ゴンズイ[権瑞]

(学名)Plotosus lineatus
(英名)Striped catfish eel


ナマズ目ゴンズイ科

[分布]
本州南部以南
[環境]
浅海の岩礁・砂地(1〜10m深)
やや深い岩礁・砂地(10〜50m深)
[体長]  12〜20cm
[撮影地] 赤沢・ビーチ
[深度]  7m
[撮影者] H.Murayama

[特徴]
成魚は夜行性で昼間は岩陰など
の暗がりで群がっているが、夜
餌を探す際は分散して活動する。
逆に幼魚の時期は昼間に行動し、
俗に
ゴンズイ玉と呼ばれる球状の
群れをつくる。

背鰭と胸鰭に合計三本の毒棘
持っているので、むやみに手を
触れないよう注意したい。


ゴンズイの秘密?!

ダイバーの方であれば、ゴンズイと言えばなんと
言っても”ゴンズイ玉”と呼ばれる球状の群れを
まず頭に思い浮かべられるのではないでしょうか?

ところが調べてみると意外な事に、このような球状の
群れを作って昼間活動しているのはゴンズイが幼魚
の時期に限られており、通常、成魚になると昼間は
岩陰などの暗い所で群がっていますが、夜になると
餌を探すために単独または夫婦単位に分散して活動
しているようです。

もともと、キンメモドキやネンブツダイなどの小魚が
群れを形成する理由として、数が多いことで外敵から
捕食される確率を下げ、種の保存を保とうとする効果
を持つと同時に、群れ全体をひとつの大きな生物の
ように錯覚させることで外敵を混乱させたり驚かせる
効果も兼ね備えているためとされています。

考えてみると、よく知られているようにゴンズイは背鰭
や胸鰭の棘に強力な毒を持っているため、本来
群れを作って外敵から身を守る必要性は少ないはず
ですが、幼魚時においては身体も未熟でおそらくその
毒を持つ棘も未発達であると想像されることから、
”ゴンズイ玉”のような群れを作って活動する必要が
生じたとすれば、皆さんもなんとなく納得できるような
気がしてきませんか?

さらにおもしろいことに、この”ゴンズイ玉”は彼らの
体表から分泌されるフェロモンと呼ばれる分泌液に
よって自分の属する群れと別の群れをちゃんと認識
しているそうです。まさに生死を共にする堅い絆で
結ばれていると言ったところでしょうか?

ゴンズイは役立たず?!

ゴンズイの漢字名である”権瑞”の由来について、
文献12、15によると、”ごんずい場”という言葉は
塵芥の捨て場、はきだめという意味であり、”権蔵”、
”権太”などの呼び名がならず者、女好きという意味で
いずれも役立たずに繋がる事から、”権瑞”の当て字
が付けられたという説があるようです。実際、食べて
もまずくて食用にならないと書いてある著者もいます
が、人によってはちり鍋や味噌汁に入れたり、甘辛の
煮付けや蒲焼きにするとおいしいと評価されている
文献もあるので、一概に役立たずとは言えないので
はないでしょうか?

また、ゴンズイが毒魚というのは良く知られていると
思いますが、これは何も人間に危害を加えるため
ではなく、本来、自らを餌に狙う外敵から身を守る
ために身に付けたものと考えられますが、この効果
に乗じて、コロダイの幼魚などは外見をゴンズイに
類似させ、外敵から襲われにくくしている魚もいるそう
です。

まさにコロダイの幼魚にしてみれば、ゴンズイあって
の自分というわけで、とても”役立たず”とは呼べない
でしょうね。


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