趣向のアクセサリーと言えましょう。 フレームの裏面には、ちょっと見えにくいですが、スターリングシルバーを示す「925」の刻印があります。
マザー オブ パールという素材はミルクホワイトの輝きが内側からこぼれてくるようで、光に当たると見えてくるうっすらとした虹色の輝きが綺麗です。 マザーオブパールの品をお買い上げいただいたお客様から、次のようなお便りをいただきましたので、ご紹介させていただきます。
『取手の白蝶貝のうっすらとした輝きがとても綺麗です。 まるで、嵐が来る前の空のようだと思いました。 上空を凄い速さで白い雲が流れていく中、時折、空全体がぱあっと明るくなる様子を髣髴とさせます。』
イギリスは一日の中でもお天気の移り変わりが激しくて、さっきまで晴れていたかと思うと、一転してにわかに雲が天を覆うことも多く、お客様からの文章にあったような光景をしばしば目にいたします。 なるほどと、マザーオブパールをとてもよく形容しているように思いました。
11/19 No. 4687 ヴィクトリアン or エドワーディアン シルバープレート ヴェスタ
縦 5.4cm、横 3.1cm、厚み 0.8cm、重さ 26g、ヴィクトリアン終り頃からエドワーディアン頃の英国製、一万五千円
写真の品はヴェスタと言って、ヴィクトリアン終り頃からエドワーディアン頃に作られたマッチケースです。 シルバープレートになりますが、手彫りのエングレービングは、かなり高い水準の仕事で、両面に施された彫刻を楽しむだけでも十分に価値あるアンティークと思います。 以前によく似た品を扱いましたが、ひとつ一つが手仕事の彫刻なので、彫りの様子は微妙に違っております。
彫刻は植物模様とウェーブパターンの融合で、当時の定番デザインの一つとなっています。 また、素材は厚めでしっかり出来ており、蓋の開閉も板バネが良く効いてパチンと気持ちよく、実用されても心地よくお使いいただけるでしょう。
ヴェスタはスワンマッチという特別なマッチを入れて使います。 スワンマッチはマッチ箱で擦るのではなく、映画などで見たことがあると思いますが、靴の裏などザラザラしたところに擦りつけて発火させるマッチで、日本ではロウマッチとも呼ばれます。 ヴェスタの底はギザギザになっているので、スワンマッチならこのギザギザ底での摩擦で火がつくのです。
私はタバコは吸いませんが、アンティーク ランプやキャンドルの灯火を見ていると落ち着いた気分になれるので、これが日課のようになっていて、灯を入れるにはやはりヴェスタがよろしくて、そのため必需品になっています。 また、ロウマッチをシュッと擦ると映画の主人公みたいな気分にもなれるので、何は無くとも火をつけてみたりもします(少し変ですが。)。
スワンマッチは英国では簡単に手に入ります。 ニュース
エージェントやスーパーマーケットでも売っていることからして、愛好家が多いのだろうと思います。 スワンマッチの箱には「since
1883」とありますので、ヴィクトリアン以来の伝統というわけです。
日本でスワンマッチを入手する方法について、お客様から以下の情報をいただきましたので、ご参考ください。
『畑様
仕事におわれてメールチェックが遅れましてすいませんでした。スワンマッチですが、兼松日産農林というマッチ会社が日本に輸入しております。そこはマッチ愛好家のホームページを持っていて、マッチ取り扱い店の案内や通信販売も行っています。アドレスはhttp://www.nostalgia.co.jpです。
東京都内に販売店があるので都内の方は直接買いに行くのもいいと思います。私もいってみましたが、いろんなマッチがあって楽しかったですよ。店の主人と話をしてみると意外とマッチ愛好家と言うのは多いようです。愛好家が増えれば入手しやすくなると思うので宣伝どうぞよろしくお願いします。(笑)
新潟は夏から冬へまっしぐらと言う感じで、日に日に寒くなっております。晩酌の酒が、焼酎の水割りからお湯割に変わるのももうすぐでしょう。それではまた』
(「英国アンティーク情報」欄にある「22.明かり、ロンドンアンティーク事情」の記事もご参考まで。 私が使っているオイルランプの写真もあります。)
11/19 No. 4651 スターリングシルバー ティースプーン
with ピアストワーク
長さ 9.5cm、重さ 7g、最大幅 1.9cm、ボール部分の深さ
4mm、透かし柄の最大幅 0.9cm、柄の最大厚み
1.5mm、1962年 バーミンガム、一本 四千五百円、(6本あります。)
小振りなシルバー ティースプーンながら、品のよいフォルムと繊細なピアストワークに惹かれました。 ティーとコーヒーともにお使いいただけましょう。 裏面のブリティッシュ ホールマークは順にメーカーズマーク、バーミンガム アセイオフィスのアンカーマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1962年のデートレターになります。
11/19 No. 4582 ブラス コンパス ペンダントヘッド SOLD
直径 2.5cm、最大厚み 6.5mm、コンパス本体の直径
2.1cm、ヴィクトリアン後期からエドワーディアン頃の英国製、二万円
ブラスのコンパスペンダントヘッドで、方位磁針の本体をロープの縄目が取り囲んでいます。 百年ほど前の流行を感じさせてくれる興味深いアンティークと思います。 ロープはマリーンモチーフの一つとなりますが、ヴィクトリアン終わり頃からエドワーディアン頃のイギリスでは、シーサイドホリデーが人気となって、例えば英国南部の海岸リゾート地であるブライトンやサウスエンドオンシーなどは大いに賑わいました。 波模様、アンカー、操舵輪、ロープ、ヨットなどのマリーンモチーフの流行は、こうした時代背景によっています。
古いコンパスではありますが、あまり使い込まれた様子がなく、カバーガラスの状態がよく、また写真二番目で見えるようにブラスのフレームも綺麗です。 磁力はよく保持されており、実用上も役に立つアンティークです。 ただし磁針は南を指しますが、これは心得ておけば特に問題にはならないでしょう。
方位磁針は時に南北が逆転するということを最近知り、その直し方も分かりましたので、機会があったらやってみようと思っています。 詳しくは、「南北が逆になった方位磁針の直し方」をご参考ください。
イギリス人は今も昔も野歩き好きで、遠いヴィクトリアの時代からコンパスが利用されてきました。そして今ではアンティークコンパスはコレクターアイテムでもあります。アンティークなコンパスですが、正しい方位を示してくれます。これさえあれば、野歩きで森に入っても道に迷う心配はありません。
方位磁針というとアウトドアのイメージですが、都会の街でも便利です。例えば、ロンドンの地下鉄では乗り換え時にいくつもの通路や階段を行ったり来たりするうちに、自分がどの方角にいるのか分からなくなったりします。そんな時、電車が入ってくる方角や、電車の前後のどちらに乗ったらよいか等、ちょっと知りたい時にも便利です。(ロンドンの地下鉄は日本と違って、駅のホームに隣駅の駅名表示がないので、電車がホームの左右どちらから入ってくるか、すぐには分からないことが多いのです。)首にさげていると中の針がゆらゆら揺れるのも楽しいものです。電車に乗っている時はモーターからの電磁波の影響で針がくるくると回り、子供が不思議がります。
お客様から教えていただいた、いいお話がありましたので、以下でご紹介させていただきます。
『米映画「依頼人(THE CLIENT)」の放送を見たためです。少年がポケットにあった1ドルで女弁護士を雇う話です。それが映画の中で、女性弁護士が「あなたが幸せの道を間違えないように」(こんな感じのセリフでした)と、少年に祖母からもらったというコンパスネックレスをかけてあげるシーンがあったのです。このコンパスネックレス自体は、シルバーの三角形(△)の真ん中に小さいコンパスが付いているだけという地味なデザインだったのですが、昔からそういう意味でコンパスネックレスがあるのかと思ったら、ちょっと気になってしまいました。』
11/18 No. 4317 スウェーデン製 シルバー サービングスプーン
長さ 19.8cm、重さ 56g、ボール部分の長さ 8.1cm、最大横幅
4.55cm、ボールの深さ 1.0cm、柄先の最大直径
1.6cm、1880年代 スウェーデン製、一万九千円
もともとペアで求めたものですが、一本になりましたので、写真を撮り直してみました。
56グラムと持ちはかりがあって、しっかり出来た重厚な雰囲気には、どちらかというとイギリス風を感じるシルバー アンティーク サービングスプーンです。 ボール部分は大きめかつ深めで、いろいろな用途で活躍してくれそうです。 ハンドルもどっしりしていて好感が持てます。
柄のデザインは、なかなかに凝った装飾で、綺麗に仕上げられたシルバー サーバーと感じます。
写真二番目をご覧いただくと、裏面の柄元にはお団子形状の「三つの王冠」マークがありますが、これがスウェーデン製シルバーウェアのステートマークになります。
11/18 No. 4668 ハープと鳥 エナメルワーク アイリッシュ コイン ペンダントヘッド
with チェーン
直径 2.55cm、最大厚み 3mm、全体の重さ 11g、チェーンの長さ
45cm、コインの鋳造年は1971年 アイルランド、一万四千円
エナメルワークは奥行きのある光沢で金文字、オレンジと黄色のハープ、そして緑色の背景色のコントラストが綺麗です。
デザインのハープは、古代アイルランドの王様デビッドが採用したと言われ、今でもアイルランドの象徴になっています。 英吉利物屋で取り扱うことが多い銀の分野においても、王冠をかぶったハープのマークは『Harp
Crowned』と呼ばれ、アイルランドはダブリン アセイオフィスの銀スタンダードマークとして1637年から使われています。
そういえば、アイリッシュの黒ビールで有名なギネスビールもハープのトレードマークを使っています。 No. 5733 Guinness 折りたたみナイフもご参考まで。
『EIRE』とあるのは、アイルランドのゲール語名になり、カタカナ発音では『エール』に近いでしょう。 ゲール語はケルティック諸語の一つになり、世界の片隅のマイナーなローカル言語の一つでありますが、世界で人気を博しアルバム売上数でもトップクラスのエンヤがゲール語歌詞の曲も歌うことから、多くの人々にとってもなんだか聞き覚えのある不思議な言語になってきました。
裏面に見えるのは、ちょっと分かりにくいかも知れませんが、鳥のデザインです。 写真二番目で見えるように、長いくちばしが左から右に横たわり、鳥の顔があって、胴体から尻尾がぐるっと右から左まで巻いています。 エナメルは黒の背景に金色になります。
エナメルワークとは日本語で言うと「七宝焼き」のことで、金属にガラス質の釉薬を焼き付ける装飾技法です。 元々は古代エジプトに起源を持ちますが、奈良時代には日本にも伝来しました。 その後、七宝焼きは日本で技術的な発展を遂げ、ヴィクトリア時代の英国では、逆に日本の技術が大いに研究もされました。 このあたりの経緯は、英国アンティーク情報欄の「10.エルキントン社のシルバープレート技術と明治政府の岩倉使節団」後半に解説がありますので、ご参考まで。
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