
司馬徽 |
太宗は玄武門の変で皇太子を倒し、皇帝の座についた。
皇太子の部下であった魏徴を呼び出し、詰問した。 |
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太宗 |
魏徴。たびたび、皇太子に私を殺害するように勧めていたそうだな。
我々、兄弟の仲を引き裂いたのは何故だ。 |
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太宗の厳しい態度を見て、その場に居合わせた人々は魏徴が殺されるのではないかと恐れた。 |
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(魏徴は死を命ぜられるかも知れぬな・・・。惜しい人物ではあるが・・・) |

房玄齢 |
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魏徴は意気盛んに平然と答えた。 |
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皇太子様がもしも私の言葉に従ってくださっていたなら、今日のような禍はなかったことでございましょう。 |

魏徴 |
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太宗はその言葉を聞き、敬意を表して態度を引き締めた。 |
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太宗 |
魏徴よ。諌議大夫に任じる。私に過ちがあった時は遠慮なく正して欲しい。 |
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太宗は魏徴を諌議大夫に抜擢すると共に度々、寝室の中にまで魏徴を招いて政治のやり方について問いただすようになった。 |
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魏徴はもともと、国家を治める才能があり、性格は剛直で恐れ怯むことがなかった。
太宗は魏徴と話をするたびにその見識を喜んだ。
魏徴は自分の真価を知ってくれた主に出会ったことを喜び、力の限りを尽くした。 |
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太宗 |
そなたが私を諌めたものは三百件ぐらいある。そのどれもが私の心にかなうものである。そなたが誠意を尽くして国に奉仕するのでなければどうしてこのようにできるだろうか。 |
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恐れ入ります。 |

魏徴 |

太宗 |
そなたが皇太子に仕えて私に敵対した罪は、管仲が斉の桓公を射て帯金に当てた罪よりも重く、わたしがそなたを信任することは桓公が管仲を信任したことよりも超え勝っている。
近代の君臣で、私とそなたのように気が合って信頼しあうことができた例が他にあるだろうか。 |
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誠に、恐れ入ります。 |

魏徴 |
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貞観六年に太宗は近臣たちと酒宴を行った。 |
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かつて王珪殿と魏徴殿は隠太子に仕えており、自分はこの二人を見るとまさに雄敵だと思っておりました。
それが今、このような宴会で杯を交し合う関係になるとは当時では思いもしませんでした。 |

長孫無忌 |

太宗 |
確かに魏徴は私の敵であった。しかし、彼が主人のために心を尽くしたことは褒めるに足るものがある。
私は魏徴を抜擢して用いた。これは昔の立派な君主に比べても恥じることのないものだ。
魏徴はいつも私が嫌な顔をしても、かまわずに強く諌め、私が悪いことをするのを許さなかった。これが、私が魏徴を重んじる理由である。 |
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