淀長フォーエバー13

淀長解説の特長といえば、どのような最新SFを解説しても、なぜかクラシックな作品の話になってしまう、というのがありますね。今日はそんな淀長解説の定番、「人間タンク」のお話が出てきますよ〜。

 

第13回作品 未来警察(1988年5月22日放送)

 

はい、みなさんこんばんは。今夜の映画は「未来警察」。未来の警察とは何でしょ。原名は“Runaway”。ランナウェイとは逃げることですね。けど今晩のこのランナウェイ、この意味は“ロボットの暴走”という意味なんですね。ロボットの暴走、なんかコワイですね。はい、この映画の監督はマイケル・クライトン。マイケル・クライトン、この人は名前聞いただけでもイギリス人でしょ、はいその通り英国の人で、医学を勉強して医者になるつもりが、いつの間にかSFの作家になったんですね。さぁそれがただの作家じゃないんですね、見事なベストセラー作家になったんですね。その作品に「アンドロメダ病原体」というのがあるんです。はぁSF「アンドロメダ…」、あの原作はこの人だったんですね。もう世界的なベストセラーで、映画化されて、最もすごい映画になりましたね。それの原作者が今日の映画の監督なんですよ。しかもこの人、もう映画監督してるんですね。どんなのやったか。「ウエストワールド」やりました。「ウエストワールド」、人造人間が牧童になるんですね。コワイ映画でしたなぁ。もう一つ「コーマ」というのがあります。「コーマ」というのは、人間を冷凍しちゃうんですね。それで売るというんですね。コワイ映画を作りましたね。そういうわけでこの監督は、どこか科学的な、SF的なスリル・サスペンスを見事に描く人ですね。それの今日は「未来警察」、しかもそれがロボットの暴走。ロボットがどんなことになるか、どんなことするか、これが今日の楽しみですね。さぁいかにも怖い、この監督らしい感覚で、私たちをびっくりさせますよ。この映画に出てる主役がトム・セレック。トム・セレックいうのは、いかにも男性的ですね。この人は、そう「ミッドウェイ」に出てましたね。「コーマ」も出ましたね。それから最近では「赤ちゃんに乾杯」のアメリカ版に出てますね。しかしこの人の、この映画に出てくる未来警察の警官、このいかにも強いこの警官が、たった一つ弱点があるんですね。それは高い高い高いところへ登ると怖がるんですね。高所恐怖症ですね。さぁ高い高い工事現場、その上あがってるときに、すごい不思議な不思議なロボットが、どんどんどんどんやってくるんですね。スパイダーロボットですね。気持ちの悪いロボットがどんどん来て、目の前で這うだけやない、体に飛びつくんですね。このあたりのスリル・サスペンスは、見ていて目をふせたくなっちゃう、我慢できなくなっちゃうくらいコワイですよ。というわけでこの映画は、いかにもこの監督のスリルが溢れてますが、共演しているのがシンシア・ローズ。この人は「ステイン・アライブ」に出てましたね。そのほかもう一人、大悪党になるのに、そうね、あのロックのグループ、KISSのリーダーが出てきます。面白い顔ぶれでしょ。これは1985(いっせんきゅうひゃくはちじゅうご)年度の作品です。じっくりご覧なさい。あとでまた会いましょうね。

はい、いかがでしたか。まぁこういうふうにロボットが暴走したらコワイですね。けれども、実はこういうふうな趣向の映画は、ずーっと昔の活動写真が始まった頃から画面に登場してたんですよ。大正8年、古いでしょ、1919(いっせんきゅうひゃくじゅうく)年、その頃「人間タンク」という連続大活劇がありました。ハリー・フーディーニが主演しましたが、この人間タンク、マスター・ミステリー、これは15編30巻の、すごいすごいコワイコワイ恐怖連続活劇でしたが、これにロボットが出てきました。人間タンク、まぁ悪漢が操って、そのロボットが人間をやっつけるというふうなものが、もうはや大正8年に登場してたんですよ。というわけで今日の映画はまた、原作者が立派な立派な感覚もって、フロイト的感覚もって、コワーイ感覚で私たちに迫りましたね。だからこの人の「ウェストワールド」、ユル・ブリンナが出ましたが、これもユル・ブリンナが実はロボットで、最後にユル・ブリンナの顔がだんだんだんだん溶けていく、崩れていく、怖いシーン見せました。というわけでこの監督の作品は、やっぱり一通りや二通りやない、見事な感覚を出しますね。

それでは次週をご期待ください。

サヨナラ、サヨナラ、サ・ヨ・ナ・ラ

声の出演:トム・セレック……津嘉山正種
シンシア・ローズ……土井美加
ジーン・シモンズ……樋浦 勉

 

(2001年10月1日)

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