智の館2
論尊師伝 第3章


司馬徽
教育係の重要性


登場人物紹介

太宗
唐の2代目皇帝。
2代目といってもぼんぼんではない。父の代わりとして中国各地を転戦し唐の中国統一の最大の功労者。
兄と弟が自分を殺害しようとしていたことを知ると先手を打ってこれを討ち、父親を幽閉して皇帝の座につく。
長い中国の歴史の中でも屈指の名君として必ずその名は挙げられ、その治世は『貞観の治』と呼ばれ後世の手本とされた。




司馬徽
貞観八年。太宗は左右の家臣に語って言われた。

太宗
上智の人は自然に悪に染まる事は無い。中智の人はきまりがなく、教えによって善にも悪にも変化するものだ。まして、太子の教育係は古来からその人を選ぶのを困難だ。
周の成王は幼少であったから、周公と召公が教育係となり、左右に仕える者もみな賢人であり、日々、正しい教訓を聞いたから仁義の徳を増して聖君となることが出来たのである。
一方、秦の始皇帝の子の胡亥は趙高を教育係とし、趙高は胡亥に刑法を教えた。だから、胡亥が即位するや功臣を誅殺し、親族を殺し、残酷暴虐はやむことが無かった。そのため、間もなく滅んだ。
だから、人の善をなし、悪をなすのは近習の人によることがわかる。
私は太子・諸王のためによい教育係を選び、礼儀法度を見習って益があるようにさせたいと思う。
そなたたちは正直で忠信の人を捜し求めて、各自が二、三人を推挙して欲しい。
御意。
大臣




司馬徽
後継者の教育の重要性は言うまでもないのう。教育係の知識だけではなく、人間性も重要じゃという事じゃな。
そうですね。
子供は何でも吸収しますから、立派な人格者を教育係に置けば立派な人格者になる事になるでしょうね。

鏡秋雪

司馬徽
よいぞ、よいぞ

琵琶侍
拙者。琵琶侍じゃぁ。
♪オレは李世民〜。中国屈指の名君さ。天下泰平守るため、教育係が大切だって、言うじゃなぁ〜い〜♪
べぇぇーん、べべぇぇーん
(琵琶の音色)。
おや、ひさしぶりですねぇ〜。
鏡秋雪

琵琶侍
でも、出来上がったのは病弱の李治で、しかも則天武后の尻に敷かれちゃってますから〜〜!
残念〜っ!
唐太宗、斬りっ!
う〜ん。たしかに教育って難しいですね。いい御両親なんですけどねえ。
(流し目)

鏡秋雪

飛覇帥
俺を見るな!俺を!






原文
第三章
貞観八年、太宗、侍臣に謂ひて曰く、上智の人は、自ら染まる所無し。中人は恒無く、教に従ひて変ず。況んや太子の師保は、古より其の選を難んず。成王幼少なりしとき、周召、保伝と為り、左右皆賢に、日に雅訓を聞き、以て仁を長じ徳を益し、便ち聖君と為るに足る。
秦の胡亥は、趙高を用ひて伝と作し、教ふるに刑法を以てす。其の位を嗣ぐに及びて、功臣を誅し、親族を殺し、酷暴、已まず。未だ踵を旋らさずして亡ぶ。故に知る、人の善悪は、誠に近習に由るを。朕、今、太子・諸王の為めに、師伝を精選し、其れをして礼度を式瞻し、裨益する所有らしめんとす。公等、正直忠臣なる者を訪ひ、各々三両人を挙ぐ可し、と。