実際のところはわからないけど、今海の向こうでは(巨大)動物パニック映画がブームのようである。
実際ビデオ屋の新作コーナーには、聞いたこともないような作品がたくさん置かれている。
CG技術の進歩がもたらした新しい波なのか?単なる回顧ブームなのか?
おおっぴらには批評されないこれらの新作群を、私が体を張って検証してみようと思う。
題して、
動物パニック七番勝負!(十番勝負にしようかと思ったけど途中で挫折しそうなので)
何週かに分けて鑑賞(完勝)したいと思います。

 

 

第1番勝負
U.M.A レイク・プラシッド

まずは無難なところでこの作品から。
アメリカ・メイン州の静かな湖で潜水夫が下半身を何者かに食いちぎられるという事件が発生。遺体には爬虫類の歯らしきものが残されていた…。森林保護官の主人公と、頑固な地元の保安官、ワニ・オタクの科学者、そしてNYの博物館から派遣されてきた女性(ブリジット・フォンダ)が、いがみあいながらも事件の調査にあたっていくというストーリー。
事件は10メートル以上の大きさに成長した狂暴な巨大ワニの仕業だった。なんと近所の婆さんが餌(家畜の牛)をやって育てていたのだった。このパターンの作品の定石どおり、ワニはなかなかその全身を見せない。中盤までは目玉や背中を見せるばかり。陸に上がってきたのはほんの少しだったが、スタン・ウィンストンが監修しているだけあって、いい動きをしていた。ワニってあんなに素早く振り向けるのかと感心。監督は「13日の金曜日」シリーズで知られるスティーブ・マイナー。ヒロインのドジぶりや、保安官とワニ・オタクのやりとりなど、ちょっとコメディ・タッチなのだが、マイナー監督はあまり慣れてないのか、笑いのツボを微妙に外していて、そこがかえって面白かった。本編正味80分程度の短さで、気楽に寝転がって見るにはちょうどいい作品。(2000年9月25日)

 

第2番勝負
コモド

アメリカ・ノースカロライナの孤島にひょんなことから大トカゲ「コモド・ドラゴン」の卵が捨てられた。19年後、島は飢えたコモドでいっぱいになっていた。コモドに両親を殺されたショックで自閉症になった少年と、彼のカウンセラーを務める女性、島で採掘を行う悪徳石油会社に雇われたお尋ね者の生物学者が力を合わせてコモドの大群と闘うというストーリー。登場人物の肩書きの長さを見てもわかるように、それなりに背景ドラマを作ろうとしているのだが、空回りしている印象。コモドのCGは文句のない出来だけに、もっと徹底的に怪獣アクションを追求したほうがよかったと思う。それとこの手の作品に必要不可欠なウィットというか、気の利いた展開が全くなく、クライマックスも平坦なものになってしまった。主人公のカウンセラーを演じるジル・ヘネシーはジョディ・フォスター風の美人だが、このポスター・アートは最悪。全然似てない。
(2000年10月9日)

 

第3番勝負
パイソン

軍が極秘に研究を進めていた超巨大ヘビが、空輸中にパイロットを襲い、アメリカの田舎町に墜落。生き延びた巨大ヘビは町の住人を次々と捕食していく…。
この手のヘビものの作品には「アナコンダ」という快作があるが、これはその足元にも及ばないB級品。とにかくゆるい青春ドラマのようなサイドストーリーが邪魔くさく、肝心のパイソンのCGも安っぽすぎて興ざめ。明らかに合成とわかるショットが多すぎた。そのへんはわかっていてもリアルを求めたいものだ。国の特殊部隊を皆殺しにするほどの怪物を、ゆるい青春メンバーが退治してしまうのも、なんだかなぁというかんじ。ヘビ学者の役で「エルム街の悪夢」のフレディでおなじみのロバート・イングランドが出演している。
(2000年10月22日)

 

第4番勝負
スパイダーズ

政府の極秘実験でエイリアンのDNAを注入された蜘蛛が人間を襲い、体内に卵を産み付け増殖していく。好奇心旺盛な大学新聞部員3人が取材中に偶然事件を目撃し、巻き込まれていく…。
この新聞部員(特に主人公の女の子)の行動は常軌を逸している。映画を面白くするために無理やり行動しているような、全く共感できない言動ばかり。それが元で大勢の犠牲者が出ているのだから、とんでもない話だ。いくら自分で蜘蛛を退治したからといって許される問題ではない。にもかかわらず、しめの言葉が「早く原稿書かなくちゃ」というのはどういうことだ。いったい何の新聞なんだ?もう少し話を練ってほしかった。蜘蛛のCGはなかなかよかった。特にクライマックスの大学構内で走り回るところ。はねとばされる人や、ひっくり返される車とのからみが抜群だった。
(2000年10月29日)

 

第5番勝負
深海からの物体X

イタリア製B級作品。なんかフィルムがすごく色褪せてて、70年代の映画かと思った。モーターボートで沖に出たアホな男女5人が、帰りの分のガソリンを忘れて困っていたところ、謎の無人船を発見。助かったと思い船に乗り込む5人だったが、その船は実は古代の深海魚を甦らせる実験用の船で、船員たちは甦った狂暴な肉食魚に殺されていたのだった…。お約束通り、一人ずつ深海魚に殺されていくのだが、この深海魚は人間の体内に入り込んで、その人間の体、精神を支配できるという能力を持っていた。このへんが物体Xの邦題のゆえん。見せ場はやはり人間の体を突き破って深海魚が顔や手(?)を見せるところ。これがCGではない一昔前のSFXで、ちょっと懐かしい。さらに深海魚の大将の半魚人は強引なモデル・アニメで動いていて、これには笑わせてもらった。なんかほめてるような文章になってしまったが、とにかくヒドイ作品。
(2000年11月4日)

 

第6番勝負
インセクタ

さて今回は巨大蜂で勝負するか、と思ってビデオを見始めたのだが、どうも様子がおかしい。原題は Adventures of the lost world となっていて、オープニングの雰囲気なんかもまるで秘境探検もの。へんだな〜と思っていたら、いきなり恐竜が出てきてびっくり。どうやら失われた世界を求めて旅する学者グループの物語らしい。映画のはじめから何の説明もなしに彼らはロスト・ワールドで生活していて、恐竜や猿人と戦っていた。連続ドラマの途中から見始めたような変な気分。たぶんこの作品は、テレビ映画のパイロット・フィルムなのではないか。とにかく巨大蜂の大群に襲われ、グループの一人が刺されてしまう。解毒できるのは女王蜂の作るロイヤル・ゼリーだけ。主人公達はゼリーを得るために巨大な蜂の巣に潜入するのだった…という話は実ははじめの約30分で終了する。全体が三つのエピソードに分かれていて、あとの二つは不老長寿の楽園の話と異次元をさまよう古代人(?)の話である。蜂が出るのは最初だけ。だまされた!!
(2000年12月2日)

 

第7番勝負
ワイルド・グリズリー

虫歯のせいで苛立った熊が人間を襲う。今回の作品はCGなし。出てくるのは本物の熊。よく調教されてるようです。さて森で捕獲され田舎町に連れて来られた熊の親子。熊にかかっている保険金目当ての悪党が熊を逃がしてしまい、町は大パニックに。都会から引越してきたばかりの自然保護オタクの少年が危険を顧みず熊の行方を追う。この少年と母親はほんとに人騒がせな親子で、次々に(強引に)スリル&サスペンスを物語に持ちこんでくる。昔の「グリズリー」はバズーカで粉々にされていたが、今回の熊は少年の粋ないたずらで森に返される。このへんは時代の違いか。演出もそれなりにツボを押さえていて、最後まで退屈せず見ることができた。ガールフレンド役の子がなかなか可愛い。
(2000年12月24日)

 

いや〜、やっと終わったよ

 

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