食人パック

イタリア映画のお家芸ともいえるカニバル(人食い)もの。
この度、一挙4作が“食人パック”の名称で、DVD・BOXセットとして発売されました。
(スパイク 9800円 食人ストラップ付)(バラ売りの場合 1作2800円)
よせばいいのに買ってしまいましたので、感想を報告します。

 

 

食人族
(1979年 ルッジェロ・デオダード監督)

約18年ぶりの再見となりました。「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」のヒットであらためて注目されたフェイク・ドキュメンタリーの元祖。公開時は本物のドキュメンタリーのように宣伝されていて、当時中学生だった僕もまんまと騙されておりました。で、この映画、フェイクとわかっていてもなかなか面白い。ていうか、改めてフェイクとして見ると、その作りのうまさに感心させられます。そして何よりこの映画が優れているのは、メディア批判というテーマを持っているところ。行方不明になった撮影隊の一行は、撮影のネタを求めるために、現地人の村に放火したり、自分たちで事件を作り出していく(そのような悪行の果てに怒った食人族に襲われるのだが…)。作品自体がやらせドキュメントの構造を持ちながら、やらせとは何か、報道とは何か、という問題を問うているのである。リズ・オルトラーニののどかで美しいテーマ曲がいつまでも耳に残る。

食人伝説
(1978年 セルジオ・マルティーノ監督)

初代ボンド・ガール、ウルスラ・アンドレスの主演。ニューギニアのジャングルに調査にでかけたまま行方不明になった夫を探しに、妻と弟がジャングルに挑戦。実はその真の目的は…というお話。扇情的なパッケージのせいもあって、えっ、あのハニー・ライダーが食人族に…と期待に胸を膨らませたが…。東スポの見出しではないが、“犯られて食われる!?”の“!?”がポイントなわけです。どちらも思いっきり消化不良のまま終わります。トカゲの腹裂きや、大蛇に丸呑みされるサル(たぶん本物、可哀想)など、あいかわらずの動物虐待ぶり。食人族の中にリトル・フランキー似の小人がいて、インパクトあり。その断末魔もかなりすごかった。この映画一番の見せ場でしょう。

食人帝国
(1980年 ウンベルト・レンツィ監督)

自然への回帰を主張し、ニューギニアの奥地で集団生活をおくる新興宗教。そこに入信したまま行方不明になった姉を探すため、志穂美悦子似の妹がジャングルへ飛ぶ。弱肉強食のジャングルでは、今日もまた猿が大蛇に呑まれ、トカゲは腹を裂かれ、…って、コレ全部「食人伝説」のフッテージ流用じゃないですか!特に現地ガイドがワニに片腕を食いちぎられる場面(これも流用)、カットのつなぎがメチャクチャでした。とりあえず妹と相棒の男は姉を連れてコミュニティを脱出するのだが、姉はあっさり食人族につかまり食べられてしまう(今までの苦労は何だったのか…)。この映画での食人族は、ドラマ上は脇役ということもあってか、ほとんど怪物扱い。現地人ではなくて俳優(おそらくアジア系)が体に泥を塗って熱演している。現地人風食人族が出る場面はすべて流用だと思って間違いないだろう。主人公に協力する現地人女を演じたメ・メ・レイ…愛らくしてファンになってしまいました。

食人族 最後の晩餐
(1985年 マイケル・E・レミック監督)

“恐竜の谷”と呼ばれる食人族の住む南米のジャングルに飛行機が墜落。生き残った数人はジャングル脱出をはかろうとするが、ピラニアや底無し沼などの障害に、ひとりずつ脱落していく。生き残った男2人のリーダーを巡る争いなど、パニック映画のパターンを押さえていて面白い。食人族に捕われた女性2人を、主人公の化石学者が救出して前半は終了。後半はジャングルの奥地で奴隷を使ってエメラルドの採掘を行う独裁者との闘いとなる。食人版インディ・ジョーンズといった趣のB級アクション。適度(?)なお色気も絡ませて、小品だがうまくまとまっている。食人もののいかがわしさを期待していると、ちょっと肩透かしを食うかもしれませんが…。ちなみにパッケージにある片足を食いちぎられてる女性の写真、これは「食人帝国」のものです。もうメチャクチャ。

(2001年5月3日)

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