|
漢、晋の世より諸王はみな早く太子を立ててあらかじめ分限を定めなかったために、帝位を望んで滅亡にいたりました。
世の人主はそのようになる事をよくよく知っておりました。ただ、個人的な愛情に溺れ早く太子を定めなかったのです。
今、諸王のうちに手厚い待遇の恩を受けることが甚だ過ぎるものがございます。
私の愚かな考えはただ、恩を頼んで威張る事を心配するだけではございません。
昔、魏の曹操は曹植をかわいがり、引き立てました。曹操の死後、曹丕が後を継ぐと曹植を厳重に閉じ込め獄中の囚人と同様でありました。それは曹操の恩愛を受けることが甚だ多かったから、帝位を奪われるのではないかと恐れていたのであります。
その上、皇帝の子は富貴でないという心配がありません。その身は大国を賜り領内の戸口も少なくありません。美しい衣服やうまい食物のほかにさらに何を求める必要がありましょうや。そして、毎年特別に賜り物を加える事に制限がありません。
ことわざに『貧乏な人は倹約を学ばずとも自然に倹約になり、富貴な人は贅沢を学ばずとも自然に贅沢になる』とありますが、学ばずとも自然にそうなることを言ったものであります。
今、陛下は聖人の徳をもって王業を始められました。ですから、何もただ現在のご子弟を処置するだけではあってはなりません。ぜひとも長久の法を制定して万世の後も遵守実行させるべきでございます。 |

馬周 |