☆Amii−Phonic
<どんなアルバムか>
デビュー25周年記念アルバムとして、フォーライフレコードから発売されました。ゲストが多彩で、なおかつセルフカバーあり、「オリビアを聞きながら」の続編もありと、かなり盛り沢山で楽しい仕上がりとなっています。このアルバムについては、いろんなところで紹介されてますし、亜美さん自身による解説もインターネット上で公開されてますが、ここでは私の主観でもって解説させていただきます。
なお、各曲の「ゲスト」の欄には、ゲストミュージシャンも一緒に記載してます。ドラムの沼澤氏はゲストじゃないのか?山木氏はどうだ。ギターの是永氏は?と、いろいろなご意見もあるでしょうが、まぁ1〜2曲しか参加してない人を一応ゲストとして記載しました。参加ミュージシャンの詳しい情報は、是非CDを買ってご覧下さい。
<ジャケット・歌詞カード>
ジャケットはご存知の通り、なんとも賑やかで、遊び心と仕掛けの多いものです。見たことない人は今すぐCDショップに行きましょう。歌詞カードの中も、“あみばさみ”やら“あみがため”やらなんやらかんやら。おまけに、ゲストミュージシャンのみならずスタッフ全員の写真もありますが、顔だけ写真で身体はコスプレのイラストで…。これの詳しい解説は差し控えさせていただきます(^_^; また、CDを取り出すとレコーディングの様子が写真で見られます。相変わらず、亜美さんお茶目です。これだけジャケットや歌詞カードに手間がかかってると、レンタルじゃもったいないので、ご家庭に一枚是非どうぞ。
<各曲解説>
「北京ダック」 with 細野晴臣
作詞 作曲:細野晴臣 編曲:尾崎亜美・小原礼
ゲスト:細野晴臣、藤井尚之
仰々しい中国風のイントロから一転して軽快な歌い出し。元々細野氏の作品だそうですが、私はこのアルバムで初めて耳にしました。さっぱりわけのわからん歌詞と、しゃれっけたっぷりのサックスソロがなんとも言えませんが、亜美さんのボーカルも凄くいい味を出してますし、細野氏のリラックスしつつもダンディーなボーカルも堪能できます。この曲をインターネットのサイトで視聴して、「ああいいなぁ。早く全部聞きたい!」と思ったものでした。「音楽とは楽しいもんだ」という事を認識させられる曲です。ベースのフレーズも面白いです。亜美さんによると、細野さんは食べ物とか動物の歌が多いそうですが…。これは北京ダックだから、動物でもあり料理でもあり。
「Melody Junk」 with AMIGOS
作詞:尾崎亜美 作曲:奥田民生 編曲:AMIGOS
ゲスト:AMIGOS(奥田民生・小原礼・沼澤尚)
上記のメンバーで、AMIGOSというユニットだそうです。軽くオーバードライブさせただけのアンプを、ピッキングのパワーで無理やり歪ませたような骨太のギターサウンドのイントロから、亜美さんの激しいボーカルが飛び出します。ドラムとベースはグイグイ押すようなリズムを刻み、間奏とエンディングは大ハードロック大会。クレジットを見ると、ギターは奥田氏だけですから、間奏のグシャグシャのワウを駆使したギターソロでも大活躍です。25周年記念コンサートでは、奥田氏が残念ながらビデオ出演でしたが、亜美さんはウエスタンルックで飛び回ってました。作詞は亜美さんですが、なんか奥田氏が作ったような歌詞ですよね?
「風のライオン」 with 福山雅治
作詞 作曲 編曲:尾崎亜美
ゲスト:福山雅治、小倉博和
「ナチュラルエージェンシー」からの曲。亜美さんのセルフカバーを二人でデュエットするのは決まってたようですが、いざ録音する時に候補を数曲福山氏に聞かせたところ、亜美さんの思惑通りこれを選んだのだとか。ここでは、エコーが少なく、まるで同じ部屋で歌ってくれているような録音がされています。福山氏はボーカルのみでなく、ハーモニカもプレイ。福山氏のバックは、小倉氏の生ギター1本だけ。徹底研究すれば、「ギター1本で歌の伴奏をするには?」という勉強にもなります。
「Friendship〜自然の法則〜」 with SING
LIKE TALKING
作詞:藤田千章 作曲 編曲:尾崎亜美
ゲスト:SING LIKE TALKING
亜美さんと佐藤氏が交互にリードボーカルをとり、サビでハモるデュエット曲。二人の交流は古いようですが、SLTが3人揃って絡むのは珍しいのでは? 今回は、藤田氏=作詞、西村氏=ギター&Eシタール(これが結構いい感じ)、佐藤氏=ボーカルでの参加です。歌詞とメロディーが見事にマッチした仕上がりで、ある意味ゲストを多数迎えたこのアルバムのテーマに一番合っているのでは?とも思います。多分、亜美さんの曲が先にできていたと思うのですが、歌詞のテーマについては亜美さんから要望があったのでしょうか? 亜美さんにはいろんなボーカルのスタイルがありますが、こういう肩の力が抜けた歌い方も大好きです。ちなみに、私はこのアルバムでは、この曲と「北京ダック」と「Forgive
Yourself」が気に入ってます。
「Camping Boogie-woogie」 with 宇崎竜童
作詞:尾崎亜美 作曲:宇崎竜童 編曲:小原礼
ゲスト:宇崎竜童、藤井尚之
ご存じの通り、TVKの番組で一緒だった宇崎氏との共作。宇崎氏と言えば、ダウンタウンブギウギバンドでの印象が強いですが、そちらでのブギウギの曲というと「スモーキンブギ」「売物ブギ」「カッコマンブギ」「ブギウギブギ」「トラックドライビングブギ」などなど。私は「カッコマンブギ」と「トラックドレイビングブギ」が好きです。それと、ブギウギバンドというわりには、どちらかというと「ブルース」とつく曲の方が多いような気もします。が、別にブギウギをやるためにバンドを組んだわけではなく、「できるだけ長ったらしい名前の方が印象に残る」ということで、確か島武実氏がグループ名を考えたと記憶してます。違うかもしれませんが。なお、今回「是非ブギウギで」というのは亜美さんの要望だったとの事。そりゃ、山口百恵に書くような曲を作ってもらってもつまらないかも。…案外面白かったりして。
ところで、いわゆる「ブギウギ」というのはどういう種類の曲の事をいうのでしょう? なんか、基本12小節でのブルースコード進行で演奏して、タイトルに「ブギ」と付ければそれでブギウギになるような…。それとか、ブギウギとシャッフルの違いはどう説明すれば良いのでしょう? ブギウギとはリズムの名前か、演奏形態なのか、曲の種類なのか? う〜む考え始めると寝られない。とはいえ、真剣に考えたことはありません。
なお、亜美さんはキャンプに凝っていて、キャンプの様子が雑誌で掲載されたこともありました。が、はまったのは随分大人になってから、知り合いに連れていってもらったのがきっかけだったとか。最初は、キャンプというと、「2〜3時まで水くみ、3時から全員で料理!4時から体操!」というような体育会系の行事を想像してたそうですが、実際に行ってみると単にぼ〜っとして何もしない人とか、やたらとビールばっかり飲んでる人など、なんでも勝手にやって楽しめばいい「大人のママゴト」だと知ったそうです。そうなると、料理の得意な亜美さんのこと、キャンプでもいろいろな料理にチャレンジしてみたとか。是非一度ご一緒してみたいもんです。ちなみに、私はビールばっかり飲んでるたちですが、キャンプは好きです。猪苗代にはちょくちょく行ったもんですが。
で、曲のことを全然書いてませんでした。間奏のギターがそれっぽくてかっこいいです。是永さんのソロです。
「ゆっくり踊るベアーのような夜を往く」 THE
DELTA WING with 真矢
作詞:鈴木慶一 作曲 編曲:小原礼
ゲスト:真矢
今回デルタウイングとして1曲。ただし、ドラムに真矢氏を招いて迫力あるサウンドを展開。真矢氏のドラムをちゃんと聞いたのは初めてですが、ドッカンと重いリズムを叩き出し、大変気に入りました。余談ですが、彼がレギュラーグリップで叩いている姿を目にしたことがありますが、なんでも「レギュラーが上手くないので、不揃いになる感覚を楽しむためにやってる」のだそうです。ということで普段は当然マッチドグリップだそう。雑誌で見ました。面白いですね。
間奏のギターは、逆回転させるエフェクターだそうで、この気持ち悪さはライブでも再現されてました。なんかネットリとした夜に、闇を振り払うように必死でもがいている感覚が伝わってきます。不快指数の高い夜に、偏頭痛がして、歯も痛くて、熱もあって、急な腹痛でトイレに行こうと思って立ち上がった瞬間に足がつってしまったとかいう状況に置かれると、こういう歌詞が書けるかもしれません。そういう意味で、これも歌詞とメロディーがマッチしている曲と言えるでしょう。なんかわけのわからん曲だなぁと思いながら聞いてたのですが、25周年ライブで生演奏を聴いて以来好きな曲になりました。
「Wisdom Of Nature」 with デーモン小暮
作詞:デーモン小暮・尾崎亜美 作曲 編曲:尾崎亜美
ゲスト:デーモン小暮、松原正樹
デーモン閣下はかなりいろんな声の出る人ですので、ぱっと聞いただけでは誰がゲストかわかりません。ちなみに、閣下は亜美さんと礼さんの結婚式で神父さんの役をやったことで有名ですが、当日来るはずの神父さんが到着せず、「ね、代わりに神父さんやってくれない?」と言われて、「悪魔の場合は司祭というのだ!」と言ったという話を聞いて妙におかしかったです。(花まるマーケットだったかな?) それも、亜美さんが閣下の物まねしながらでしたから。
ギターの松原氏は、亜美さんのデビュー曲「冥想」でもギターを弾いてました。25年間才能の枯れない亜美さんも凄いですが、25年間トップミュージシャンとして活躍する松原氏も凄いです。亜美さんの曲では、ストップモーション収録の「もどかしい夢」のギターとか、プリズミイ収録の「白夜」のギターが好きです。リトルファンタジーもかっこよかったです。あと、実は私パラシュートのファンクラブ入ってました。今でも松原氏のサイン入りピック持ってます。
なお、この曲のタイトルは閣下のアイディアのようですが、「自然の叡智」という愛知万博のテーマと関連しているとの情報もあります。う〜む奥が深い。
「Forgive Yourself」 with ANRI
作詞 作曲 編曲:尾崎亜美
ゲスト:ANRI
一応「オリビアを聞きながら」の続編と言われてます。が、別にドラマ仕立てであの時別れた彼氏とヨリが戻って云々というような安直な企画ではありません。あくまでも、あの曲に登場する意地っ張りだった小娘が中娘、大娘と成長してきて、今もいろいろ悩みながら一生懸命生きてるという、そういう曲です。「真夜中の電話」とか「お茶でも飲もう」とかいうところが、一応関連を想像させるところではあります。
なお、ここではANRIとデュエットしてますが、25周年記念コンサートでは、亜美さんのプロデュースでデビュー予定の新人アーティスト「mju:」とのデュエットで披露されました。それはそれで、その新人がこの曲を見事に堂々と歌い上げ、場内をシンと静まり返らせ、我々の度肝を抜きました。末恐ろしいものです。
「Sweet Breath」 with 大貫妙子
作詞:尾崎亜美 作曲:大貫妙子 編曲:尾崎亜美
ゲスト:大貫妙子
大貫さんと亜美さんの接点というのがどうもわからないのですが、いつ頃からの知り合いなのでしょうか? この曲では、大貫さんの希望で小原氏がドラムも叩いたという事ですから、小原氏とも知り合いのようですね。しかし、大貫さんというのもハッキリ言ってヒット曲がないにもかかわらず、これだけ長年活動を続けているというのは凄いです。自分の世界がしっかりあって、その世界が大好きなファンがみんなで支えているからでしょうが、ヒット曲がないからこそ飽きられずに続けているということもあるかもしれません。なんか、うまく言えませんが、メディアに頻繁に取り上げられるわけでもないアーティストの新作を毎回楽しみに待っているファンがいっぱいいると考えると、世の中も捨てたもんじゃないな、と思います。
この曲は、モワっとした何とも言えない雰囲気ですが、大貫さんのファンの人によると「非常に大貫妙子らしい」曲だそうです。たしかに亜美さんの世界ではないですね。ボーカルは亜美さんで、大貫さんがコーラスなのですが、聞き終わるとなんか大貫さんが歌ってかとも思えるような世界です。
「NEW LIFE」 with 高橋幸宏
作詞:高橋幸宏 作曲:尾崎亜美 編曲:小原礼
ゲスト:高橋幸宏
高橋氏と小原氏が高校時代からの知り合いとか。この曲では高橋氏がボーカルを取ってますが、作曲が亜美さんとは意外。というのも、パッと聞くとてっきり高橋氏が作った曲かと思いましたので。この曲では、ドラムも高橋氏ですが印象としては「切れがいい」という音です。このアルバムでは、沼澤氏、真矢氏、山木秀夫氏、高橋氏と4人の名ドラマーの演奏が聞けるわけでそれぞれ特徴があって、なんと贅沢な作品なのでしょう。ついでに言えば、小原氏も叩いてますから合計5人分のドラムですか? 亜美さんはサビのボーカルとコーラスで大活躍してますが、エンディングのコーラスがかっこいい。なお、この曲は小倉氏がギターです。
「手をつないでいて」
作詞 作曲 編曲:尾崎亜美
この曲だけゲストは無しで、全て亜美さんの世界。普段は車で聞くことが多いのですが、これを書くために自宅で深夜にヘッドフォンで聞くと、また違った味わいがあります。というか、ボーカルの細かい味わいまでわかって、「あ、こんな曲だったっけ?」と思ってしまいました。このアルバム自体は、比較的ドライブに適してますが、この曲だけはじっくり静かな場所で聞きたいですね。
なお、25周年記念コンサートではラストのラストがこの曲でした。たしかに名曲です。
「北京ダック」 おまけVersion
作詞 作曲:細野晴臣 編曲:尾崎亜美・小原礼
最後は北京ダックふたたび。ただし、細野氏のボーカルは無しで、パーカッションの浜口氏がアコギを弾き、小原氏がカクテルドラムを担当。大昔のSP盤を聞いてるようなエフェクトで、ノイズの中から聞こえてきます。その名の通り、本当のおまけバージョンですね。
それこそ多彩なゲストを迎えてバラエティ豊かな曲を聞かせてくれるアルバムです。次回作は是非全編亜美さんの世界で埋め尽くすアルバムを発表して欲しいと思うのは私だけではないでしょう。とりあえず、それまではこれを聞きな
がら待ちましょう。
<2002年2月記>
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