智の館2
論択官 第1章


司馬徽
官僚のあり方


登場人物紹介

太宗
唐の2代目皇帝。
2代目といってもぼんぼんではない。父の代わりとして中国各地を転戦し唐の中国統一の最大の功労者。
兄と弟が自分を殺害しようとしていたことを知ると先手を打ってこれを討ち、父親を幽閉して皇帝の座につく。
長い中国の歴史の中でも屈指の名君として必ずその名は挙げられ、その治世は『貞観の治』と呼ばれ後世の手本とされた。

房玄齢
当初から太宗に従い、帷幄の中にあって策をめぐらし太宗をよく補佐した。秦王府十八学士の冠首とされる。唐の諸制度も杜如晦との名コンビで作り上げ、貞観の治の立役者の一人といってよい。




司馬徽
貞観元年。太宗は房玄齢に語った。

太宗
政治をなす根本は才能をよく量ってその人に適する職を授け、官員の数を省く事に努力すべきである。だから、書経に『官に任ずるには、ただ賢才のみを用いるようにせよ』と、言い。また、『官は必ずしも備えず欠けていてもよい。ただ、その官にふさわしい人があれば任ぜよ』と、言っている。
孔子が管仲をを批判して『役人の仕事を兼任させなかった。どうして、倹と言えようか』と言っている。
官吏は善い人物を得れば少なくとも不足はない。不善な人物であればたとえ多くとも役に立たない。だから、古人も官にふさわしい才能のある人物を得ない事を地に書いた餅が食べられない事に比しているのである。
そなたはこの道理をよく考えて、もろもろの官の員数を定めるがよい。
御意。
房玄齢
房玄齢は官僚の人数を検討し六百四十三員と定めた。
太宗はその意見に従った。

太宗
今後、楽人や雑類の者たちがその技術が仲間たちより越え勝っていたとしても、その者たちには銭や絹を賜ってその技能を賞すべきである。順序を飛び越え官爵を与え、朝廷の立派な君子たちと肩を並べて立ち、同席して食事をし、多くの貴人たちに恥ずかしい思いをさせてはならないぞ。
御意。
房玄齢




司馬徽
官僚組織というものは自己防衛のために肥大化していくものじゃ。太宗のような心構えがあれば不要な官僚は居なくなるのじゃが・・・・現実はどうかな?
うむ。
確かに適任の者を見つけてから官を任ずるのは理想だが、現実はそうはいかないな。少しでも適材適所に人員を配置するのが為政者としての役割という事かな。

飛覇帥

司馬徽
よいぞ、よいぞ

琵琶侍
べぇぇーん、べべぇぇーん
(琵琶の音色)。
おい!うるさいぞ。
まさか、3回目の登場にしてネタ切れか?

飛覇帥

琵琶侍
べぇぇーん、べべぇぇーん
(琵琶の音色)。

鏡秋雪
なんですか。騒がしい。
おお、久しぶりの日の光!
飛覇帥

鏡秋雪
こんな狭い空間で、男と二人きり・・・・そういう趣味だったんですか?

飛覇麗
ばきっ、ぼきっ(指を鳴らしている・・・)
そんなわけなかろう!
琵琶侍!お前もなんか言え!

飛覇帥

琵琶侍
切腹っ!

鏡秋雪
トカゲの尻尾きりですね。
ひどい事を。
愛人の琵琶侍を死に追いやるとは・・・・。

飛覇麗
たりゃああああ!
誤解じゃ!
はう
ううううう・・・・・・(ぶちっ)
(飛覇帥、天守閣から落下!)

飛覇帥






原文
第一章
貞観元年、太宗、房玄齢等に謂ひて曰く、理を致すの本は、惟だ審かに才を量り職を授け、務めて官員を省くに在り。故に書に称す、官に任ずるは惟だ賢才をせよ、と。又云ふ、官は必ずしも備へず、惟だ其の人をせよ、と。孔子曰く、官事、必ずしも摂せず、焉んぞ倹と称するを得ん、と。若し其の善なる者を得ば、少しと雖も亦足らん。其の不善なる者は、縦ひ多きも亦何をか為さん。古人も亦、官に其の才を得ざるを以て、地に画きて餅を為すも食ふ可からざるに比するなり。卿宜しく詳かに此の理を思ひ、庶官の員位を量定すべし、と。
玄齢等是に由りて置く所の文武官、総べて六百四十三員とす。太宗、之に従ふ。因りて玄齢に謂ひて曰く、此より儻し楽工雑類、仮使、術、儕輩に逾ゆる者有るも、只だ特に銭帛を賜ひて以て其の能を称す可し。必ず官爵を超授して、夫の朝賢君子と肩を比べて立ち、坐を同じくして食ひ、諸の衣冠をして以て恥累と為さしむ可からざるなり、と。