(工事中)
あおり[アオリ]
通常、レンズの中心軸は画面(フィルム面)中央部の垂直線(法線)と一致している。
この関係を解く行為を総称して「アオリ」といい、動詞的に「アオる」ということもある。
現在では特殊な操作に思われているが、むかしからの蛇腹のカメラではごくあたりまえの
ことであった。
アオリには大きく分けて、レンズ中心軸と画面中央垂直線を平行に保ったまま移動する
「シフト・ライズ・フォール」と、レンズ中心軸と画面中央垂直線に角度をつける
「ティルト・スイング」がある。用語の使い分けとしては、一応
上に平行移動・・・「ライズ」
下に平行移動・・・「フォール」
左に平行移動・・・「シフトレフト」
右に平行移動・・・「シフトライト」
上に傾斜・・・「ティルトアップ」
下に傾斜・・・「ティルトダウン」
左に傾斜・・・「スイングレフト」
右に傾斜・・・「スイングライト」
となる。
「シフト・ライズ・フォール」では、たとえば建物を仰いで撮影すると、上側がすぼまる
といった、パースペクティブ(遠近感)をコントロールでき、「ティルト・スイング」では
フィルム面に対してピント面に角度をつけるということが可能になる。
あなろぐかめら[アナログカメラ]
デジタルカメラに対して、従来の銀塩フィルムを使用したカメラをそう呼ぶひともいる。
フィルムに記録された画像データをアナログデータと言えばそう言えなくもないのかも
知れないが、それをデジタル化した画像データと比較すること自体がおかしい。
そもそも撮像素子からのデータはアナログであり、昔あった'マビカ'などはそれをそのまま
アナログで保存しており、これなどは現在のデジタルカメラに対して直接的にアナログカメラ
であると言えるだろう。
いちがんれふかめら[一眼レフカメラ]
撮影レンズを通してファインダー像を見ることができるカメラ。光路をファインダーへ
導くためのミラーがあるため"レフ"と呼ばれる。構図をファインダーで確認しやすい
ことが最大の特徴。
えぬでぃーふぃるたー[NDフィルター]
減光フィルター。Neutral Density filter。そのときの露出値に対して、絞りを開く
ために、またはシャッタースピードを落とすために用いる。仕事上で4倍の
NDフィルターの光線透過率を測定したことがあったが、380〜780nmの範囲で精度良く
1/4に減光されていた。
えふ−ち[F値]
レンズの焦点距離を有効径(正確には入射瞳径)で除した値。フィルム上の像の明るさは
焦点距離の二乗に反比例し、有効径の二乗に比例するので、F値が等しいということは像の
明るさが等しいということを示す。数字の小さい方が明るい。また数字が2倍になると、
像の明るさが1/4になる。
一般的というわけではないが、特にここではレンズの開放F値を「F」で、実絞り値を
「f」で表す。
かんど[感度]
フィルム感度。昔はよく「ASA」といい、いまは「ISO」といわれたりする。正確には
アメリカの規格「ASA」とドイツの規格「DIN」を併記して統一したものが「ISO」で
あり、「ISO100/21°」というように表わされる。「ASA」は数字が2倍になると
感度が2倍になるという表記であり、「DIN」は数字が+3すると感度が2倍になるという
対数系列になっている。
ぎょがんれんず[魚眼レンズ]
魚が水中から上の景色を見るように、一般には180°の画角を写し込むことができるレンズ。
よく、「わざと負の歪曲を残して」と表現されるが、これは射影方式の違いによるものである
ので、歪曲ととらえるのは明らかな間違いである。
像高をy、焦点距離をf、半画角をθとすると通常のレンズは、
y = f tan θ
で表されるが、魚眼レンズではおもに次の4種類の射影方式が挙げられる。
(1) y = 2 f tan(θ/2) <立体射影>
(2) y = f θ <等距離射影>
(3) y = 2 f sin(θ/2) <等立体角射影>
(4) y = f sin θ <正射影>
一般に’円周魚眼’と呼ばれるものは、概ね(2)の射影方式による。この方式では角度と
像高が比例するので、天体の天頂角の測定や日照時間の測定などに有効である。また、
’対角魚眼’レンズは概ね(3)の射影方式をとっており、この方式は立体角と面積が比例する
ので、学術的には雲量の測定などに使用される。(4)の射影方式は
OPフィッシュアイニッコール10mmF5.6が唯一の例となる。この方式では瞳にケラレがなければ
物体の輝度と像面の照度が比例する。市販の写真レンズでは(1)の方式のものを知らないが、
球面上の被写体の角度を等しく平面に射影することができる。
しゅうへんこうりょうていか[周辺光量低下]
周辺光量低下の原因には、代表的なものとして口径食(ビネッティング)と
コサイン4乗則がある。また特殊な例としては、ビハインドシャッターによるケラレ
によって発生することもある。
口径食は鏡胴によるケラレのことである。つまり筒を斜めから見た場合に上下のふちで、
視界さえぎられる現象にほぼ等しい。これは絞りを絞っていくことにより解消されていく。
コサイン4乗則は、光軸からの角度(θ)と像の明るさがcosθの4乗に比例するという
規則である。まず画面中央に対してレンズ(正確には射出瞳)からの距離が1/cosθの二乗に
なるので、像の照度がcosθの二乗倍になる。つぎに、フィルム面に到達するときの角度が
θになるため照度がcosθ倍になる。最後に、絞り(正確には入射瞳)に斜めに入射する
ために光量がcosθ倍になって、全部あわせるとcosθの4乗倍というわけである。
広角レンズなど、前玉に負のパワーのレンズをもったものは、最後の絞りの面積による
効果が軽減され、実際には周辺での光量がいくぶん回復している。これは絞りに影響しない。
ずーむれんず[ズームレンズ]
焦点距離を可変することができるレンズ。本来は映画用カメラで撮影中に像を拡大
(ズームイン)したり縮小したり(ズームアウト)するために、焦点移動しないことが
必須であった。スチルカメラ、特にAFカメラでは都度ピントが合わせられるため、焦点移動を
許しているものもある。これらはズームレンズとは呼ばずにバリフォーカルレンズと
呼ばれたりもする。レンズ交換をすることなく焦点距離(画角)を変えることができるため、
機動性の良さが最大の特徴である。
そふとれんず[ソフトレンズ]
正確にはソフトフォーカスレンズという。設計時に球面収差を残して、ピントの芯の
まわりに滲みを発生させる特殊レンズ。球面収差は絞ると減少するため、絞りでソフト量を
調整する。
ソフト効果には、他にソフトフィルター(ソフター)を使用するもの、露光間ピント移動
を行なうものなどがあるが、それぞれ微妙に効果が異なる。
たんしょうてんれんず[単焦点レンズ]
単一の焦点距離を持つレンズ。ズームレンズに対してそう呼ばれるようになった。ズームレンズより
各収差を補正しやすく、一般的に言って高画質もしくは大口径にすることができる。また、レンズ構成
も単純にすることができ、ヌケのよさを期待できる。
でじたるかめら[デジタルカメラ]
一般にレンズでCCDやCMOSなどのエリアセンサー上で結像させ、センサーで得られた画像情報
(電気信号)をAD変換し、デジタルデータとして保存することができるカメラ。
ぬけ[ぬけ・ヌケ]
写真レンズの世界では良く使われる言葉であるが、感覚的な用語でもある。光線透過率が高く、
フレアの少ない状態とも言えるだろうか。画像としてはコントラストの高い描写を期待できる。
ぱららっくす[パララックス]
視差のこと。レンジファインダーカメラのように透視ファインダーを持ったカメラにおいて
ファインダーと撮影レンズの位置の違いから、特に近距離でファインダー像と撮影された
画像にズレが出る現象。
ぴーえるふぃるたー[PLフィルター]
偏光フィルター。PoLarization filter。光源から物体への反射光には、多分に偏光成分が
含まれているので、PLフィルターを使用することにより、この反射光を制御できる。
ガラス越しの撮影で、ガラス面の反射を押さえたり、木の葉の反射光を押さえて緑を強調
したり、水面の反射光をおさえたりするのに有効である。青空も空気中の微粒子による
反射光なので、青色の濃さをコントロールできる。
ハーフミラーを使用したAF一眼レフ等では、露出や測距が不安定になるので、
1/4波長位相差板を貼り合わせた、C−PLフィルター(Circular PL filter)を使用する。
ひしゃかいしんど[被写界深度]
理論上、レンズを通った被写体のからの光線は一点で結像する。つまりピントの
合う点は、一点しかないことを示す。しかし実際には、ある程度の面積を持っていたと
しても、視細胞が有限の大きさを持つことから、目には点として認識される。一般には、
ある程度引き伸ばした写真を対角線の距離から鑑賞するとして、35mmフィルムの場合、
フィルム面上の直径33μm以下の円は点と認識されるとしている。
以上から、被写体のピント面の前後にもピントが合っていると認識される範囲がある
ことになり、その範囲が広いことを「被写界深度が深い」、狭いことを「被写界深度が
浅い」という。また、たとえば「被写界深度が浅い」といった場合、ピント面の前後の
「ボケが大きい」というのとほぼ同義となる。
撮影距離、レンズの焦点距離、絞り値のうち二つが同じであるなら、撮影距離が小さい
とき、焦点距離が大きい(より望遠側)とき、絞り値が小さいときのいずれかのほうが
「被写界深度が浅」くなる。
ぶろーにーふぃるむ[ブローニーフィルム]
幅約70mmのロールフィルム。規格としては、35mmフィルム(135)よりも古い。裏紙のある
一般的な120と、裏紙がなく120の2倍の長さのある220がある。中判カメラで使用され、
幅は一定であるが、長さのとり方により、6×4.5(セミ判)、6×6判、6×7判、
6×8判、6×9判、6×12判、6×17判などがあり、それぞれに対応したカメラが
売られている。
画面の大きさ以外に、35mmフィルムとの大きな違いは、パーフォレーション
(フィルム両側の穴)がないこと、もう一方のスプールに巻き取って終了なので、巻き戻し
がないことなど。
まくろれんず[マクロレンズ]
単体で接写のできるレンズ。通常、1/2〜1倍(フィルムサイズ)までの撮影ができ、
さらに無限遠まで使用できるため、万能レンズであるともいえる。ニコンではマイクロレンズと
呼ばれている。
通常のレンズが無限遠を基本に設計されているのに対し、マクロレンズは1/10倍程度で最良像が
得られるように設計されている。しかし近年では近距離補正を行ない、どの距離でも良像が
得られるようなレンズが増えている。
りばーさるふぃるむ[リバーサルフィルム]
スライドフィルム、ポジフィルムともいう。ほとんどがカラーフィルムでコダクローム、
エクタクローム、フジクローム、コニカクロームなど「〜クローム」という名称がつけら
れている。発色方式に内式、外式といった分類もできるが、現在外式はコダクロームのみ、
ユーザは現像処理時間(仕上がり時期)を気にする程度で、こまごましたことを知る必要は
あまりない。
もともとは映画用フィルム、現在はスライド投射や印刷物の写真原稿に用いられるが、
発色の良さから近年は、プリントで鑑賞されることも多い。ネガと違い、フィルムそのもの
が最終作品になりうるため、露出はシビア。また、フィルムは透過光(シングルパス)で
鑑賞するが、プリントではダブルパスになるためコントラストがきつくなる。プリント時に
カラーバランスの調整は受け付けてもらえないが、濃度は多少調整してもらえる。
れんじふぁいんだーかめら[レンジファインダーカメラ]
距離計連動の透視ファインダーをもったカメラのこと。ライカのMシリーズなどが代表。
近年は連動式の距離計のないものもそう呼ばれることが多いが、これらのカメラの本質の
第一は、一眼レフで必要なミラーボックスがないため、対称型の広角レンズ等の
バックフォーカスの短いレンズが使えることにある。