智の館2
納諌 第5章


司馬徽
後世の手本になる行動を


登場人物紹介

太宗
唐の2代目皇帝。
2代目といってもぼんぼんではない。父の代わりとして中国各地を転戦し唐の中国統一の最大の功労者。
兄と弟が自分を殺害しようとしていたことを知ると先手を打ってこれを討ち、父親を幽閉して皇帝の座につく。
長い中国の歴史の中でも屈指の名君として必ずその名は挙げられ、その治世は『貞観の治』と呼ばれ後世の手本とされた。

韋挺
若い時から太宗の兄(建成)と親しかった。
玄武門の変の後、流刑にされていたが、王珪の勧めにより官職に復帰した。




司馬徽
韋挺がある時、政治の得失について意見書を出した。太宗は韋挺に書を賜って言った。

太宗
そなたの意見書を読んだがこれは極めて正しい善い言葉で言葉の筋道がなかなかよく出来ている。私はこれを読んで非常に慰めに思っている。
昔、斉の国境での戦いの時、管仲は桓公を射て帯金に当てた罪があった。しかし、桓公は管仲を重用して疑うことをしなかった。管仲の行動は犬が飼い主でないものに吠えるようなもので、その志には二心がないと桓公には判っていたのだ。
そなたの深い誠意はこの意見書に見ることが出来る。もし、この節義をまっとうするなら長く善い誉れを保つであろう。もし、これを怠れば惜しむべきである。
精励してこの精神をまっとうし、善い手本を将来に示し、後世の人が今の世を見ることが、我々が古代の善き教訓を見るのと同じようにさせるべきである。それはなんと立派なことではないか。
私はこのごろ自分の過失について聞くことがなく、欠点について見ることがなかった。幸いにもそなたが真心を尽くして善い言葉を進め、私に注ぎかけてくれた。これは誠に賞賛に値することである。
恐れ入ります。
韋挺




司馬徽
魏徴や王珪、そしてこの韋挺と、太宗は最初は敵であった人物を多く側近に迎えその意見に耳を傾けた。そして、善い意見を出してくれた時には賞賛し、さらに意見を出してくれるように励ましたのじゃ。
なるほど、ここまで徹底するとは素晴らしいのう。それにしても、太宗の話した管仲と桓公の例えは何度も聞いて耳にタコが出来そうじゃな。
飛覇帥

司馬徽
よいぞ、よいぞ

鏡秋雪
韋挺の顔グラフィックって前回なかったんじゃ・・・・。
うるさいのう。細かいことを気にするな。
飛覇帥

鏡秋雪
まさか、次の章も読まずに、こいつは1回しか出ないと高をくくってたとか?
ちゃんと読みましょう!
@反省
(ウルティマオンラインのコマンド)

飛覇帥

鏡秋雪
短期殺人カウント20
長期殺人カウント26です。
そ、そうだったのか。俺!
飛覇帥






原文
第五章
太常卿韋挺、嘗て上疏して得失を陳す。太宗、書を賜ひて曰く、上る所の意見を得るに、極めて是れトウ言にして、辞理、観る可し。甚だ以て慰と為す。昔、斉境の難に、夷吾、鉤を射るの罪有り。蒲城の役に勃テイ、袂を斬るの仇たり。而るに小白、以て疑と為さず、重耳、之を待つこと旧の若し。豈に各々主に非ざるに吠え、志、二無きに在るに非ずや。卿の深誠、斯に見はる。若し能く克く此の節を全くせば、則ち永く令名を保たん。如し其れ之を怠らば、惜しまざる可けんや。勉励して此を終へ、範を将来に垂れ、当に後の今を観ること、今の古を視るがごとくならしむべし。亦美ならずや。朕、比、其の過を聞かず、未だ其の闕を覩ず。頼に忠懇を竭くし、数々嘉言を進め、用て朕が懐に沃げ。一に何ぞ道ふ可けんや、と。