
太宗 |
過去の帝王たちの歴史を見ていると盛あれば衰がある。朝があれば夕暮れがあるようなものだ。
帝王が滅びるときは皆、臣下が君主の耳目を覆い隠してしまうために、君主は自分の政治の善悪を知ることができない。忠正の者は口を閉ざし、奸臣たちが君主の周りを取り囲むようになる。こうなってしまっては君主が自分の過失を知ることができないのだから国家が滅亡してしまうのは当たり前のことだ。
私は宮中の奥深くに居るようになってしまったから、天下で起こっている事を全て知ることができない。だから、私の耳目としての役割をそなたたちに分担してもらっているのだ。
今、天下は安定しているからといって、安易に思ってはならない。書経に「君が徳をもって人民を愛すれば、民もまた君を敬愛する。君が無道であれば民は離反するから恐るべきものである」という言葉がある。天子というものは立派な道徳を持っていれば民衆は推し戴いて君主とする。しかし、天子が無道であるなら民衆はその地位を奪って捨てて用いない。
本当に恐るべきものである。 |
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