
司馬徽 |
端州は硯の産地でその値段は目が飛び出るほど高かった。その州の知事は朝廷に一定量を貢物として納めていた。 |
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さあ、今年は硯を五百つくってくれ。 |

前任者 |

職人 |
は?
朝廷に納めるのは五〇ではありませんでしたか? |
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つべこべいうな!
わしの言うとおり作っておればよい! |

前任者 |
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端州の知事になったものは規定量より多く作らせ、余った硯は自分の物にしていた。
余った硯をを何に使うかというと・・・・ |
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今度は中央の要職にぜひお願いします。これは心ばかりの贈り物です。 |

前任者 |

属吏 |
ほう。端州の硯ではないか。これほどの高価なものを頂くとは・・・。
よろこんで口ぞえさせていただこう。 |
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よろしくお願いします。 |

前任者 |
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余った硯は賄賂に使っていたのだった。
そして、そこへ包拯が新知事として赴任してきた。 |
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包拯 |
むむ。朝廷への貢物は五〇でよかったはず。なぜ、五百も作っておるのだ? |
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へい。
前任の知事様の指示で作っております。 |

職人 |

包拯 |
そんなに作っても余るだけだ。
必要な分だけ作ってくれ。 |
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はい。
(これはいい物を作らなければ!) |

職人 |
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結局、包拯が赴任している間は余計なものは作らせなかった。
そして、包拯はその行政手腕を認められ転任することになったが、ついに端州の硯を自分のために作らせることはなかった。 |
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今時のお役人には珍しく、清廉なお方だったなあ。 |

職人 |