低温炭化を防ぐ
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低温炭化とは
 
低温炭化よる火災とは、施工に問題があるケースがほとんどです。炉台、ストーブの後ろ側、あるいは、屋根や壁の貫通部分から熱が木材に伝わり、長い間に木材を低温炭化させ、発火し火災の原因になります。
低温炭化が原因と思われる火災例
 神奈川県茅ケ崎市にある製麦工場で起った火災
 火は暖房用スチームパイプが麻の布を断熱材として柱(20cm角)に接している部分から発生した。スチームの温度はその圧力からみて、だいたい140〜150℃程度であるから木材はこの程度の低温でも長期にわたって加熱されると出火することを示している。
 東京都千代田区霞ヶ関にある通称人事院ビルと呼ばれる鉄筋コンクリート建ての3階より出た火災もこれと似ています。床板張りの下で、とうてい火源の入り込む余地のないところにあった杉のたる木が、これに接して設けてあった暖房用スチームパイプとの接触点から燃え始めたが、この場合のスチームの温度は100℃をあまり超えていない程度の低温です。
 上記2例の場合の原因がスチームパイプにあるとはいえないまでも、このような長期の低温(100℃〜150℃)加熱によって木材が炭化し発火するかも知れないという疑いは十分に持つことができます。
 また、長野県の有名なお寺の火災では、厨房の壁の中から突然出火して燃え広がりました。この時コンロは使用されていませんでしたが、他に出火原因は考えられませんでした。この火災で木材の低温炭化による着火が有名になりましたので、ご存じの方も多いと思います。 
 
出火に至らなかった低温炭化の例
 火災にならなかった例では東京都の営業用風呂かまどの元湯槽の例があります。浴槽にお湯を供給するために貯めておく元湯槽の蓋および保温用の木材部分が、かなり広い部分ではっきり炭化していたものである。これは所轄消防署が公衆浴場を火災予防査察したときに同じ状況の現場を2件見つけたもので、この場合の炭化した木部の加熱温度は明らかに100℃以下であった。
 元湯槽の蓋および保温材固定の木部については常時温水による湿気、蒸気の影響を受けているための菌類による腐蝕、風化による変化などとみられる部分はあるが、明らかに短時間の高温加熱による影響を受けた状態(燃やした状態)と同様な黒色チョコレート色の変色である炭化亀裂の生じている部分もあった。
 
木材の発火点
 建築物に使われている木材(杉、ひのきなど)の着火温度は、木材の種類によって異なりますが、だいたい400℃〜470℃です。しかし木材は50℃位の低温でもわずかに酸化しますし、酸化すれば発熱して温度が上がり、するとますます酸化の速度が上がり、そしてますます温度が上がり・・・ついには発火する。つまり室温が50℃を越えると火災に至ります。
 通常では熱が周囲に逃げたり、酸素不足によりこの連鎖が断ち切られ、まず出火することはありませんが、逆にいえば条件によっては室温20℃でも出火する可能性があると言うことです。通常木材内部に酸素は供給されませんが、乾燥し多孔質になった木材は内部まで酸素が供給されます。 
 木材は外部から加熱されたときに、蓄熱により外側より内部の温度が高くなります。低温でも長期間加熱された木材は、乾燥して多孔質になり保温効果が大きくなります。こうして通常の引火温度よりも低い温度(100〜280℃)で発火することを、低温炭化による着火といいます。 
 
熱を伝えない工夫
長期の低温加熱から炭化、出火に至るには様々な条件が複雑に絡み合っていますが、長期間低温加熱される場所は出火する危険があります。
この場合の低温とは木材の発火点以下の温度を示します。100℃以下でも炭化する事例がありますから、薪ストーブや暖炉の断熱方法については、表面だけを煉瓦や石材で施工するだけでなく可燃物である柱や壁まで熱を伝えない工夫が必要です。 

 1 空気層を設ける。アメリカの基準では1インチ必要。
 2 不燃物を空気層を挟み複数層設ける。
 3 石材や煉瓦など固形物は過信しない、熱を伝える。
 4 壁に張り付いている不燃材(煉瓦や石)は注意が必要。
 5 不燃材が厚いからと言って安心出来ない。
 6 不燃材が薄くても、空気層を設けることで効果はある。
 
安全と思われる壁構造
 1 壁と不燃物(煉瓦や石材など)の間に隙間がある。
 2 隙間があると空気の流動が可能。下から上へ流れると空気の温度は上がらない。
 3 隙間は2センチから3センチ
 4 単層でもよいが複数層あると尚効果的
 5 断熱材は 鉄板や珪酸カルシウム板など 石膏ボードは紙で覆われているので注意
 6 隙間は軽量鉄骨を流用すると安価。縦に使い空気の流れを作る
 7 空気が熱を伝えない物質である
 

換気方法
空気の流れを下から上へ作る方法。軽量鉄骨などを縦に使えば簡単に施工できる。 左右からも空気の流れを作る方法。両端はスペーサー(不燃の筒状のもの)が必要。中間は軽量鉄骨が利用できる。軽量鉄骨は下から上まで1本にせず、短くして空気が流れるように「斜め」に配置すると良い。例えば、一番熱くなる箇所から左右に分散する方向へ配置する。
一番簡単なのは、軽量鉄骨などを縦使いにして、ケイカル板など不燃ボードで覆い、最下部に換気用の「窓」を作ること。

軽量鉄骨などの支柱をむき出しにしても良い。ケイカル板に張る不燃材「石や煉瓦」の厚みや、一番下の配置を工夫することによって隠すことも出来る。

なかなか、下に換気用の「窓(隙間)」を作ることは、材料が重いこともあって難しい。煉瓦なら千鳥に配置することで可能。

スペーサーはアメリカでは陶器や金属の筒状のものがある。日本では無いので、アルミサッシなどを切断して使っても可能です。

理想的、下からも左右からも空気の流れを作る方法

 

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最終更新日: 2001/08/25