高野辰之作詞の文部省唱歌
長野県中野市の出身である高野辰之が作詞した唱歌です。
小学校の音楽の教科書に掲載された作品を紹介します。
文部省が学校教育のために創ったのが唱歌です。当時は作詞者・作曲者は公表されていませんでした。
- 第1学年用…日の丸の旗
- 第2学年用…
紅葉 - 第3学年用…春がきた
- 第4学年用…春の小川
- 第6学年用…
故郷 、朧月夜
日の丸の旗
作詞:高野辰之 作曲:岡野貞一
白地に赤く
日の丸染めて
ああ美しい
日本の旗は
青空高く
日の丸あげて
ああ美しい
日本の旗は
紅葉
作詞:高野辰之 作曲:岡野貞一
秋の夕日に照る山紅葉
濃いも薄いも数ある中で
松を色どる
楓 や蔦 も山のふもとの
裾模様
渓 の流れに散り浮く紅葉波にゆられて離れて寄って
赤や黄色の色様々に
水の上にも踊る
錦
信州の秋は紅葉に彩られます。
春がきた
作詞:高野辰之 作曲:岡野貞一
春が来た春が来たどこに来た
山に来た里に来た野にも来た
花が咲く花が咲くどこで咲く
山に咲く里に咲く野にも咲く
鳥が鳴く鳥が鳴くどこで鳴く
山で鳴く里で咲く野でも鳴く
春の小川
作詞:高野辰之 作曲:岡野貞一
春の小川はさらさら行くよ
岸のすみれやれんげの花に
すがたやさしく色うつくしく
咲けよ咲けよとささやきながら
春の小川はさらさら行くよ
えびやめだかや小ぶなのむれに
今日も一日ひなたでおよぎ
遊べ遊べとささやきながら
発表当時は文語調の格調高い詞でしたが、現在は子供向けに直されています。
当初の詞でも、それほど難解というわけではなく、良い詞です。
故郷
作詞:高野辰之 作曲:岡野貞一
兎追いしかの山
小鮒 釣りしかの川夢は今もめぐりて
忘れがたき
故郷 如何にいます
父母
恙 なしや友がき雨に風につけても
思い出ずる故郷
志 をはたしていつの日にか帰らん
山は青き故郷
水は清き故郷
「故郷」作詞者である高野辰之の「故郷」は、海の無い信州の山里です。歌詞に海が出てこないのはそのせいでしょうか。
高野辰之は故郷を離れ東京で学問にうちこみ、文学博士となって故郷に帰ってきました。
長年の研究が認められ天皇陛下に講義をする学者となり、国文学者として最高の栄誉を得た高野ですが、晩年は故郷信州に帰り信州で死にました。
東京にいても夢に見るのは故郷の山河だったのでしょう。
朧月夜
作詞:高野辰之 作曲:岡野貞一
菜の花
畠 に入日 薄れ見わたす山の
端 霞 み深し春風そよ吹く空を見れば
夕月かかりて匂い淡し
里わの
火影 も森の色も田中の小路をたどる人も
蛙 のなく音 も鐘 の音 もさながら
霞 める朧月夜
春の北信州は菜の花で埋め尽くされます。
爽やかな黄色い菜の花畑が、日暮れと共に神秘的な色に変わっていきます。
中野市から飯山市〜野沢温泉村へと、菜の花の道がいまも続いています。