「愛も変わらず」
「雑貨屋」マディとメリル、その他のキャラ達のエピローグ(?)です。
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天気のいい昼下がり、ちょっと汗ばむような初夏の陽気の中を歩く。
表通りからひとつ外れた通りにその店はあった。
「・・・ここ、でいいのかな・・・?」
ちょっと外から店の様子を伺ってみる。
小さな、アンティーク小物を扱う落ち着いた雰囲気のその店の奥に
店主らしい人影が時折見える。だがそれが目指す人物かどうかは
あまり明るくない店の照明もあってはっきりとはわからない。
「・・・入ってみれば?」
連れに促され、店の入り口のドアを開ける。
「こんちはー」
店の奥から店主であろう中年の男がのそのそと出てくる。
「いらっしゃ・・・・・・ジョー!?」
「トニオ!久しぶり〜!!」
思わず駆けよって抱きしめてしまう。キスまではしないが。
「いっやぁ〜・・・久しぶりだなぁ・・・あれから・・・2年?」
「うん、それぐらいになるかな・・・元気そうね」
「ま、なんとかな・・・えっと、そっちの二人は?」
「あ、ゴメン。紹介するね、キースに、ロイ。アタシの・・・ま、その・・・ナニよ」
少し後に引いていた二人が、つ、と前に進み出てトニオに軽く挨拶する。
「はじめまして。ジョーがお世話になったそうで・・・」
「大変だったでしょ?ジョーはわがままだから」
「・・・ああ!ボウヤ達がジョーの貢いでいた相手か!いや、カーラから話は聞いたよ」
「貢いでたって人聞きの悪い・・・あれ、カーラから・・・って?」
「ああ、いけねえいけねえ・・・お〜い、懐かしいお客さんだぞ!」
店の奥に向かってトニオが怒鳴り声を上げると、背の高い色白の女性が姿を現す。
店に入ってきたところでその足がとまる。
「・・・うわ、ジョー!?」
「カーラ!?ええ、なんでここに!?」
「あ、ええっと・・・あの、アタシも引退したんだけど、ね、その・・・」
「なんだ、話してなかったのか?」
トニオが怪訝な顔をしている。
「・・・うん・・・ちょっと照れくさかったし・・・」
ばつの悪そうなカーラに尋ねる。
「なに、どういうことよ?」
「えと・・・アタシの・・・亭主」
「え〜〜〜っ!?」
「カーラさん、結婚してたんですかぁ!?」
「・・・うん。その、アンタと組む前に、トニオと一緒だったの」
「まあ、一度は別れたんだけどな。なんだ、また元のさやに収まったってえか」
「はあ〜・・・そうだったんだぁ」
「ちょ、ちょっといい!?」
カーラに腕を引っ張られて店の隅に連れていかれる。
(あのさ、アンタとのコトはトニオには話してないのよ。だから、ね?)
小声で囁くカーラに肯いて
(そりゃ昔の男とよりを戻すってんなら黙ってたほうがいいわよね。OK、黙ってる)
(お願いね。まあバレてるのかもしんないけど。あ、ボウヤ達にも言っておいて)
・・・良かった。あの頃トニオを口説こうとしないで本当に良かった。
もし口説いていたら・・・今もっと複雑な状況になっていただろう。
「おーい、何こそこそやってんだ?」
「あ、アハハハハ・・・いやちょっと、女同士のぉ、秘密の話を、ね」
「ふん、ナニ話してるんだか・・・っと、そうだ、ケリーも呼んでやらなきゃな」
「ケリー?誰?」
「ああ、そっか。K.Mのことだよ」
「そういえば一緒に暮らしてるんだっけ。今どこ?」
「あいつも今じゃ大学生でな。今はまだ学校じゃないかな?」
「ふーん・・・ケリーって呼んでるんだ、K.Mじゃなくて」
「まあな。もっとも今はK.Bだけど」
「何それ?」
「正式にオレの養子にしたんだよ。まあ色々体裁もあるしさ。BはバレッタのB」
そういえばトニオのファミリーネームはバレッタだった。
「ケリーってのはな、アイツはホントの家族にはそう呼ばれてたらしいんで、まあオレらもそう呼ぼうと」
「で、アタシがカーラ・バレッタに収まって」
「3人、家族みたいにして暮らしてるわけだ」
「ふーん。なんかいいね、それ。みたい、じゃなくてさ、ホントの家族じゃん」
「まあ、足を洗う前は想像もしなかった暮らしだよな。女房がいて、ガキがいて」
トニオが店の奥に引っ込み、ちょっとアンティックな電話機をとっている。
K.M、じゃない、K.Bを呼んでいるのだろう。
「アンタはどうなの、ジョー?まだ仕事を?」
「アタシも裏家業からは引退。この子達が治ったから、続ける意味がなくなったし」
「今はどんな仕事してるの?」
「ええっと・・・」
ちょっと口篭るとすかさずロイが割り込んでくる。
「驚くなかれ、なんと私立探偵なんだよ」
「へえ!よく免許が取れたわね」
「黙ってようと思ったのにぃ。探偵っても下請けだよ、アタシ免許取れないもん」
「そうよねぇ。しかし追われる側から追いかける側とはねえ」
「相手の立場で考えられるってのは便利だよ」
「まあ良かったわね、長所を行かせる仕事があって。こっちにはずっといられるの?」
「残念だけど、来週には戻らなきゃなんないの。仕事があってね。でも週末はこっちにいるわよ」
トニオが電話機をこちらにかざして大声で呼んでいる。
「おい、ケリ−が出たぞ。話すか?」
「あ、話す話す!・・・もしもし?」
『あれ?・・・えっと・・・誰?』
「あ、冷たいなぁ、もうアタシの声忘れちゃったのぉ?」
『え・・・ひょっとしてジョー!?』
「当ったり〜!久しぶり〜、元気してた?」
『うわ、なにどしたの?あれ?だってトニオからかかってきたのに・・・?』
「こっちに来てるのよ。今トニオのお店にいるの」
『うっわー・・・あ、すぐそっちに行くから!どこか行っちゃやだよ!?』
「行かないわよ、どこも。早くいらっしゃい、待っててあげるから」
電話を切るとトニオが苦笑いしながら受話器を受け取る。
「相変わらず、だろ?ちっとは女っぽくなってほしいんだけどな」
「あはは、相変わらず、か・・・まーだマディのこと想ってるのかな?」
「どうだかねぇ・・・BFの一人も作りゃしねえし」
「結構いい線行ってると思うんだけどねアタシは」
「ふーん・・・マディも罪作りなヤツだよねぇ」
「マディか・・・どうしてるのかね今頃」
「さあ?・・・それこそ・・・」
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ちょうどその頃、トニオの店から遠く離れた寂しい田舎道のど真中で
ボンネットを開けてとまっているムスタングの傍に立つ二人組みの一人が・・・
「ぶぁ〜っくしょい!!」
「うわ!ヤダ汚いなマディ!つば飛んだわよつば!」
「埃だらけで鼻がムズムズすんだよ!・・・う〜、メリル、ティッシュ持ってるか?・・・」
「はい!・・・もう、コッチ向いてすることないでしよぉ!?」
「うるせえな、さっさと修理しちまえよ」
「やってるわよ!・・・あ〜、ついてないなぁ、こんなトコで」
「まったく・・・だからちゃんと整備しとけっていつも言ってんだろ?」
「あんな急に逃げ出す羽目になるとは思ってなかったのよ!」
「オレだってあそこで警報が作動するなんて思ってなかったよ!」
「はあ・・・」「ふう・・・」
揃ってため息をついた後、顔を見合わせて
「とにかく・・・コイツが動いてくれないことにゃどーにもならねえ」
「うん・・・でも、もう暗くなってきちゃったよ・・・」
「手元、見えねえか?」
「まだ平気だけど・・・あーでも細かいトコちょっともう見にくい・・・」
「・・・しょうがねえな。トランクに毛布、積んでたよな?」
「・・・野宿?」
「そう。ま、たまにはいいやな」
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・・・ゥアァ〜オォ〜・・・
「わ!?な、なに今の?」
遠くから聞こえる奇妙な声にメリルが驚く。
「ああ・・・コヨーテだよ。聞いたことねえか?」
「へえ・・・こんな声で哭くんだ・・・なんだか寂しいね」
「寂しいって・・・コヨーテの声がか?」
「両方。コヨーテの声も、こんな荒野の真中で二人っきりのアタシたちも」
車の外に敷いた毛布の上にゴロンと寝転がったまま
満天の星空を二人で眺めている。
「こうしてるとさ、世界中にアタシたち二人っきりになっちゃったみたいだね」
メリルの呟きに、そっとその手をとってマディが答える。
「オレは、それでも構わないぞ」
「うん・・・」
きゅ、と互いの手を握りしめたまましばらく黙ってすごす。
マディが沈黙を破る。
「あー・・・メリル、寒くないか?」
メリルがちょっと考える。別にそれほど寒くはないのだが・・・
「うん、ちょっと寒い」
返事をするが早いか、グイッとマディに肩を抱き寄せられて
そしてそのまま絡まりあうように抱き合う。
「えへへー、暖かい」
「進歩しねえよな、オレ達って」
「アタシは今のままでいいよ。ずっとマディが傍にいてくれれば」
「傍にいるだけでいいのか?」
「んー・・・ある程度は、いろいろしてほしいな」
「いろいろって、どんなことすりゃいいんだ?」
「とりあえず、こんなコト」
今まで何度も重なりあった肌が
今夜もまた一つになって夜は更けていく。
数時間前のジョーと同じセリフがメリルの口からも出てくる。
「ホント、アタシ達って相変わらずだね・・・」
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柔らかな月の光を浴びて青白く写るメリルの裸身は
見慣れているはずのマディにもひどく艶かしく思えた。
四つん這いになったメリルが、栗色の髪を乱しながら頭をゆっくりと上下させて
吸い込むように咥えたマディの分身から快感を送り込んでくる。
マディは座り込んだまましばらくその奉仕を享受し、滑らかな背中から尻へのカーブを撫で回す。
段々と荒くなるメリルの鼻息が下腹に微妙な刺激を与え快感に色を添える。
少し前かがみになって、背中を撫でていた手を尻の先に伸ばすと
すでに潤ったクレバスが音を立ててマディの指を迎え入れる。
さらにメリルの息が荒くなり、表情が快感にゆがみ始める。
固くしこった乳首に触れるか触れないかといったところに掌をおくと
自らの動きでゆさゆさと揺れて擦れて刺激される。
時折指で軽くはさまれ、揺れる乳房が乳首で固定されたようになり
その動きが先端を引っ張る形になってまたメリルを高まらせていく。
埋め込まれた指が谷間をなぞるように出て行ってはまた埋め込まれる。
最初は1本、そして2本。
2本の指を交互に中で軽く曲げ伸ばしして刺激してくる。
埋め込まれ、抜かれ、なぞられ、こねまわされ、また埋め込まれ、中でかき乱される。
時に浅く、時に深く。ゆっくりと、そして急な動きで執拗に攻め立てる。
「はぁっ!」
快楽に耐え切れなくなったメリルが動きを止め、口を離すと切なげな声をあげる。
しばらく握り締めたままマディの指が責めるままになっていたが
「お願い・・・コレでいかせて」
哀願するように見上げると、上体を起こして膝を寄せる。
だが、膝立ちになったメリルに今度は前から手を差し入れ腰を落とさせない。
「いやぁ・・・」
指で秘所を責められ、さらに乳首に吸い付かれる。
唇ではさんだ隙間から舌先でれろれろと弾かれ
かと思うと強く吸われ、痛いほどに乳首は充血する。
「はうん・・・も・・・ダメェ・・・」
メリルは体を起こしていることもできずマディに体重を預ける。
メリルを受け止めたままゆっくりとまた横になると
するりと体を入れ替えてマディが上になる。
上体を起こし、今度はマディが膝立ちになり、膝で脚を割って大きく開かせる。
「・・・来て。」
手で先端をあてがうと、少し進む。
肉ひだを掻き分けるようにして頭の部分が水音を立てて飲み込まれる。
「は・・あ・・・」
だがそこで止まる。
メリルが腰を浮かせ、さらに飲み込もうとすると腰を引いて逃げていく。
「やん・・・じらさないで・・・」
また少し進む。
浅い部分で短い往復を繰り返し、先端に花弁がまとわりつく感触を互いに楽しむ。
いきなりマディが奥まで埋め込む。
「あ、はぁっ!」
喜びに大きくのけぞったメリルが、もう離さないといった感じで
両脚をマディの尻に回し、ぐいとひきつける。
マディも覆い被さるようにしてしっかりとメリルを抱きしめる。
しばらくそのまま動かず、お互いの肉の感触を味わっていた。
ふとマディが見ると、メリルが潤んだ目で見つめている。
ふいに堪らなく愛しくなってその唇を吸う。
口付けたまま、ゆっくりと腰を振りはじめる。
メリルもまた下腹部をうねらせてマディを受け止める。
出会った頃は、互いを貪るように求め
ただ激しく、荒々しく肉をぶつけ合うように交わっていたが
いつしかゆっくりと、だが共に高まっていくようになっていた。
唇を離し、見つめ合う。
はぁはぁと荒い息をつきながら、二人は微笑みあった。
そして、愛のダンスは徐々にその速度を上げ
漏れ出るため息があえぎ声に変わり・・・
そして。
やがて人気のない荒野にどこか切なく、だが優しげな声が高らかに響き
つられたかのようにコヨーテがまた遠くで吠えた。
何度も、何度も。
Never Ending・・・