智の館
呂蒙正3


司馬徽
横流し騒動


登場人物紹介

太宗
宋の二代皇帝。
太祖の弟。兄の遺志を継ぎ中国を統一した。

呂蒙正
若い時に副宰相へ抜擢される。
後に宰相に就任した。




司馬徽
創業の混乱が収まり、徐々に宋王朝による政策がようやく軌道に乗りかけた時の事・・・

密偵
陛下。
河南省で水運に従事している者で国の積荷を横流ししているものがいるようです。
むう。
法の抜け穴をくぐろうとする者はネズミの穴と同じで到底押さえきれるものではない。特に目に余るものを排除するだけにせよ。

太宗

密偵
ははっ。
少々の荷物を盗むものがいても公務を妨害しない限りは厳しく追及するな。まずは官の荷物が滞りなく運ばれることが第一なのじゃ。
太宗

呂蒙正
陛下のおっしゃる通りでございます。昔からこのように申します。
『水清ければ魚住まず』
人間も厳しすぎれば人が寄ってきません。
だいたい、小人どもの腹の内など、君子にはすべて読めるもの。大きな度量で包み込むことで万事治まります。
うむ。
太宗

呂蒙正
昔、漢の曹参が『牢獄と市場を慎重に治めよ』と言っております。
その理由は牢獄と市場のような正邪を併せ持つ場所で管理をあまりに厳しくすると姦人は身の置き場が無くなり反乱を起こすというものです。
陛下のお言葉は無為自然の統治を理想にする『黄老の術』と合致するものです。




司馬徽
創業時の不安定な時代ならではの措置といえるな。
安定するまで小さな悪には目をつぶり出来るだけ早期に安定期に導く。為政者の要諦と言えるのう。
うむ。
じゃが、安定期に入ったら厳しく取り締まり、正直者が馬鹿を見ない国にしなければならぬ。これらは、それまでの暫定処置と言えるのう。

飛覇帥

司馬徽
よいぞ、よいぞ