シーケンサのラダー関係
1.ネットワーク方式(図形処理方式)と逐次処理方式とは?
 「PCによるシーケンス制御」[下]7章3項で解説
 「PCによるシーケンス制御の活用」[上]3章1項で解説
 シーケンサラダーの処理方式には、下記2通りの方式があります。

 ネットワーク処理(図形処理)方式
 :シーケンサへ入力したデータをシーケンス回路の図形として記憶しておき、シーケン
  ス回路の解読時にはロジックソルバと呼ぶ回路解読方法でシーケンス回路解読方法で
  シーケンス回路を解読します。
  特長:回路の入力方法に制約がない。
     たとえば、リレー回路ではない「縦線」「横線」で絵を描いても誤動作しない
     試運転の途中で回路を一時切断しておこうとした場合(ちょうど、リレー回路
     の配線をはずした状態)でもシーケンス回路の解読は正常に行われる。
  欠点:OSが複雑になるため処理速度を上げにくい。

 逐次処理方式
 :コンピュータの処理方式そのものの命令で入力する方法
  画面方式のプログラミングパネル(ラダー打ち込みツール)では違いがわからないが
  簡易プログラマで回路を入力する場合には「AND」「OR」「OUT」等の命令で
  入力することで判断が出来ます。
  特長:シーケンサのOSが小さくてすむ。
     ラダー回路がほとんど機械語のため処理速度が早くなる。
  欠点:ネットワーク方式のようは成立しないラダー回路は入力できない。
     パソコン等で強制的に入力出来た場合にはRUNダウンする。
2.ネットワーク方式(図形処理方式)と逐次処理方式とでラ   ダー回路の作り方を変える必要はあるのですか
 「PCによるシーケンス制御」[下]7章3項で解説
 「PCによるシーケンス制御の活用」[上]3章1項で解説
 ラダー回路の設計時には処理方式を考える必要はありません。
 また、処理方式を意識してラダー回路の設計を行う必要もありません。
 
 注意点:回路の順番で動きが変わるような、非常に微妙な設計を必要とするような自動
     化システムの制御を行っている場合には、処理方式により解読順序が変わる場
     合があるため、十分な注意が必要です。

3.ネットワーク方式(図形処理方式)と逐次処理方式とはど
  のようにして分かるのでしょうか
 「PCによるシーケンス制御」[下]7章3項で解説
 「PCによるシーケンス制御の活用」[上]3章1項で解説
 ネットワーク方式:ラダーの組み方に制約が無いことが特長の通り、どのように回路を
          組んでもかまわないため、制約等のラダーの組み方を考える必要が
          ありませんが、この方式では図形処理方式という呼び方のように、
          囲碁のマス目をラダー回路で埋めてゆきます。
          そのためマス目の範囲の制約があります。
          たとえば、縦7行横11列というようにラダー回路を書けるマス目
          の大きさを示しています。
 逐次処理方式  :ラダーの構成は左の電源線から右の電源線まで必ず意味を持ったシ
          ーケンスか色校正となっている必要があります。
          もちろん、自動化システムが正常に動くか誤動作するかは、問題で
          はありません。
          基本的にはネットワーク方式のように、ラダー回路のマス目の制約

          等はありません。

4.ネットワーク方式(図形処理方式)のラダーの解読方法は
  どうなっているのでしょうか
 「PCによるシーケンス制御」[下]7章3項で解説
 「PCによるシーケンス制御の活用」[上]3章1項で解説

     1列      2列      3列   4列     5列
1行|−−| |−−+−−|/|−−+−−|/|−−|/|−−−−(  )
  | 10001 | 10002 | 0300  10011  0100
2行|−−| |−−+       |
  |  0100         |
3行|−−| |−−−−−| |−−+
  | 10100    0200

  処理順序
   1−−| |−−10001

   2−−| |−− 0100

   3−−| |−−10100

   4−−|/|−−10002

   5−−| |−− 0200

   6−−|/|−− 0300

   7−−|/|−−10011

   8−−( )−− 0100

  ネットワーク方式の場合には、1行1列→2行1列→1行3列→3行1列→1行2列
  →3行2列→1行3列→1行4列→1行5列と、各列を左側から1行→2行→・・・
  と処理してゆきます。
  すなわち、1列を上から下まで、2列を上から下まで、3列を上から下までと
  「列毎」に処理してゆきます。
5.逐次処理方式のラダーの解読方法はどうなっているので
  しょうか
 「PCによるシーケンス制御」[下]7章3項で解説
 「PCによるシーケンス制御の活用」[上]3章1項で解説

     1列      2列      3列   4列     5列
1行|−−| |−−+−−|/|−−+−−|/|−−|/|−−−−(  )
  |  X3   |  X2   |  X1   X0     Y80
2行|−−| |−−+       |
  |  Y80          |
3行|−−| |−−−−−| |−−+
  |  X4      X5

  処理順序
   1−−| |−− X3   :LD  X3

   2−−| |−− Y80  :OR  Y80

   3−−|/|−− X2   :ANI X2

   4−−| |−− X4   :LD  X4

   5−−| |−− X5   :AND X5

   6             :OR

   7−−|/|−− X1   :ANI X1

   8−−|/|−− X0   :ANI X0

   9−−( )−− Y80  :OUT Y80

   10            :END

  逐次処理方式の場合には、1行1列→2行2列→1行2列→3行1列→3行2列
  →1行3列→1行4列→1行5列と、各列を左側から1列→2列→・・・と処理して
  ゆきます。
  すなわち、1列の左から、ラダーのつながっている順序に右へと処理してゆきます。
6.補助リレーとは何ですか
 「PCによるシーケンス制御」[下]7章4項で解説
 「PCによるシーケンス制御の活用」[上]3章1項で解説
          ネットワーク方式     逐次処理方式
 −−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−
  入力リレー | 10001〜14096|X0−X2047
  出力リレー |     1〜 4096|Y0〜Y2047
  補助リレー |     1〜 8192|M0〜M999
        |(ただし出力リレー以外)|

  ネットワーク処理方式の場合には、出力リレー、補助リレーを区分けしていません。
  従って、出力モジュールより外部へ信号を出力しないコイルを補助リレーと呼んで
  います。
  文字通り、シーケンス制御の出力の電磁弁や表示灯を駆動する場合の補助的に使用
  するコイルのことです。
  逐次処理方式の場合には用途により番号の付け方が異なっています。
7.1スキャンパルスの使い方
 「PCによるシーケンス制御」[下]7章5項で解説
 「PCによるシーケンス制御の活用」[上]3章1項で解説
 ラダーを設計すす場合に、リレーシーケンスでは使わないような「1スキャンパルス」
 という回路構成がよく説明されています。
 どのように使用するのでしょうか。
 :電源投入時の1スキャンパルス
  1スキャンパルスというのは、その名の通り1回だけパルスを出す回路のことです。
  電源投入時に1回だけパルスを出す場合には、シーケンス制御のタイマ等の設定値の
  初期化、シーケンス回路の初期化(すべてをイニシャルの状態にする)
  データ処理の場合には、初期データをセットする。
  というような目的に使用できます。
8.電源投入時1スキャンパルスの作り方
 「PCによるシーケンス制御」[下]7章5項で解説
 「PCによるシーケンス制御の活用」[上]3章1項で解説

 [ネットワーク(図形処理)方式]
  |−−|/|−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−(  )
  | 0011                         0010
  |−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−(  )
  |                              0011
  処理順序
   電源投入1スキャン目
   1−−|/|−− 0011・・この時点ではコイル11はOFF
                  b接点の11は通電となります。
   2−−( )−− 0011・・この時コイル11はがONとなります。

   3−−( )−− 0010・・b接点の11が通電するのでコイル10はON

   電源投入2スキャン目
   4−−|/|−− 0011・・コイル11はONなのでb接点の11は通電しな
                  い。
   5−−( )−− 0011・・コイル11は1度ONすると後は常のON

   6−−( )−− 0010・・b接点の11が通電せずコイル10はOFF

   電源投入3スキャン目からは、2スキャン目と状態は変わらない。
   このようにしてコイル10は電源投入時のみ1スキャンだけONするパルス信号を
   出します。
   コイル10のON→OFFの順序を見るとちょうど1スキャン遅れているように見
   えますね。

 [逐次処理方式]
  |−−|/|−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−(  )
  |  M10                         M100
  |−−|/|−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−(  )
  |  M999                        M10
  処理順序
   電源投入1スキャン目
   1−−|/|−− M10 ・・この時点ではコイルM10はOFF
                  b接点のM10は通電となります。
   2−−( )−− M100・・b接点のM10通電のためこの時コイルM100
                  がONとなります。
   3−−|/|−− M999・・M999はダミー接点
                  逐次処理方式ではコイルを左の電源線にプログラ
                  ムできないためb接点の無効な回路を作ります。
   4−−( )−− M10 ・・b接点のM999が通電するのでコイルM10は
                  ONとなります。
   電源投入2スキャン目
   5−−|/|−− M10 ・・コイルM10はONなのでb接点のM10は通電
                  いない。
   6−−( )−− M100・・b接点のM10が通電せずコイルM100は
                  OFF
   7−−|/|−− M999・・M999はダミー接点で常に通電

   8−−( )−− M10 ・・b接点のM999が通電するのでコイルM10は
                  ONとなります。
   電源投入3スキャン目からは、2スキャン目と状態は変わらない。
   このようにしてコイルM100は電源投入時のみ1スキャンだけONするパルス
   信号を出します。
   コイルM100のON→OFFの順序を見るとちょうど1スキャン遅れているよう
   に見えますね。
9.任意の時間の1スキャンパルスの作り方
 「PCによるシーケンス制御」[下]7章5項で解説
 「PCによるシーケンス制御の活用」[上]3章1項で解説

 [ネットワーク(図形処理)方式]
  |−−| |−−+−−|/|−−−−−−−−−−−−−−−−−(  )
  | 0100  | 0011                 0010
  |       +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−(  )
  |                              0011
  処理順序
   コイル100 ON後1スキャン目
   1−−| |−− 0100・・コイル100 ONで回路の処理開始
                  a接点の100は通電となります。
   2−−|/|−− 0011・・この時点ではコイル11はOFF
                  b接点の11は通電となります。
   3−−( )−− 0011・・この時コイル11はがONとなります。

   4−−( )−− 0010・・b接点の11が通電するのでコイル10はON

   コイル100 ON後2スキャン目
   5−−| |−− 0100・・コイル100 ONで回路の処理継続
                  a接点の100は通電を継続します。
   6−−|/|−− 0011・・コイル11はONなのでb接点の11は通電しな
                  い。
   7−−( )−− 0011・・コイル11は1度ONすると後は常のON

   8−−( )−− 0010・・b接点の11が通電せずコイル10はOFF

   コイル100 ON後3スキャン目からは、2スキャン目と状態は変わらない。
   このようにしてコイル10は電源投入時のみ1スキャンだけONするパルス信号を
   出します。
   コイル10のON→OFFの順序を見るとちょうど1スキャン遅れているように見
   えますね。

 [逐次処理方式]
  |−−| |−−+−−|/|−−−−−−−−−−−−−−−−−(  )
  |  M100 |  M10                 M100
  |       +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−(  )
  |                              M10
  処理順序
   コイルM100 ON後1スキャン目
   1−−| |−− M100・・コイルM100 ONで回路の処理開始
                  a接点のM100は通電となります。
   2−−|/|−− M10 ・・この時点ではコイルM10はOFF
                  b接点のM10は通電となります。
   3−−( )−− M100・・b接点のM10通電のためこの時コイルM100
                  がONとなります。
   4−−|/|−− M999・・M999はダミー接点
                  逐次処理方式ではコイルを左の電源線にプログラ
                  ムできないためb接点の無効な回路を作ります。
   5−−( )−− M10 ・・b接点のM999が通電するのでコイルM10は
                  ONとなります。
   コイルM100 ON後2スキャン目
   6−−| |−− 0100・・コイルM100 ONで回路の処理継続
                  a接点のM100は通電を継続します。
   7−−|/|−− M10 ・・コイルM10はONなのでb接点のM10は通電
                  いない。
   8−−( )−− M100・・b接点のM10が通電せずコイルM100は
                  OFF
   9−−|/|−− M999・・M999はダミー接点で常に通電

  10−−( )−− M10 ・・b接点のM999が通電するのでコイルM10は
                  ONとなります。
   コイルM100 ON後3スキャン目からは、2スキャン目と状態は変わらない。
   このようにしてコイルM100は電源投入時のみ1スキャンだけONするパルス
   信号を出します。
   コイルM100のON→OFFの順序を見るとちょうど1スキャン遅れているよう
   に見えますね。
10.ラダー回路の書き方には規則があるのでしょうか。
 ラダー回路の設計時に「−−(6)」「−−(6)−」「−−( )(番号はコイルマ
 ークの下)」というように書き方には、いろいろあると思います。
 ユーザーの中にはラダー回路の書き方を決めている会社もありますが、基本的にはラダ
 ー回路の書き方には規則はありません。
 要はシーケンス回路を誰もが見やすく書けていることが大切です。
11.a接点、b接点、コイルとはどのような動きの関係が    あるのですか。
 「PCによるシーケンス制御」「上」4章にて解説
 「PCによるシーケンス制御の活用」「上」5章にて解説
 シーケンス回路の基本の説明が必要な、非常に難しい質問と思います。

 |−−| |−−−−−−−−−−−−−−−( )−|
 |  100               11
 |−−|/|−−−−−−−−−−−−−−−( )−|
 |  11                12

 上記のような回路の場合、「−||−(a接点)」「−|/|−(b接点)」
 「−( )−(コイル)」と呼んでいます。
 a接点:番号のコイルがONしたときにONする接点、上記ではコイル100がONで
 a接点100がONb接点:番号のコイルがOFFの時にONする接点、上記ではコイ
 ル11がOFFでb接点11がONコイル:左の電源線から通電したときにONするリ
 レーコイル。上記ではa接点100ONでコイル11ON説明すると、上記のような説
 明になりますが、実際のリレーシーケンス回路は理解できても、PCに入力したラダー
 回路の場合には理解できないと言う人は案外多いものです。
 (私も昔は分かりませんでした。)
 従って、理解するにはリレーシーケンス回路とPCのラダー回路とが同じと知ることが
 一番の近道です。
 同じと知るためには、実際のリレーシーケンス回路をPCのラダー回路の形でプログラ
 ムして確認するのも一つの方法です。
12.電源投入時のラダー回路の処理はどうなっているのです    か
 「PCによるシーケンス制御」「上」4章にて解説
 「PCによるシーケンス制御の活用」「上」5章にて解説
 PCの電源をONした時の処理のことですが、リレーシーケンスの場合と比べてみまし
 よう。
 リレーシーケンスの場合には、電源投入時にはすべてのリレーがOFFしれいます。
 PCの場合にも、リレーシーケンスの場合と、全く同じ処理となっています。
 すなわち、
  a:すべてのリレーはOFF
    (ただし、キープリレーで電源OFF時のキープリレーONのリレーを除く)
  b:ロジックエリア(ラダーをプログラムするメモリアリア)の処理をメモリの
    最初から処理を始める。
  c:ラダー処理の結果、コイルのON/OFFが決まって行きます。
  d:ロジックエリアの最初から処理を開始し、ラダー回路の最後まで処理を進め
    ラダー回路の最後で処理を終了し、ラダー回路の処理をロジックエリアの最初
    に戻って再度処理を行います。
  e:ラダーの処理を終わって、ロジックエリアの最初の戻る前に下記のような処理
    をします。
    :プログラミングパネルへの信号授受
     入力モジュールからの信号入力
     出力モジュールからの信号入力
     コンピュータとの通信
現場の実学ホームページへ戻る