このページに書いてある内容は私の個人的な考察によるものであり、出来る限り正確な資料を使い論理的に考えることを目指していますが、間違っている可能性もあります。あくまで参考意見としてお読みください。
私はずっと、「駄目に決まってるじゃん」と思ってました。レンタル屋に金払ったからってCD作ってる人や演奏者・作曲者にお金が渡るわけじゃなし、コピーが10個作られたらCDの売上が9枚減ってしまいます。はっきりした実害があるし、そんなコバンザメみたいな商法が許される訳が無い。レンタル屋だって「コピーしちゃ駄目だ」くらいは言った上で貸してるんだろう、と考えていました。
もちろん、著作権法には「私的複製」は自由かつ無償という規定がある事は知ってましたから、公衆に向けて発信されるFM放送の録音とかテレビの録画などは認められており、家庭内で(或いはごく近い友人間で)そのコピーを使う事には問題は無いということも承知していました。でも、それは録音・録画される事を著作権者が暗黙のうちに認めている場合に限られており、レンタル屋が勝手に貸し出すCDにこれが適用される訳が無いと思っていたわけです。
ところが....
ちょっと事情があって調べてみたら、音楽CDやビデオのレンタルに関しては1984年の著作権法の改正で貸与権が定義されて法律的に認められ、料金徴収の方法などの規定を経て1986年には実際にCDのレンタルがレコード業界やJASRACから認められたということのようで。いやはや、あまり馴染みの無い業界だったとはいえ、15年以上も前に認められていたとは恐れ入りました。(ご参考:http://www.cdv-j.or.jp/cdvj/index.htm)
ただ、新品を貸与して良い訳ではなく、販売開始から一定期間は「貸与権」の制限を受け(要するに「貸しちゃ駄目」という期間)、その後は報酬請求権に変わり(「貸しちゃ駄目とは言わないがお金は貰うよ」という期間)、普通はその次に著作隣接権者の権利が消滅し (発売してから50年後ですけど)、最後に著作権者の権利が消滅する(本人が死んでから50年後 ^^;)という手順を踏みます。レンタル屋で借りた事のある人なら知ってると思いますが、国内盤では概ね発売後3週間は駄目、洋盤は1年間(これは日本の著作権法による貸与権行使の最長期間)はレンタル出来ないという事です。
レンタル屋が著作権団体から認められていて、かつちゃんと利用料金を払っているとなれば、金払って借りてきたCDを私的利用のみを目的としてコピーすることはFM放送などを録音するのと同じ事なので、道義的にも、まったく問題が無いということになります。
もちろん、私的使用を目的としない複製は駄目です。
著作権法では「個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用する」場合のみを、一部の例外と共に、「私的使用のための複製」として認めています(第30条)。この「これに準ずる限られた範囲内」というのは、明文化された規定は無いものの、非常に狭く解釈されるのが通例のようです。たとえばJASRACは「3親等以内の家族(従兄弟は駄目ということ)」とか言ってますし、新しい判例を作る勇気がない限り、友達に貸すとかあげるとかは止めておいた方が無難でしょう。この場合、お金を取るかどうかは関係ありません(CDの販売機会を奪っているという意味ではどっちでも同じ事です)。又、MP3等に変換して自分のホームページに載せるのは私的利用とは認められません。著作権者と契約すれば出来そうですが、JASRACは許諾しないと言ってますから実質的に無理でしょう。(http://www.jasrac.or.jp)
さて、借りてきたCDをコピーしても良いという事は分かったけど、もう一つ気になるのはデジタルメディアへのコピーについて。アナログ機器とは違ってデータが劣化しないから、「気に入ったらCDを買おう」という気にもなりにくいでしょう? これじゃメーカは黙ってないんじゃないかという気がしますよね。
結論を言うと、デジタル機器やメディアを使ってコピーする時は、原則として「補償金」を払う必要があります。これはユーザーが個別に払うのではなくて、機械やメディアを買う時の価格に最初から上乗せされており、どのタイプの機器やメディアが対象になるかは政令で指定されます。
この補償金はあくまで「デジタル機器による私的複製」に対するものであって、「お金を払っているんだからコピーしたものを配っても良いんだ」ということにはなりません。言うまでも無いとは思いますが。
では、どのような機器/メディアが補償金の対象になっているかというと、ちょっと面白い事実に突き当たります。まず、現在指定対象になっているものは下記のとおりです。(JASRACホームページより一部を引用)
DAT(デジタル・オーディオ・テープレコーダー)
DCC(デジタル・コンパクト・カセット)
MD(ミニ・ディスク)
オーディオ用CD-R(コンパクトディスク・レコーダブル)
オーディオ用CD-RW(コンパクトディスク・リライタブル)
(2001年4月1日現在)
DATとかDCCとかはどちらかというともう懐かしい部類の製品ですが、現在主流のMD・CD-R・CD-R/Wなどはきっちり指定されていますね。でも、CD-RとCD-R/Wにはわざわざ「オーディオ用」って断ってあります。実際CD-Rのメディアを売っているお店でも、オーディオ用のものとパソコン用のものは区別されていて、オーディオ用のものは(補償金の分だけ)高いです。又、CD-Rなどでコピーを作るのに良く使われるであろう「パソコン」には補償金は課されていません。
ということは.....
いやいや、はやとちりしてはいけません。
「補償金」は「私的利用は無償」という原則に対する例外規定です。したがって、補償金を払う対象になっていないということは、単純に、払う必要は無いということです。
つまり、パソコンで自分が使うためにハードディスクにコピーすることに対しては補償金は必要ないし、CD-Rにコピーするとしてもわざわざオーディオ用の媒体を買ってくる必要は無いということになります。あくまで、今のところは、ですけどね。それに、そんな脱法行為に近い事はしたくないという向きは、ちゃんとオーディオ用を買ってくれば良いのです。ハードディスクにコピーする時には補償金の払いようがありませんけど。
ということになりましょうか。
最後に、著作権法というのは色々なものに関して個別に取り決められていて、特定のものに関してこうだったからからと言って、他のもの(ビデオとかコンピュータプログラムとか)にはそのまま当てはまらない事がほとんどです。ビデオの場合は頒布権が絡んできますし、コンピュータプログラムの場合の「私的複製」というのは不測の事態に備えたバックアップのことで、個人で複数台のPCを持っているからといって一本のプログラムをコピーして複数の機械で使うのは、使用許諾で個別にOKされていない限り駄目ということのようです。この辺はまた折に触れ調べていこうと思っています。
さて、じゃあ駅前のツタヤの会員になろっと。気に入った曲はばんばんコピーするぞぉ ^^;