第二日「おまけ」
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「よーし、いいぞメリル」
バチン!メリルが警報装置のラインを切断する。
緊張の一瞬。だが辺りは静寂に包まれたままだ。
「ふうっ。ここまでは順調だな」
「そうね。でも次のはちょっと厄介だよ」
「ま、なんとかなるだろ」
「ねえマディ、コレ、ホントに効くのかしら?」
メリルがカバンから取り出したのは
ゴルフボールぐらいの茶色の塊だ。
「効かなかったらトニオにこれ食わせるか」
「うまく逃げられたらね」
「よーし、じゃ開けるぞ」
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ドアを開けると、でかい犬が一匹座り込んでいた。
こちらをじっと見ている。
口をゆがめ牙をむき出している。
唸り声を立てている。
「歓迎されてないみたいね」
「いーから早くその肉団子やれって」
「ほーら、来い来い」
「いや呼ばなくてもいいから」
ひょいっ、とメリルが肉団子を放り投げる。
ぽとり、と床に肉団子が落ちたと思ったら
次の瞬間にはもうなかった。
「なんだ?今の犬が食ったのか?」
「そうみたい。すごい早業」
「じゃ、戻って5分待とう」
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「寝てねえじゃねえか!」
ドアを開けると、やっぱりでかい犬が座り込んでいた。
やっぱり、こちらをじっと見ている。
ただし、牙はむきだしていない。
唸り声も立てていない。
尻尾を少し振っているようだ。
「ちょっとは歓迎されてるみたいよ」
「肉団子、後いくつ残ってる?」
「3つ」
「全部くれてやれ」
「トニオの分は?」
「いーから全部あのワン公にやっちまえ」
ひょい、ひょい、ひょい。
ぱくり、ぱくり、ぱくり。
「よし、じゃまた戻って5分待つぞ」
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「なんで寝てねえんだ?ライオンだってグッスリだって言ってたんだぞ?」
ドアを開けると、でかい犬はすぐそこまで来ていた。
もはや座り込んではいないが
やっぱり、こちらをじっと見ている。
尻尾をかなり激しく振っている。
「熱烈に歓迎されちゃってるわね」
よく見てみると、犬の視線は主にメリルに向けられている。
ナルホド。
「よし、ここからは俺一人で行く」
「え、アタシは?それに犬どーすんのよ?」
「お前、ここでそのワン公のご機嫌とっててくれ」
「え〜!無理だようそんなの」
「大丈夫だって。餌もらってお前になついてるみたいだし、それに・・・」
「何?」
「そいつ、オスだ」
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獲物を頂いて戻ってみると、メリルが犬とじゃれていた。
「また随分となつかれたもんだな」
「あら、妬いてるの?」
「馬鹿言ってねえでずらかるぞ」
「ん。じゃね、フロイド」
「フロイド?」
「この犬の名前。首輪のプレートに書いてあったの」
「ああそうかい。じゃな、フロイド。ご主人様によろしくな」
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車に戻ると、車の前にでかい犬がいた。フロイドだ。
メリルを見つけると、盛んに尻尾を振っている。
「くそ!どこから先回りしやがった!」
「どうしようか・・・」
「しょうがねえ。連れてっちまおう。どこか適当なとこでおっぽり出すさ」
メリルの表情がパッと明るくなる。
「よかったねフロイド!マディがいっしょに来てもいいって」
「いいか、途中で放り出すんだからな!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そんなわけで
今俺の部屋にはでかい犬がいる。
「番犬を飼ってる泥棒なんて、多分俺ぐらいだろうな」
「あら、フロイドもアタシのペットよ。ねーフロイド?」
・・・・・・も?
・・・・・・・・・・・・・・・・・Fin・・・・・・・・・・・・・・・・・
いかがでしたか?ではまた!