ウツボ[

(学名)Gymnothorax kidako
(英名)Brutal moray


ウナギ目ウツボ科

[分布]
琉球列島を除く南日本
[環境]
水深50m以浅の岩礁
[体長]  60〜80cm
[撮影地] 赤沢・ビーチ
[深度]  7m
[撮影者] H.Murayama

[特徴]
ウツボの仲間は歯が鋭く、舌のある
ところに可動歯と呼ばれる歯があり、
咽頭に向かって折れ曲がっていて
捕まえた餌を逃さないよう、また餌を
食べやすい構造になっている。

日本産のウツボのうち、ウツボやトラ
ウツボ、ユリウツボが
食用にされる。


ウツボはどうしてウツボなの?!

皆さんも既にお気づきでしょうが、このホームページ
では各魚の名前の後に漢字名を併記しています。
これは通常カタカナで知られている魚の漢字名を
調べることで、その名前の由来を想像してもらおう
という試みから始めましたが、改正前のページでは
このウツボの漢字名が現在私が使っているパソコン
の漢字辞書、第2水準まで調べても登録してなかった
ため、表示することが出来ませんでした。今回の改正
で、
文献12の字体を画像としてコピーしてようやく
他のページ同様表示出来きた次第です。

ところでここまで苦労して表示させた漢字名ですが、
本来の目的である名前の由来がこの漢字から想像
できるかと言われれば、私個人もなんとも答えようが
ありません・・・では済まないと思い、改めて
文献15
で調べ直してみました。

皆さんもTVの時代劇などで武士が弓矢の矢を入れる
ために腰や肩からぶら下げている太い筒を目にした
ことがあると思いますが、実はあの道具の名前を”靫
(うつぼ)”と呼ぶそうで、その形にウツボの肥厚した
細長い身体が似ていることから、名づけられたそう
です。ちなみに矢を入れる”靫”の語源は、筒の内側
が空洞になっていて、”空”を意味する”うつほ”が
濁音になったとされているようです。

そう言われてみると、ウツボの鋭い歯はいかにも
弓矢の矢尻にぴったりだと思いませんか?ウツボは
一般に危険な魚とされていますが、こちらからむやみ
にちょっかいを出さなければ、ウツボの方から噛み
付いてくることはないようです。但し、ウツボは夜行性
の魚で、夜、餌を探している時など体全体を穴から
出して泳いでいるときは、攻撃的になることも予想
されるので、実際に噛まれて痛い思いをしないよう
お互いに注意したいものですね。

ウナギならぬウツボの蒲焼き?!

土用の丑の日と言えば鰻(ウナギ)を食べる習慣が
現代の日本人にまだ定着しているかどうかは定か
ではありませんが、如何にも悪人顔のウツボがこの
馴染み深いウナギの仲間であることに驚かれる方は
多いのではないでしょうか?

鰻(ウナギ)と言えば川魚というイメージが強いと思い
ますが、どうも一般的なウナギも産卵は海で行われて
いるらしく、さらに海に住むウナギもいるそうですから
ウツボがウナギの仲間としてもおかしくないのかも
知れません。学術的には共に幼生期に無色透明で
扁平な”レプトセファルス”となることで証明される
そうです。

となれば、ウツボもウナギと同じく食用にされても
おかしくないと考えるのは人の常でしょうが、やはり
その凶悪なイメージからでしょうか・・・食用とする
地方はごく限られているようです。三重県の志摩地方
では、正月用にこの地方独特の料理に使用するため
毎年暮れになるとウツボ漁が行われているそうです。
また、TV番組で一度見たことがありますが和歌山県
でもウツボを食用とする地方があるそうです。食用と
されるのは、一般的なウツボに限らず、なんとあの
毒々しいトラウツボやユリウツボなども食用とされる
そうで、くちばしのように口先が突出した”キツネ”と
呼ばれるコケウツボなどは敬遠されるようです。採集
はウナギ同様ウツボ籠と呼ばれる網籠が使われたり
ウツボ延縄で行われるそうです。

ウツボを食べるなんて信じられない・・・と思われる方
もタコやナマコはなんの違和感もなく食べているように
食べ慣れていない人から見れば、魚に限らず異様に
感じるものですが、さてウツボはどんな味がするんで
しょうね?


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