GUPPYと水槽レイアウト(生体編へ)    戻る  





 2000年10月15日現在の写真を使用    
                                               
        GUPPYと水槽レイアウト(環境整備編)

そこにある水槽があなたの全てだっ!


鋭い言葉ですね。確かに目の前にある水槽は自分の熱帯魚飼育の全てを雄弁に物語っています。どれほどの最新理論を展開しようが、どれほどのウンチクを傾けようが、今、あなたの目の前にある水槽が、アクアリウムにおけるあなたの全てなのです。
ブリーディング用の水槽を並べてる人は、水景よりさかなの美しさに惹かれる人なのでしょうし、素晴らしく育った水草を維持してる人は、自らの思い描いたレイアウトを完成することが生きがいなのでしょう。
わたしの水槽はと言いますと、丈夫で入門種と言われるポピュラーな有茎種が中心です。
一般に水草を専門にしている人たちは、初心者のイメージが強い有茎は敬遠する傾向にあります。一概にそう言えるわけでは無いですが、前処理した大磯でクリプト溶けちゃうぅとか、ソイルで南米産の有茎を育てるという方向へ目が向きがちではあるはずです。有茎草は水の状態が良いと爆発的に成長するのでレイアウトの維持が面倒すぎることもあるでしょう。
国産グッピーはブリーディングのためのさかなですから、レイアウトした水槽で維持管理する人は少ないのですが、わたしのように、国産グッピーの美しさとレイアウトした水草を、ひとつの水槽で両方楽しみたいと考えるのは、水草マニア、グッピーマニアの人たちはともかくとして、一般的には、ごく自然な考えではないでしょうか?そんな人たちのためにこのコーナーを作りました。国産グッピーをレイアウト水槽で泳がせてみたい初心者のかたには参考になるでしょう。

●国産グッピーと水槽レイアウト

散々申し上げております通り、わたしはコンテストを目的としたブリーディング、品種改良は致しておりません。レイアウトした水槽内での飼育を目的にしています。飼育には品質維持のため、少々のブリーディング行為を含みますので、間引き、稚魚の育成と産仔計画も含みます。
鑑賞目的であれば、水草水槽に若干のペアを入れるか、手軽にホームセンターで外産グッピーの雄でも購入して、入れ替わり立ち代り放り込めば良いわけですが、国産グッピーを飼育するということは、技量はどうあれ、その系統の存続と維持が飼育者の責務である筈です。これを怠ると、かっちょ悪くなったさかなの群れに嫌気がさして、遅かれ早かれ辞めちゃうことになるので、だったら最初からやらないほうが散財せずに済んだということになりかねません。

そこで、系統を維持し、なおかつ鑑賞目的としての水槽レイアウトを行いながら、美しい国産グッピーとレイアウト水槽を楽しむ術が必要になって来ると思うのですが、品種紹介、メンデルの法則、コンテスト基準、ブリーディングしたグッピーの写真、飼育方法や、ちょっとだけマルヒ情報な種親選び等のホームページがたくさんある中で、「国産グッピーがそこで産まれ育つレイアウト水槽」を楽しむためのホームページは、見かけたことがありません。

なぜか?
答えは簡単。中途半端だから、です。なにも国産グッピーを使わなくても、水草レイアウトならカラシンやエビを飼育すれば良いのだし、国産グッピーは、ブリーディングのためのさかなです。大量の仔を採って選別し、世代別に管理するのが、体型の崩れやすい国産グッピーを維持し改良して行く上での基本なんです。どちらもやろうと思えば、当然、どっちつかずの半端なものになります。よって「撥ねた仔で作ってみました水槽」と「なんか知らんけど中には国産グッピーもいるよ水槽」が主流ですよね。

でもね。劣性遺伝子の固まりである「国産グッピー」の美しさに魅せられつつ、こいつらがレイアウト水槽で群泳していたら、どんなに綺麗だろうって考えたことは、誰にだってあるはずです。30cm水槽の縦面ずらっと並べて、砂と水作エイトばっかり見てたって、そりゃグッピーは綺麗ですけど、なんか牛小屋みたいだと感じたことも・・。コンテストブリーダーの方々の努力には頭が下がりますし、そうして作られたグッピーは本当に美しいと思います。目的を持ったブリーディングの成果は必ず個体に現れるはずだと思いますし、見ただけで「あ、○○さん系のブルーグラスね」的な系統に進化するのも肯けます。(最初にやったもん勝ちかしら)。メンデルの法則、非メンデルな遺伝、ゲノムの進化、その実践としてのブリーディングにも大変興味を惹かれます。

ただ、わたしはグッピーだけを飼育しているわけではありませんし、水槽本数にも限りがありますので、あくまでも国産グッピー&コリドラス&小型プレコを中心としたさかなたちが、レイアウトされた水槽で生活する、美しい水槽を追求して行きたいと思っています。

これは、「半端なブリーディングと半端なレイアウト」のコーナーですが、完成した水槽を「半端な水槽」と思わせては負けですから、それなりのノウハウが必要です。

まず最初にお断りしておきたいのですが、本編は、グッピーを飼育する上で、さかなにとって居心地の良い環境を作り出すことを主眼しています。もちろん、外見上の美しさも兼ね備えながら、なおかつ長期維持出来る水槽作りを目指します。
従いまして、これは水草水槽にグッピーを放り込んでみるようなものではなく、水草側からのグッピーアプローチでもありません。水草なんてコケたら捨てろとさえ書くかもしれませんので、水草ファンの人は怒らないで下さい。


1.上部フィルター水槽のレイアウト
グッピーはたくさん増えますし、餌食いも極端に良いです。従って、過密飼育することも多くなり、60cm規定水槽ですと、100匹前後の飼育も当たり前になってしまって(わたしだけ?)、濾過装置は、扱い易い上部フィルターが中心になります。一部の水槽で外部フィルターも導入していますが、一品種に一水槽が原則ですので、濾過能力と値段の兼ね合いで上部フィルターの使用が中心になります。

上部フィルターでは、水槽の背面半分に充分な光が行き届きません。しかもストレーナーと排水パイプがあります。ストレーナーには、稚魚吸い込み防止のためスポンジフィルターを、落水付近には、砂の散乱防止に石などを配置することが多いので、レイアウトの基本は、赤い線で結んだ三角形の内側、ということになりますね。三角形の各辺に目立つものを置き、その内側に低いものを置いて立体感を演出すれば安定します。わたしの場合、高低で立体感と空間の広がりを作るようにしてます。
でまあ、ざっとこんな具合になっちゃうというか、ならざるをえないというか・・。
左右には成長の早い有茎(アンブリア、カボンバ、ハイグロ等)を植え、不粋なストレーナーやスポンジフィルターを隠します。前後に高さ、葉形の違う水草を並べると遠近感も出ます。光のあまり当たらない中心部奥には、流木を置きましょう。高低で複数組合せると立体感が出ます。流木には、アヌビアスナナ、ミクロソリウムなどを着生させると見栄えが良いですが、ナナはアクセント程度にしておかないと、尾ひれを切る元凶になりますし、ミクロソリウムはでっかくなっちゃうので、石に着生させて、葉が広がったら切って捨てたほうが良いです。ミクロソリウムにも種類があって、大きくならないものもあるようです。水中シダ類は弱い光を当てたほうが具合良いので、なるべくフィルターの下など、光が届きにくい場所にあるほうが良いですね。ナナもさほど光量を求めません。

中央手前にはピグミーチェーンサジタリアなど背の低い水草を植えるか、ウォーターウィステリアやスプライトを植えて、地を這うような形にトリミングしていく等の方法もあります。パールグラスとか植えたい人はどうぞ。リシアも好きにしてちょうだい。わたしは絶対やりませんけど。グッピーは食が太いので大量に糞とかしますし、プロホースで底床の汚れを吸い出す方法が一番早いので、掃除出来ない場所はあまり作りたくないんです。動物性プランクトン等の微生物が存在する水槽ですと、有機物の分解も早いのですが、そこまでの水槽に育てるには時間がかかります。過度な清掃は水の育成を妨害するだけですが、掃除しないと病原菌を育成してしまいます。コリドラスのいる水槽でリシアは無謀です。ネットごとひっくり返されます。パールグラスもアクセント程度に植えるだけであれば問題ないですよね。なるべく水槽前面は空けておいたほうが良いとは思うのですけれど。

レイアウトの実践
水草水槽は、水草がメインですので、CO2も使い放題、底面が見えないほどにびっちりと水草を敷き詰められます。

こちらは、メインは生体であり、糞まるけ、残餌まみれの底砂は、適当な間隔で掃除しないといつか病気が出ちゃったりしますので、なるべくならお手入れは簡単にしたい、という制約があります。特にブラインシュリンプなどの活餌を撒くグッピーは、底砂が汚れがちです。また生体が生活する空間が絶対的に必要ですので、凝りすぎてさかなの住む場所を無くしたりしてもいけません。(コリドラスがいれば底面も)

実際に上の写真「ジャパンブルー水槽」(60cm規格水槽)を使って説明しますと、

底砂は大磯を薄く敷いています。ここではプレコを飼育してますので、底砂が厚いと流木の削り粉や糞が潜ってしまいます。水草を植える部分だけ、ちょっと厚めに盛ってますが、それだけじゃ浮いてしまうので、必ず重りを巻いて植えます。水草用の重りですが、テープのように巻いてあるタイプのほうが経済的ですね。

光のあまり届かない中央奥、上部フィルターの下に、流木を4本組んでます。隙間にプレコが入り込むよう、やや複雑な組み込みをしてます。といっても、掃除のたびに全部出しちゃえることが前提ですので、プラ板にビス留めして底砂で隠す、みたいなことはいけません。そんなことをしなくても安定するように組んでおきたいですね。1本にナナを着生させ、空間を使ったレイアウトを演出してます。ジャパンブルーなら尾ひれが切れちゃう心配も無いですから、存分に使いました。手前下のにはウィローモスを付けてますが、片側のみです。両面やると、プレコやオトシンが吸い付けないからね。
写真では切れちゃってますけど、手前右にパコバの群生(でも5,6本)、その奥にカボンバを4,5本植えてます。水草の密集地帯を作って、コリドラスの隠れ家を作ると共に、後ろのブリラントフィルター、その奥のP1フィルターを隠す役目もしてます。見た目もそうですが、なまず系を飼う場合には、人の目の届きにくい場所も確保してあげないといけません。
手前左にアンブリアを4,5本。アンブリアは少量でもボリュームが出ますので、あんまり植え込まないほうが良い気もします。最初から大量に植え込まないと意味が無いと言う人もいらっしゃいますが、成長が早くピンチカットで脇目を出す水草はいずれ処置に困ります。アンブリアなど、水中葉で購入する水草は少なく植えて下さい。アンブリアの奥にアナカリス、右側にアクセントとして、ラージハイグロを1本植えてます。パッと花が咲いたように見えるので、見た目も鮮やかですし、ボリュームもあり、空間的な広がりも出せます。アマゾンソードなどに比べ、葉は柔らかく、グッピーにも安心です。ただトリミングで葉を落としたりして、茎だけの部分が露出すると結構固いので、茎の部分はカットして摘み降ろしたほうが良いです。水草を並べて植える場合、葉形、色、高さの違うものを隣同士にしますが、間にホースをグサグサ挿せるよう、しっかり隙間は空けてます。この水槽の場合、こちら側には外部フィルターのストレーナがありますんで、それを隠す役目もさせてます。
全体にダイナミックで荒々しく、立体的な空間作りを目指しました。水草と流木の間をスイスイ泳ぐジャパンブルー。良い感じです。

このように生体中心のレイアウトは、底砂メンテと生活空間を第一に考えなくてはいけないと思います。レイアウト的には、横並びにしないことです。横に並ぶと水草販売水槽みたいになるです。高低をつけるためには、流木と、それに活着する水草が必要です。この場合は、ジャパンブルーなので、ナナちゃんでOKです。ナナは根付きが悪いので、わたしの場合、間にウィローモスを少量挟んで、ビニタイで固定しときます。ナナが根付く前に、ウィローモスが流木とナナに着いちゃうから、ビニタイ取る時期が格段に早くなりますよ。
尾ひれの開くグッピーの場合は、ミクロソリウムの子株を付けて、大きくなったら切り取れと書きましたが、こちらも根付きは良くないです。同じようにして下さい。

上部フィルター以外を使用している水槽では、このレイアウトは組んでませんが、基本は同じです。底砂見えなくなるまで区画仕切って水草植え込んでみたい〜、とか、奥の砂高くして遠近法てやつを使ってみたい〜、とかは、グッピー&コリドラスを飼ってると不可能です。
グッピーだけなら、やってやれないことは無いと思うのですが、腐敗した何匹ものグッピーにいつまでも気が付かず、水替えしても水替えしても、水質悪化でボロボロ落ちてく、なんてことにならないよう気をつけて下さい。(経験済み)

レイアウトについて勉強する一番安上がりな方法は、熱帯魚屋さんでADAのカタログを頂いて来ることです。参考にする、しないは別として、非常に勉強になります。立派なものですので、貰う時は、なにか購入しましょう。

ある程度、水草が根付いて状態よく育ちましたら、底砂の残餌や糞は分解されて、根から吸収されるようになります。たとえ入門種の有茎といえ、そこまでの状態を作り上げるには多少の経験が必要ですので、あえて続きは書きません。なにごとも、やり続けないと身に付かないノウハウは存在しますよね。ある種の植物の根には、特殊なバクテリアが繁殖するというのは、園芸や作農などの分野では専門的に研究されておりますが、水草の世界はほとんど手付かずの状態です。水草でいっぱいの水槽は水の透明度が格別に高いのですけど、これにすら満足な説明はなされていません。


さてさて。水景を作るという作業はそれなりに楽しいのですが、一旦出来上がった水景を維持する、という行為は非常に面倒です。水草が少ないうちは、カットして前へ積み降ろす、という方法をとっていけば良いのですが、水槽内という限られたスペースはすぐに埋まってしまいます。前面だけでも差し戻して行きましょう。
有茎類は状態が良いとドンドン伸びます。ほかっておくと、いずれトリミングが追いつかなくなり、全体がジャングルと化して、光が隅々へ行き届かず、前面脇芽だらけ、中は枯れ枯れになって、挙句の果てに全滅します。したくなければ、日々の努力も必要なのです。

わたし?わたしは何本もの密林水槽を前に、栄華と衰退の日々を思い起こしながら、諸行無常を愁いてます。(カーン)
ジャングル状態というのは、見てくれは悪いですけれども、水草の量が多い分、硝酸塩や余剰栄養分の吸収は良いです。ただ、いずれ光量不足で枯れるところが出始めるのと、グッピーの場合、勝手に生まれた稚魚が生き残りやすくなってしまう欠点はあります。

このような時は、一度全部引っこ抜いて、状態の良い部分だけを植え直すか、思い切って丸洗いしてみるのがいいですね。大磯の場合、ソイルなどと比べると(比べてはいかんかもしれませんが)、水草を抜くことによる粉塵の舞い上がりは、はるかに微量です。でも生体への影響は充分考慮しましょう。手順としては、まず良い部分をトリミングする→すくえる限りのさかなを救い出す→根張りのよいものは後回しにして、引っこ抜きまくる→改めてさかなを全て救助する→丸洗いする(底床の洗浄)、または植え直し(リプレイス)て換水し、濁りが収まるまで待つ。という具合でしょうか。ろ過器は止めておいて下さい。トリミングした水草はメネデール水溶液などに浸しておきましょう。部分的に毎日少しずつ作業するならば、生体を救助する必要も無いですね。

この水槽のその後とリセットしたようすは、「B-4でリセット」というコーナーにまとめてあります。ろ過器まで洗っちゃってますが、底砂の洗浄と水草のリプレイスが目的ならば、そんなことをする必要はありません。使いまわしが効くのも大磯の利点ではあります。

ミリオンフィッシュとも言われるグッピーは、大変数が増えますので、餌の補給も多く、有茎草も余剰栄養分を吸収して増えます。コケも増えるかもしれませんが、成長が早いので頻繁にトリミングされ、結果オーライになります。

2.ライト

有茎類は1灯式ライトでも育ちますが、迷わず2灯式にして下さい。水中は光の屈折率が高く、届きにくいのです。上部フィルターですと2灯式が限界ですよね。他のろ過をされている人は、3灯式にしたり、2灯式を2個乗せたりも出来ます。植物の成長には、光だけでなく、CO2、窒素、燐酸、カリウム、ミネラルなど全ての要素がバランスよく必要です。なにか1つを突出させてもバランスが崩れるだけでしかないことは覚えておいてください。

蛍光管の種類ですが、わたしは東芝のフィッシュルックスが好きです。赤と青が際立つし、透明感があるんです。スドーのも一通りは使ったけど、ケースバイケースですね。NISSOのPG2管も暗めですが好きです。

PG3管は、水草専門領域のことなんで、好みがどうこう言うほど使ったことありません。ADAのNAランプはわたしの範疇を越えます。屈折率の高い赤は使わず、よく通る青色を強化した蛍光灯であるようです。元々PG3管とは、園芸用のライトですから、屈折率の高い水中でも同じような効果があるかどうかは分かりません。NAランプは水中に通る波長に特化させたものだそうです。

あれこれ書きましたけど、ライトの色にこだわりが無いのでしたら、電気屋さんで一般的な蛍光管を購入して下さい。消耗品ですし、半年使えば光量は半分ほどに落ちてしまいます。安さが一番ですよ。一般的な蛍光管は水中で赤色がくすむ傾向にありますので、奥をパルックに、手前をPG2か、電気屋さんで買えるフィッシュルックスにするなどしてみましょう。パルックなど最近の明るい蛍光管とPG2管はほぼ値段が同じです。一昔前の蛍光管なら\100SHOPで購入出来ます。人が見ることの出来る可視光線と水草の欲しがる波長は必ずしも同じではありませんので、理論上は見た目が明るければ良いというものでも無いんですけど、実地では明るいほうが良いようです。

ただ、明るいということは、それだけの熱量を発しているわけですから、夏場の水温対策は、充分に行って下さい。水温対策としては、点灯時間の短縮とシフト、扇風機を水面に当てて気化熱を奪い温度を下げる、ガラス蓋を外して熱の篭りを防ぐ、などが一般的です。2灯式の1灯のみを点灯するより、点灯時間を減らしたほうが効果的です。

3.CO2の添加

さて、CO2ですが、二酸化炭素の化学記号ですね。一般的な植物と同じく、水草も太陽の光で光合成し、水中の二酸化炭素を吸収して酸素を出します。日没後の休眠時間には、酸素を吸収し二酸化炭素を出します。水草の自生する河川の水は豊富な二酸化炭素を含んでいますが、水道水に含まれる二酸化炭素は微量であるため、人為的に添加してやる必要があります。

と、水草や熱帯魚の飼育書や雑誌には書いてありますね。一方ではこんな風にも書かれています。
「二酸化炭素は、エアレーションを行うと飛んでしまうので添加が無駄になってしまいます。日中はエアレーションをやめ、夜間のみ行いましょう」

はあ?そんなに飛びやすいCO2が、よく川の水に溶け込んだままでいられるもんですよねえ。川といえば急流もあり、流れの中で絶えず空気中の酸素が取り入れられてるはずです。なんか河川の水って特殊な水なのでしょうか?そもそも河川の水って、なぜ二酸化炭素が豊富であり続けるのでしょうか?

酸素と一緒に空気中の二酸化炭素が取り入れられるから、という逆説的な説明も可能です。そうであれば、水槽内でエアレーションしても同様の効果を得られることになります。ところが実際、それだけの二酸化炭素量では水草の育成に不足しているため、あえて強制添加しているわけでして、するってえと河川の二酸化炭素ってのは元々どこから豊富に添加されているのでしょう?川底からブクブクと湧き上がっているのでしょうかしら。

水中の枯葉や堆積した有機物、豊富な水生生物などから発生する量が桁違いに大きいのか、絶えず空気中から取り入れられているから逆説的に豊富といえるのか、なんとも分からないところです。なんて、直接関係無いことを書いてしまいました。

たとえ有茎であろうと、一部を除いて、CO2を添加したほうが、綺麗に育ちます。全然別の種類に見えるものもたくさんあります。でも、グッピーの飼育水槽にCO2の添加は止めたほうが良いです。なぜって、エアレーションすると、水はアルカリに傾きますよね。その反対で、CO2を添加すると、水は酸性に傾くのです。むしろ、その状態(水が酸性に傾いた状態)を常時提供するためにCO2添加が必要なんじゃないかと思えるくらいです。

PH6を切るようなことになると、グッピーは調子を崩しますし、発色も悪くなると思います。以前、ジャパンブルーを100匹近く入れた45cm水槽でCO2を添加し、それが引き金になってエロモナス病を誘発。結果、1水槽全滅したんだから。それは極端な例ですが、グッピーとCO2は良い組合せではありません。

水道水のPHが高い(PH7.5以上である)場合はCO2の添加によって、水草には良い結果をもたらすでしょう。但し、炭酸水素イオン濃度(KH)との兼ね合いで、全くPHが下がらなかったり、突然急降下したりすることもあるかと思います。PHの監視は慎重に続けて下さい。またグッピーの体調を保つため、少なくてもPH6.5付近は維持して欲しいと思います。

CO2の少ない水槽に水草を植えますと、水中の炭酸塩に結合している炭素を吸収しようとしますので、結果的に石灰分が分離し、底砂に沈殿して固まり、PHを上昇させます。これを防ぐため、水草水槽ではCO2を用います。PHの上昇と水の硬度は比例しますので、硬水を好むグッピーには、かえって良い結果を生みますが、その辺りのバランスは難しいところです。

ベテランの人なら、なにをやってもご自分で対処できると思いますが、自信が無ければCO2は諦めてください。CO2なんて無くても有茎類は育ちます。CO2をコントロール出来る環境を作ってグッピーを飼うのもなんだかなあ、と思いますし、ハイグロやスプライトなど弱アルカリを好む水草は、逆にCO2を添加すると節がビヨーンと間延びします。こりゃ本当にビョーンです。

少量のCO2を添加するぶんには良いかとも思います。生体の数と水草の量で必要な酸素量は決まります。バクテリアや微生物等にも必要です。そして酸素を消費した分、二酸化炭素が排出されます。夜間は水草も酸素を求めます。水槽内に必要な酸素量とCO2の量、生体と水草のバランスがなんとなく分かる経験者であれば問題ないでしょう。

4.肥料の添加

植物に必要な三大栄養分のうち、水草の場合、細胞を作るチッソはさかなの排泄物(硝酸塩)から、細胞分裂を促すリン酸は残餌から補給される、と熱帯魚(&水草)の飼育書に書かれています。ところが、同化作用を促進し水草を丈夫にするカリウムは通常補給されません。熱帯魚飼ってればそれが水草の栄養分みたいに書いてある飼育書はカリの存在を無視しています。水草専用の肥料というのは、このカリを主成分に作られています。
だからって、グッピー水槽で使えるような水草には、特に必要性を感じません。変なものを使うと、水槽中コッケコケにコケますが、テトラのイニシャルスティックやクリプトなど、ずっと使われ続けているものなら良いでしょう。ホームセンターで買った水草に巻いてあった肥料ごと植えたら、とたんに藍藻水槽が出来た。カリのみを添加しないと、コケに餌をやるようなもんです。

コケが出るのは、生物濾過がうまく行っていないか餌のやり過ぎだと思いますが、それほどPH値が高いわけでも無く、餌も少なめに与えてる、光量も充分、でも水草が弱々しい時、カリが主成分の肥料を添付してみてください。一般的にはカリウムの不足は白化現象(黄色くなったり斑点が出来たりする)の要因となるようです。成分がほとんどカリウムなら、園芸用肥料でも可です。ただ、園芸用肥料には、窒素・リン酸・カリウムの割合を明示したものが多いですが、もちろんカリのみの肥料は少ないです。というか無いかも。

よく勘違いをされて、肥料を与えれば水草は育つと思ってらっしゃる人がみえますが、肥料が効果的なのは、水草がしっかり底床に根を張り、生き生きと育っている時です。動物が病気にかかるように植物も病気にかかります。病気のときヘビィな栄養を与えて治るのは体力があるからですよね。じゃあ体力が無い時に与えたら?というくらいは考えて使いましょう。

しっかり根をはるタイプの水草には固形肥料を、葉や気中根から養分を吸収するタイプの水草には液肥を添加します。両方買うのも面倒ですので、固形肥料を底砂の上に転がせておけば、適度に溶けて液肥の代わりにもなります。ただ即効性はありません。固形肥料として使う場合は、ピンポイントで、使いたい水草の近くに、しっかり押し込んで下さい。根元では無く、少し離れたところ(根を伸ばしたい方向)が良いです。様子を見ながら、少しずつ使ってみることが重要です。コケが多発したり、ようすがおかしければ、すぐに取り出して水替えしましょう。

園芸用のハイポネックス活力液やメネデール植物活力素を使ってみても良いです。
ハイポネックスやメネデールは超有名メーカーですから、どこのホームセンターでも扱っていると思います。これらは、植物の成長に必要なニ価鉄、マンガンなどの微量成分(ミネラル)を供給します。液体なので即効性もあります。添付量にはご注意ください。通常、園芸用肥料を水草に応用する場合、記載量の100〜1000倍に薄めた数値が適量です。これらは肥料ではありませんが、生体に及ぼす影響は否定も肯定も出来ませんから、それに準じた分量を使用して下さい。

自信無い人には、ADAのブライティKや、入手しやすいテトラ・フローラブライドなんかもありますね。高いけど、添付の目安は分かりますです。ただし、全て生体より水草を優先して作られたものですから、添付量は控えめ(半分以下)にしたほうが良いでしょう。ここで使ってる有茎種は貧栄養でも充分育ちますから。

前述の「テトラ・イニシャルスティック」や鉄分・ミネラル補給液であれば、水槽立上げ当初から使用しても、コケの原因にはならないと思います。この組み合せであれば、底砂を入れる前から、水槽の底に撒いておいても結構です。


ブライティKについては、特に生体に対する悪影響があるとの意見もあるようです。少しでも水草の世界へ足を踏み入れますと必ず行き着くのがADA製品。製品自体がカッコイイですし、提唱するネイチャーアクアリウムを誰でも実践できるだけのノウハウがしっかりしています。ADAの虜になるのも、無視するのもあなたの自由です。ここでは無視しました。(わたしが使っていないもの、やっていないことは全て無視してます) 無視したといって、軽んじてはおりませんのであしからず。

5.流木
流木につきましては、違うコーナーですが、「小型プレコってどんなの」というコーナーで書きましたので、そちらを参考にして下さい。一概には言えないんですが、安い流木ほど色がいつまでも水に溶けるような気がします。

6.石
なるべく丸っこいものを使ったほうが良いとは思うのですが、適度に配置して下さい。流木もだけど、アクアリウム用に売ってるもの(NISSOなんかの輸入品)を使ったほうが良いですね。石化木とか木化石とか、かっこいいけど高いので使いません。モアイ像とかお城とか光る卵とか、面白いけどすぐ飽きるし、全体が安っぽく見えるので、水景が寂しい時以外は使いません。単品でまとめたほうがレイアウトの統一感が出ますので、いろんな色の石を使わないようにしたほうが良いと思います。そこらで拾って来た石を使う場合、充分な水質検査を行って下さいね。

7.水草

有茎類を中心に植えましょう。グッピーに最適だと言われているものは、ウォータースプライト、ハイグロフィラなどがあります。個人的には、稚魚の隠れ場所にもなるし、すんごい勢いで伸びるのでアンブリアを重宝に使っておりました。ただ、あまりにもボリュームが出過ぎるため、レイアウト上のバランスが崩れますので使い方が難しい。他にはボリュームの出るラージリーフハイグロフィラを多用してます。あと、ミクロソリウムの子株も流木や石のアクセントによく使います。ウィローモスは餌が絡まるんで嫌いなのですが、ワムシなどの微生物が湧くなんて聞いたので、ライトの当たらないところに置く石や流木には使ってますね。光が無くても枯れないのは良いです。アナカリスも水中葉の深緑が好きでよく使いますけど、こいつも茎が固い。ただアナカリスは、根を張る水草としては亜硝酸を吸収出来る数少ない種らしいです。カボンバは、なんだかブリーディング水槽の定番みたいで、30cm水槽に1,2本刺さってるの、よく雑誌で見かけます。でもこれは結構やっかいなやつで、水質と光量が安定していないと難しいです。1,2本差しとくのが一番かも。

また、マツモやアマゾン・フロッグビットなど硝酸塩処理能力の高い浮草も少量あると、プラケ飼育が多くなりがちなグッピーには重宝します。

グッピーと固い葉はグッピー側の相性が良くないですけど、尾ひれの開かない種類(エンドラーズやジャパンブルーなど)には影響無いでしょう。ドイツイエローとアマゾンソード、アヌビアスナナなんて組み合せは最悪に近く、尾ひれズタズタの「ドイツイエローソード」が量産出来ます。これにつきまして、マニアックなたわ言とおっしゃる人もみえます。そういう人は過密状況下での飼育がどのようなものかご存知ないのか、または広大な水槽を使ってるのだと思います。

赤系の水草はアクセントに使いたいですが、CO2の添加が必要であることも多いです。レインキー、パコバ、ロタラなどは何もしなくても頂点が赤く色づきますが、光量が少ないと緑に戻ります。

コブラグラス、ピグミーチェーンサジタリア、ヘテランテラ、ヘアーグラス、パールグラスなどは底面のアクセントに良いですね。最近はやりのホソバミズゼニゴケも綺麗です。部分的に植えたほうがお掃除簡単で楽ですよ。底面には光が届きにくいので、2灯式ライトでも維持は困難です。パールグラスはすぐ水面に届いちゃうけれど、やっぱりCO2の添加が無い状態だとイマイチな葉形ですね。

基本的には、柔らかく成長の早いものを中心に植えましょう。わたしが使ってる水草の一覧をまとめてみましたので参考にして下さい。

伸びたらトリミングするんですけど、爪やハサミでバッサリやって構いません。今までのレイアウトを維持しながら綺麗に処理しようと思ったら、切ったほうを使いましょう。根っこから抜き取って、植えられているほうを捨て、代わりに切り取ったほうを植え直します。下のほうの葉は切り取っておいたほうが、光量不足で枯れて切れるのを防げます。

こうやって水景を作るわけですが、水草やってる人たちから見ればアホみたいな初心者水槽しか出来ないです。本当の「水草レイアウト水槽」と比べると、遥かに見劣りしますが、そこはそれ、絶対的に手間もかかりませんし、いざとなったら、てめえらの水槽でグッピーなんて育たないだろーと遠吠えしましょう。(泣)
半端ではあるのですが、普段グッピーやってる人には、新鮮に見えるようです。水草やってる人には有茎ってだけで余裕かまされちゃうでしょう。

8.底砂

重要なことを書き忘れていました。底砂に使う種類ですが、大磯砂の1分〜3分くらいが良いと思います。ソイルはダメです。ソイルはPHを低めに安定させてしまいますからグッピーには向いていません。天敵です。第一、底床の掃除がご法度のソイルでは、給餌量の多いグッピーは維持出来ないでしょう。

ミリオンフィッシュとも呼ばれるグッピーが中心の水槽では、とかく収容するさかなの数も多くなりますし、PHを下げる要因は他にもいろいろありますので、むしろPHを上げる要素の含まれた大磯が一番です。よって前処理もしません。

通常、大磯砂には大量の貝殻が含まれておりまして、カルシウムがKHを上げますので、トニナなど南米産の有茎を育成する水草水槽においては、貝殻を除去するための前処理が必須です。(大磯でトニナする人はいないかもしれませんけど)確実にグッピー寄りから水草専用の環境にシフトしますから、ここではパスです。底床にソイルを使い、CO2の添加をして3灯式以上のライトを当てれば、植えてある水草の難易度に関わらず、それは既に「グッピーの入った水草水槽」です。もっとも、ソイルを使いながら、当コーナーで紹介したような水草を植えてる人もいないとは思います。CO2を必要とする水草は多いですが、絶対にソイルを必要とする水草は全体からすればごく一部に過ぎません。ただKHが高いとうまく育たない種類は少なからず存在します。

それと、無論ですが、ソイルを使ってCO2を添加するのは、どれだけ慣らされても、グッピーにとっては辛い環境であると思います。

水槽を作るとき、トニナとスターレンジとケヤリで南米の水景を作りたいと望めば、さかなもPH5辺りの弱酸性で最も輝き、給餌も頻繁にしなくて良いカラシン系が中心となるでしょう。トータルで見た場合同じことでしょうが、水槽内は水草を中心にしていて、水草のためにさかなを増減し窒素・燐酸の供給量を調整するはずです。
一方、グッピーが飼いたいと最初に思えば、さかな中心の水槽になって、水草はPH中性で育成出来る種類を用い、水槽内はさかなを中心に回って行くと思います。最終的に同じことを目指していても中心が違うのです。極論すれば「さかなは取り替えても良い派」と「水草なんて捨てても良い派」に分かれてしまうのかもしれません(実際にはそこまで割り切れるはずもありません)が、最終的に目指すものは「水草とさかながお互いに依存し合うことから生まれる、小さな生態系の構築」ですから、結果は同じことになります。

ただ、グッピーを飼い、育て、維持して行くつもりなら、グッピーを中心とした水槽を作り、生命の土台である底砂に、PHを下げるようなものは使ってはいけません。もっともペーハーが弱酸性に傾かない限りは、なにを使っても良いです。わたしが住んでいる名古屋尾張地区の水道水はPH6.8〜7.0ですが、地域差や季節で水質の違いもありますからね。グッピーを輝かすには前処理しない大磯、やや難易度の高い水草にも挑戦したければ、前処理した大磯砂を使い、エーハイムなどの外部フィルターを設置して、ライトは3灯式、夜間のみエアレーション、という形をとればいいと思います。

もちろん、どれだけ過密になったら日中もエアするのか、といった配分は経験を積まないと分からないことですし、グッピーは本来、硬度のやや高い水を好みますので、最初に前処理はしないと書きました。原則はその通りです。

大磯砂の前処理は、わたしが書いても意味無いですから、水草のサイトを探して下さい。リンクページにある、すいらくさんの「■GOODAQUA■」が正確で良いです。


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