マツカサウオ[松毬魚]

(学名)Monocentris japonica
(英名)Pinecone fish


キンメダイ目マツカサウオ科

[分布]
南日本
インド洋
西オーストラリア
[環境]
やや深い岩礁(10〜50m深)
[体長]  12cm
[撮影地] 東伊豆・大川
[深度]  20m
[撮影者] H.Fujiyoshi

[特徴]
岩の下や割れ目などの暗がりで
生活しており、その名前の通り、
体表がまるで植物のマツカサの
ように、くっつき合った厚い盾状
の鱗でおおわれた
ユニークな形態
備えている。

この魚のもう一つの特徴として
下アゴに一対の発光器を持った
光る魚であることが知られている。


松毬?!それともパイナップル?!

スキューバダイピングの知識を一通りマスターし、
次のステップとして海の中で出会う魚達の名前を
覚えようとすると、これが意外に難しいと感じられる
方も多いのではないでしょうか?私もそのうちの一人
に含まれますが、なにせ日本近辺に生息する魚だけ
でも約二千種類以上と言われていますし、慣れないと
どれも同じような魚に見えてしまい、陸上に戻った
後で図鑑とにらめっこしながら識別するだけでも結構
大変な作業になりますよね・・・。そんななか、マツカサ
ウオのように外見と名前が比較的一致しやすい魚
などは誰でもすぐに見分けが出来る反面、関心度も
薄いような印象を持ちますが気のせいでしょうか?

ところで、魚の名前の多くはその外見を身近なものに
たとえて付けられることが多いようですが、この魚も
体表の鱗が互いにくっつき合った姿が松の木の松毬
(まつぼっくりとも言う)に似ていることからこの名が
付けられたようです。一方、この魚の英名はPineapple
fishとも呼ばれており、外国人の目にはその外見は
パイナップルの果実に見えたようです。皆さんは
どちらに似ていると思いますか?

なお、マツカサウオの地方名として、和歌山県湯浅や
田辺・高知県東部でヨロイまたはヨロイウオ、鹿児島
ではヨロイダイと呼ばれる通り、体表は手で触れて
みてもごつごつしていて堅いそうで、彼ら独特の形態
も外敵から身を守るための本当の鎧として進化して
きたものかも知れません。

光る魚の秘密?!

光を利用する生物が何も人間に限らないことは、
夏の風物詩であるホタルなどを思い浮かべると、
すぐに納得してもらえると思いますが、海の中でも
光りを発することでなんらかの役に立てている魚が
いるようです。

マツカサウオは昼間暗がりにじっとしてほとんど
動かないため写真撮影にはうってつけの魚ですが、
文献4によると実際にあまり泳ぎは得意ではない
ようです。このようなマツカサウオやチョウチン
アンコウなど泳ぎがあまり得意でない魚の場合、
発光器を自分の餌となる魚のおびき寄せのために
利用しているのではないかと考えられています。

ところで、マツカサウオが発光するしくみはヒカリ
イシモチなどと同じく発光器内で培養されている
発光バクテリアによるものだそうです。また、キンメ
モドキなどは発光器内のルシフェリンという発光
物質の化学反応によって発光することまでは
わかっているようですが、発光器本来の意義や
その活用方法など、いずれにしてもまだまだ
謎は多いようです。


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