
司馬徽 |
隋末では官僚同士であった李靖と高祖は仲が悪かった。 |
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李靖 |
(この優柔不断の女たらしが。まったく気に食わん奴だ) |
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(なんじゃ、こいつの目は。わしを馬鹿にしておるな) |

高祖 |
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隋末の混乱によって国内が騒がしくなると、李靖は高祖が独立しようとしていることを知った。 |
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李靖 |
むむむ。このままでは長安が危ない。陛下にお知らせしなければ! |
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李靖は急遽、煬帝に直訴するために旅立った。しかし、一足先に高祖は長安を攻略し、李靖を捕らえた。 |
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いいざまだな。李靖。
戦勝祝いだ。こいつの首を斬れ! |

高祖 |
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李靖は死を覚悟して大声で叫んだ。 |
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李靖 |
貴様が義兵を起こしたのは国家の混乱を収めようとしてのことだろう。
それなのに大事を成そうとしないで、私怨によって壮士を斬るのか! |
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むむむ。 |

高祖 |
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李靖殿はまれにみる国士でございます。助けてあげてください。 |

太宗 |
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ふむ。こやつの処置はお前に任す。 |

高祖 |
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ありがとうございます。 |

太宗 |
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李靖はその後、太宗の右腕として国内統一に活躍した。
そして、太宗が皇帝の座につくと大臣を歴任し、その後、唐にとって難敵であった突厥に戦いを任された。
李靖は鮮やかな戦略・戦術によって突利可汗を降伏に追い込んだ。 |
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李靖 |
ふっ。
残るは頡利可汗だな。 |
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頡利可汗は李靖に恐れをなし、降伏の使者を朝廷へ送った。 |
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お許しいただけるなら、一族すべてを引き連れて降伏いたします。 |

使者 |

太宗 |
ふむ。
そうは言っても、急に我々を信頼できないだろう。
唐倹。そなたがこの使者と共に頡利殿のもとに向かい、よく諭してくれ。 |
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御意にございます。 |

唐倹 |
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李靖はそのいきさつを聞いて、しばらく考えたあと、副将に言った。 |
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李靖 |
唐倹殿が頡利可汗のところに到着すれば敵は必ず警戒を緩めるであろう。
そこを、我らの精鋭騎兵をもって襲撃すれば勝利は間違いないぞ。 |
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お言葉ではございますが、陛下は頡利可汗の降伏を許し、勅使である唐倹殿を向かわせたのです。
これを襲撃するのはまずいでしょう。 |

副将 |

李靖 |
これこそ、戦いの好機である。時期を失してはならない。
出撃するぞ!唐倹の身など知ったことか! |
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一方、そんなことを知らない頡利可汗は唐倹の到着を大いに喜んだ。 |
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よく、来て下された。ゆっくり、くつろいでくだされ。 |

頡利可汗 |

唐倹 |
これはどうも。 |
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酒宴の途中でなにやら、外が騒がしくなった。 |
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何の騒ぎだ! |

頡利可汗 |
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あんた。唐軍が攻めてきたんだ!早く逃げて! |

妻 |
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これが、唐のやり方か! |

頡利可汗 |

唐倹 |
陛下はこのようなことをする人ではございません。 |
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こんな奴の事はどうでもいいから、さっさと逃げるんだよ! |

妻 |
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すまん。 |

頡利可汗 |
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頡利可汗は馬に乗って逃げ出した。 |
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李靖 |
ちっ。一足遅かったか。
追え! |
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待ちな! |

妻 |

李靖 |
ふっ。
健気だな。しかし、女といえども容赦はせぬ! |
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ぐぇぇ |

妻 |
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こうして李靖は十数万人を捕虜にして突厥を滅亡させた。さらに逃亡した頡利可汗は別の集落で捕らえることに成功した。 |
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その知らせを聞いた太宗は非常に喜び、大臣たちに向かって言った |
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太宗 |
私はこのような言葉を聞いたことがある。『君主が憂い悩めば臣下は自分の恥辱と思い、君主が恥辱を受ければ臣下は命を捨ててその恥をすすぐ』と。
昔、わが国が創業の頃は突厥が強大で押さえる事ができなかった。私の父は人民のためにやむを得ず突厥に対して臣下の礼をとった。この屈辱に対して私は常に心を痛めていた。
突厥を滅ぼそうと志し、座っても落ち着かず、食べてもその味が分からないほどであった。
それが、一部の軍を動かすだけで勝利をあげ、突厥の酋長たちは降伏した。
これで、我が父の恥を拭い去ることが出来ただろうか。 |
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皇帝陛下万歳! |

大臣 |