
司馬徽 |
懸案であった契丹問題が解決し、真宗は都に戻った。
それからというもの、折に触れて真宗は寇準の功績を称えていた。 |
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朕がこのように無事に居られるのも寇準のおかげじゃ。
あの果断、豪胆、剛直、素晴らしい人物じゃ。 |

真宗 |
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こうなると、面白くないのは金陵に逃れるように進言した王欽若である。
寇準が誉められるたびに自分の勇気のなさを指摘されているようであった。 |
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王欽若 |
むう。何か、良い手はないかな・・・。
おお、この手で行ってみるか。 |
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王欽若は真宗と二人だけになったとき、寇準を讒言した。 |
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王欽若 |
陛下はバクチをご存知ですか? |
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ははは。
王欽若よ。馬鹿にするな。私はそこまでお坊ちゃまではないぞ。 |

真宗 |

王欽若 |
それでしたら、私の例えがお判りいただけますな。
バクチで負けが続き、もはや元手がなくなりそうになった時、残りの財産をすべて賭けることを『孤注』といいます。 |
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ふむ・・・・。
王欽若よ。何が言いたいのじゃ? |

真宗 |

王欽若 |
つまり、セン淵で寇準殿は陛下を『孤注』として賭けに出たわけで陛下のことなど考えていなかったのです。 |
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そうであろうか? |

真宗 |

王欽若 |
陛下。戦場の恐ろしさをお忘れになったのですか? |
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恐ろしかった・・・・。 |

真宗 |

王欽若 |
寇準殿はあの戦いに敗れても故郷に逃れてひっそり暮らすこともできましょうが、陛下は違います。
つまり、寇準殿は失うものが少なく、陛下はすべてを失う状況だったのです。 |
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むむむ。
そう言われてみると、寇準は口うるさいだけの男かも知れぬ・・・・。 |

真宗 |

王欽若 |
(しめしめ。うまくいったぞ) |
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この日から、真宗はしだいに寇準を疎んじるようになり、ついには宰相を解任することになった。 |
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