智の館2
政体 第10章


司馬徽
人民たちを安楽にするには


登場人物紹介

太宗
唐の2代目皇帝。
2代目といってもぼんぼんではない。父の代わりとして中国各地を転戦し唐の中国統一の最大の功労者。
兄と弟が自分を殺害しようとしていたことを知ると先手を打ってこれを討ち、父親を幽閉して皇帝の座につく。
長い中国の歴史の中でも屈指の名君として必ずその名は挙げられ、その治世は『貞観の治』と呼ばれ後世の手本とされた。




司馬徽
貞観九年。太宗は大臣たちに語った。

太宗
以前、隋の都である長安を平定したとき、宮中には美女や珍しい品物であふれていた。それなのに煬帝の心はまだ足らないとして、重税を取り立てるのをやめず、東に西に遠征をして武力を使い尽くし、理由のない戦争によて武徳をけがした。
人民たちは重税や戦争の苦しみに堪えきれず、隋はついに滅亡した。
これは全て、私自身の目で見てきたことである。だから、朝早くから夜遅くまで努めて怠らず、ただ欲望を少なくし、世の中が穏やかで平和によく治まることを願った。
その結果、土木工事のための力役は興らず、穀物は豊熟し、人民たちは安楽に暮らすことができるようになった。
国を治めるということは樹木を植えるのと同じである。根もとが動かなければ枝葉が繁茂する。
これと同じように君主が無欲であれば人民の生活が安定しないわけがあるだろうか。
御意。
大臣




司馬徽
これも君主の贅沢を戒める話じゃ。君主は自分の欲望を抑えて人民のためを思って政務を行わなければならんのじゃ。
うむ。
わしも不必要な事業や贅沢をつつしみ、人民の負担を軽くしてあげるように心がけよう。

飛覇帥

司馬徽
よいぞ、よいぞ
『宮中には美女や珍しい品物であふれていた』か・・・。品物はともかく、美女は欲しいのう・・・。
飛覇帥

鏡秋雪
美女は国を傾ける恐れがありますから駄目ですよ。
ほう。たまにはまともな事を言うのう。
今日はギャグはなしか?

飛覇帥

鏡秋雪
美女の代わりにある女性を献上いたします。

老婆
乱太郎!お前は乱太郎だね!こんなに大きくなって・・・
いや、わしは乱太郎では・・・・
飛覇帥

老婆
お黙りっ!乱太郎!
乱太郎ネタはもうやめい・・・(涙)
飛覇帥






原文
第十章
貞観九年、太宗、侍臣に謂ひて曰く、往者初めて京師を平げしとき、宮中の美女珍玩、院として満たざるは無し。煬帝は意猶ほ足らずとし、徴求已む無し。兼ねて東西に征討し、兵を窮め武を黷す。百姓、堪へず、遂に滅亡を致せり。此れ皆、朕の目に見る所なり。故に夙夜孜孜として、惟だ清静にして天下をして無事ならしめんと欲す。徭役興らず、年穀豊稔し、百姓安楽なるを得たり。夫れ国を治むるは、猶ほ樹を栽うるが如し。本根、揺がざれば、則ち枝葉茂盛す。君能く清静ならば、百姓なんぞ安楽ならざるを得んや、と。