
司馬徽 |
貞観四年。太宗は会議の席で蕭ウに尋ねた。 |
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太宗 |
隋の文帝とはどのような君主であろうか? |
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私欲に打ち勝ち、礼に従い、よく勤労して政治を思い、ひとたび政務をはじめると日が傾くまで政治に打ち込みました。
また、五品以上の臣を座席近くに招いて事を論じました。
その性質は仁慈賢明ではございませんが、政務に勤め励んだ君主でございます。 |

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太宗 |
ふむ。そなたは、その一を知って、二を知らぬのう。 |
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むむ。
それはどういうことでしょうか? |

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太宗 |
隋の文帝は細かいことまでよく調べるけれどもその心は明るくない。心が暗ければ相手の心を照らし通じることができない。また、孤児と寡婦を欺いて天下を得たので群臣が心の中では服従していないのではないかと疑っていたために仕事を任せることをせずにすべて自分で決断したのだ。
だから、心を疲れさせ肉体を苦しめて努力しても、全てが道理に合うことができなかったのだ。
臣下たちもそんな文帝の心のうちを知っていたからあえて直言しようとせずに、ただ、文帝の命令に従順だったのだ。 |
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なるほど。 |

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太宗 |
私の考えは文帝とは違う。
広い天下のことであるから種々様々な事件に応じて変化して適応すべきだ。だから、多くの役人に任せて協議させ、宰相に対策を立てさせるべきである。
どうして、一日に万もある重要な政務をただ一人の考えで裁決することができるだろうか。さらに、一日に十の案件を裁決すればそのうち半分は理にかなわないものだろう。月日を重ね幾年にもなるとこの食い違い、誤りが多くなってしまうだろう。
これでは国が滅亡して当たり前だ。
だから、政務は広く賢良に任せて、私は賢良たちの働きを見守るほうが間違いが少ない。法令が厳粛ならば誰が非を唱えるだろうか。 |
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なるほど。ご賢察恐れ入りました。 |

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太宗は全員を見渡して言った。 |
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太宗 |
みなの者、聞いて欲しい。
もし、私の命令でおかしな点があれば道理を守って意見を言って欲しい。
私の考えだからといって、そのまま命令を施行するようなことだけはしないで欲しいのだ。 |
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