智の館
竇儀1


司馬徽
宰相の条件


登場人物紹介

太祖
宋の建国者。初代皇帝。
酔いつぶれているところを皇帝に祭り上げられる。

趙普
太祖の腹心。
宰相として太祖、太宗の二代に仕える。

竇儀
学士。
歴史を深く知る人物。
また、先見の明もあった。




司馬徽
太祖は宋王朝の発足にあたり年号を定めるため、宰相の趙普に命じた・・・・

太祖
趙普よ。我が、宋王朝の年号を定めようではないか。
改元にあたり、今までに使われた事のない年号を決めてくれ。
御意。
しばらく考えさせて下さいませ。

趙普

太祖
うむ。頼むぞ。
それから数日後。趙普は新しい年号を上奏した。
『乾徳』はいかがでしょうか?
私が知る限り、この年号は使われておりませぬ。

趙普

太祖
うむ。それでいこう。
それから、時は流れ、乾徳三年
宋は蜀を平定した。
太祖は平定した国の王を殺したりせず、開封に招いて厚遇していた。
ある日、太祖は蜀の宮女が持っていた銅鏡に目を止めた。

太祖
むむ。
すまないが、その鏡をわしに見せてくれぬか?
この鏡がなにか・・・?
宮女
その鏡には『乾徳四年鋳る』と記されていた。

太祖
むう。
すまぬが、ちと、この鏡を貸してくれ。
はあ、はい・・・・
宮女

太祖
おーい。
だれか、学士の竇儀を呼んでくれ。
突然のお召し。
なんでございましょう?

竇儀

太祖
この鏡のことじゃ。わしは趙普に今まで使われていない年号をと命じたのだが、蜀の宮女が持っていたこの鏡には『乾徳四年鋳る』となっておる。
どういうことであろうか?
前蜀の王衍の時に『乾徳』という年号は使われておりまする。
おそらく、その鏡はそのときに作られた物でございましょう。

竇儀

太祖
なるほどのう。
はあ・・・・(深い溜息)
宰相はやはり、読書人でなければなあ・・・




司馬徽
このエピソードはその後の文官優位の社会体制になるきっかけになった出来事として知られておる。
趙普は実務では果断で素晴らしい人物であったが、学には乏しかったようじゃ。
なるほどのう。
組織を治めていくには学も必須なのだなあ。

飛覇帥

司馬徽
よいぞ、よいぞ