智の館2
政体 第6章


司馬徽
治り際が肝心


登場人物紹介

太宗
唐の2代目皇帝。
2代目といってもぼんぼんではない。父の代わりとして中国各地を転戦し唐の中国統一の最大の功労者。
兄と弟が自分を殺害しようとしていたことを知ると先手を打ってこれを討ち、父親を幽閉して皇帝の座につく。
長い中国の歴史の中でも屈指の名君として必ずその名は挙げられ、その治世は『貞観の治』と呼ばれ後世の手本とされた。




司馬徽
貞観五年。太宗は会議の席で重臣たちに語った。

太宗
病気は治ったと思ったときこそ、ますます大事に養生しなければならない。もし、治り際に思うがままにふるまえば命を落とすことになるだろう。
国家もこれと同じだ。天下が少しばかり落ち着いてきた時こそ気をつけなければならない。もし、軽はずみにわがままな振る舞いをすれば必ず滅亡にいたるだろう。私はいくら、立派だと賛美されても、まだまだ立派だとは考えていない。
しかし、自分の耳や目や手足としての役割はすべてそなたたちを頼りにしている。だから、私とそなたたちは一つの身体と同様である。どうか、力を合わせ心を一つにして欲しい。
もし、私の行動でこれは危ないと思うことがあったら隠さずに諌言して欲しい。
君主と臣下がお互いに疑いあい充分に心のうちを打ち明けることができなければそれが国家を治める上で大きな害になるのだから。
御意にございます。
大臣




司馬徽
ここでは二つのことが語られておるのう。国家の運営は安定し始めた時こそ注意しなければならない。君主と臣下は一心同体でなければならない。という二点じゃ。
なるほど。そうですね。
でも、あんな君主じゃねぇ・・・。
司馬徽さんもそう思うでしょ?

鏡秋雪

司馬徽
よいぞ、よいぞ

飛覇帥
彗星だぁ。
いや、彗星はもっとぶわあぁっとなっているもんな。ぶつぶつ。
鳳凰幻魔拳の効果はまだ続いているようだ・・・・(笑)







原文
第六章
貞観五年、太宗、侍臣に謂ひて曰く、国を治むると病を養ふとは異なること無きなり。病は人愈ゆるを覚ゆれば、弥々須く将護すべし。若し触犯有らば、必ず命を殞すに至らん。国を治むるも亦然り。天下稍安ければ、尤も須く競慎すべし。若し便ち驕逸せば、必ず喪敗に至らん。今、天下の安危、之を朕に繋く。故に日に一日慎み、休しとすと雖も休しとすること勿し。然れども耳目股肱は、卿が輩に寄す。既に義、一体に均し。宜しく力を協せ心を同じくすべし。事、安からざる有らば、極言して隠すこと無かる可し。儻し君臣相疑ひ、備に肝膈を尽くす能はずんば、実に国を治むるの大害為るなり、と。