智の館2
納諌 第2章


司馬徽
たゆまぬ努力


登場人物紹介

太宗
唐の2代目皇帝。
2代目といってもぼんぼんではない。父の代わりとして中国各地を転戦し唐の中国統一の最大の功労者。
兄と弟が自分を殺害しようとしていたことを知ると先手を打ってこれを討ち、父親を幽閉して皇帝の座につく。
長い中国の歴史の中でも屈指の名君として必ずその名は挙げられ、その治世は『貞観の治』と呼ばれ後世の手本とされた。

裴寂
当初は隋に仕えていたが、高祖と親交があり挙兵の時、行動を共にした。高祖が即位の際は尚書左僕射に上り、さらに司空に進んだ。
後に罪を侵し静州へ流された。




司馬徽
貞観三年。太宗は司空の裴寂に語った。

太宗
このごろ、上書して事を上奏するものがあるが、その数は非常に多い。私は上書の全てを部屋の壁に張り付け出入りのたびによく読んでいる。
このようにして努力を怠らないわけは臣下たちの気持ちを充分に尽くさせようと思っているからだ。
ひとたび、良い政治によって治まった世を作り出そうと思うと夜中まで眠れない事もある。
そなたたちも心を用いる事に倦み飽きることなく私の心にかなうように期待する。
御意。
裴寂




司馬徽
太宗は部下たちが出してきた提案書の全てに目を通し、部屋に張ることによって常に意識をさせるようにしたのじゃ。
うむ。今でも壁貼り管理とかするのう。いつも目にすることによって意識が高まり、やる気が出るものもあるからな。
飛覇帥

司馬徽
よいぞ、よいぞ

鏡秋雪
飛覇帥さん用に一つ部屋を作りました。ご覧ください。
ほう。見せてもらおう。
飛覇帥

鏡秋雪
どうぞ。こちらです。
なんじゃこりゃ!部屋中に『禿』という紙を貼り付けてあるだけではないか!
飛覇帥

鏡秋雪
くっくっく。
現実を自覚しましょうね。
貴様〜!
斬首っ!

飛覇帥

鏡秋雪
元斗猛天掌!
(って知ってる人いるんかいな)
うわー。わしの正宗が折れた(>_<)
またしても、怪しげな技を使いおって(涙)

飛覇帥






原文
第二章
貞観三年、太宗、司空裴寂に謂ひて曰く、比、上書して事を奏する有り。條数甚だ多し。朕総て之を屋壁に黏し、出入に観省す。孜孜として倦まざる所以は、臣下の情を尽くさんことを欲すればなり。一たび理を致さんことを思ふ毎に、或は三更に至りて方めて寝ぬ。亦、公が輩、心を用ふること倦まず、以て朕が懐に副はんことを望む、と。