『説岳全伝』
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『説岳全伝』(『精忠演義説本岳王全伝』)・全八十回
作家の田中芳樹氏による編訳『岳飛伝』というのが出版されました。
その広告を見て、昔やりかけた仕事を虫干ししてみることにしました。
全八十回のうち、四分の一ほど訳して中断したことがあったのです。
外字が多いのでテキストで提供してもわかりにくいだろうと思っていたのですが、PDFファイルにすれば、外字も表示されると知って、PDFファイルで公開することにしました。
手をつけたのは十年以上も前なので、見直せば変なところがたくさんあるかもしれませんが、見直す時間もないので、ほとんど手を加えず、ざっと見直しただけで公開します。
ファイルはLZH形式になっています。これを解凍すると、PDFファイルになります。
PDFファイルは、よく、パソコン雑誌の付録CDROMに収録されている、「Acrobat Reader」というフリーソフトで読むことができます。
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解題 北宋末から南宋にかけての武将・岳飛(1103-1142)を主人公とした小説。
金との戦いを中心に描いているが、悲運の名将としての岳飛よりも、秦檜を代表とする奸臣たちの方が印象に残る。
時代は『水滸伝』の少し後で、梁山泊の好漢の生き残りやその子供たちが登場するのだが、彼らが大活躍するわけではない。
岳飛は、金翅鳥(こんじちょう)の転生した姿であり、前世の因縁に決着をつけて物語の途中で死に、最後の方は息子の岳雷が主人公となる。
明末までの小説や戯曲の集大成で、以後の戯曲、民間故事に大きな影響を与えている。
作者としては「仁和銭彩錦文氏編次、永福金豊大有氏増訂」とあるが、銭彩も金豊もどういう人物なのか全くわからない。
出版されたがいつなのかもよくわからない。清の乾隆五十三年(1788)に禁書となっているのでそれ以前であることは確か。序に「甲子孟春」とあり康煕二十三年(1684) か乾隆九年(1744)と考えられる。
テキストは数種ある。
・上海古籍出版社『説岳全伝』……1870年(同治年間)の刊本による
・巴蜀書店『絵図 説岳全伝』……1897年(光緒年間)の刊本による。
・北京師範大学出版社『精忠演義 説本岳王全伝』……1798年(清嘉年間)の刊本による。
このうち、北京師範大学出版社のもの(北京師範大学図書館所蔵)が最も異同が多い。参考 の「京劇演目紹介」で、『説岳全伝』に基づく京劇の内容が紹介されています。
回目
ここでは、『説岳全伝』の回目だけを訳して紹介します。
訳は書き下し文ではありません(書き下し文になっているのもあります)。
第40回まで 第41回から