2007年度札幌マックセミナー 依存症援助職職員研修

「動機づけ面接技法とは」

2007113日 札幌市

原井宏明  札幌マック住谷健次郎

はじめに

司会:これから原井先生の動機づけ面接についての講演に移っていただきたいと思うのですけれども,私が原井先生と初めてお会いしたのは,実は仙台でした。その時,私自身もこういったマックという施設で仕事をしていまして,ある意味行き詰まっていたことも何回かあったのです。こっちが熱を込めて話せば話すほど相手がクールになってしまうと。どっちが援助職でどっちが相談者なんだか,援助職の方が熱くなってしまうということがあって,結局それでうまくいかない。そういうことがありまして丁度,原井先生の動機づけ面接の講演を聴くことが出来まして,これはと思いまして今回,原井先生も色々お忙しい中,無理してお時間を取っていただいてわざわざ北海道まで来ていただいたという次第です。それでは原井先生,お願いします。

原井:菊池病院の原井と申します。実は北海道の方には色々縁がありました。学会などもありますし,それから今日は北海道からよく私の菊池病院の方に研修に来ている北海道医療大学の心理士,学生さんも来られてまして,何となくなじみの顔の方も沢山あります。そういう意味ではわざわざ来たと言いながら,なんか懐かしい感じが致します。今,丁度講演をいただいた田辺先生の話を引き継ぐような,それが実際の形でどうなるかというのをお示しできればと思います。1時間でまず大雑把なところをお示しして,午後に色々エクササイズをします。午前中はテストと,デモンストレーションを1回したいと思います。今,資料の中でまずやって欲しいことがありますので,そこから入りましょう。

Helpful Responses Questionnaire

資料に「Helpful Responses Questionnaire B菊池版」というのがあるかと思います。今日のワークショップはまず動機づけとは何か,ある特定のやり方をするとかえって抵抗を生むということを理解していただくことは目標の一つです。今,住谷さんが,こちらが力を入れれば入れるほどかえって空回りしてしまうというお話をされました。そういう抵抗があるということは,アンビバレンス,すなわち矛盾があるわけです。自分はこうしたい,一方で逆のこともしたいと。人間ですから気持ちが色々2つ3つ4つあるわけです。それが全て同じ方向を向いていたらわざわざここまで相談に来たりしません。アルコールの場合で言えば,今のまま飲み続けていたい,一方このまま続けていくとやっぱり健康にまずいし,周りからもプレッシャーがかかってくるという2つの力がかかっていて,その間が矛盾しています。矛盾しているということを周りから指摘された時に,抵抗の原因になります。そして今,目指している方向のベースは,クライエント中心療法なのですが,具体的にどうすればいいのかというところをお話ししましょう。やっぱりこれは技術ですから,スキルトレーニングしないとできません。言うだけでそれができるのだったら,まるでアルコール依存症の人にこうすれば酒が止められるよと言われて,それだけで止めることを期待するのと同じです。皆さんがカウンセラーとして,クライエント中心療法を使おうと思うなら練習する必要があります。その練習の具体的なメニューを持っているのが,動機づけ面接の特徴です。少しロールプレイをやってみようと思います。そして最後に,今までと違うコミュニケーションの方法を身につけていただこうと思います。エクササイズメニューをまとめたものと,講義の流れを示したものがあります。本日の資料や価値観並べ替えカードをまたどこかで使いたいという時には私のHPをご覧になって下さい。動機づけ面接のページの中にあります。

まず皆さんがどの程度できるかということをチェックしたいので,こちらの2枚の紙の「Helpful Responses Questionnaire」を出してください。この目的としては,動機づけ面接のスタイルが,さっき,クライエント中心療法のようだと言いました。では基本的に大事な条件である共感とはどうすればいいのでしょう。まずはクライエントが共感してもらった,あるいはもらえそうと思えるようなひとことから始める必要があります。そのひとことを相談者の例文を読んでカウンセラーと書いていただくというテストです。その共感の深さをチェックさせていただきます。これを色んな施設あるいはワークショップの時間を借りて行ってきました。今週はちょっとスペシャルなウィークで,多摩精神保健福祉センターでワークショップを2日間して,昨日,熊本家庭裁判所で調査官対象にやってきました。営林署でもこれをやってみて,営林署の反応はすごく面白かったです。結構悩んでいる人がいたりして,「一緒に酒を飲めば解決する」とか,それから娘の色々で心配している母親に対して「子離れができとらん」とか,はっきり書いてあったり,「警察に行け」とか書いてあります。そういうズバリ書いてしまうのもなかなか素直で良い,と思いました。相手のためになりたいという気持が伝わるのです。でも,カウンセラーを目指そうと思う方の場合だったら,そういうのはたぶん無いと期待しております。それを書いていただいて,集めさせていただいて,他と比較をしてみようということを考えておりますので,後で回収させていただきます。これはあまり真剣に考えすぎないで,パッと言われてパッと答えるという感じでいきましょう。私が読んでいく順で書いていってください。皆さん紙をお持ちでしょうか。面接の場面で相談者が話しそうなことを6個の文章にしています。6人が話をしてくるわけです。それぞれの文章に対して,あなたが知っている人,例えば患者さんとか同僚とかを思い浮かべて,その人が自分の問題を話している場面を想像してください。あなたは当然,相手を援助したいと考え,相手に役に立つような答えをしようと思っています。最初に発する答えを一言書いてください。

ではよろしいでしょうか。まず1番目からいってみましょう。私も一緒に書いていって,後で私の方ともチェックをしてみたいと思います。

1 Helpful Responses Questionnaire B 菊池版

面接の場面で人が話しそうなことを6個の文章で示しています。それぞれの文章に対してあなたが知っている人,例えば患者や同僚などを思い浮かべ,その人が自分の問題を話している場面を想像してください。あなたは相手を援助したいと考え,できるだけ相手の役に立つような答えをしようと思っています。それぞれの文章を良く読み,どのような一言を最初に発すれば良いか考えてください。相手の話の後を聞いてすぐにあなたが話すべき,相手の助けになるような最初の一言を書いてください。話は短くしてください。12文,2行までにとどめてください。

1. 41歳の女性が次のような話をします:

この間,姑が電話をかけてきて妹(夫の実妹,小姑)のところが大変だから家のことを手伝え,というのです。妹が旦那と喧嘩して,実家に帰ってきた,部屋の整理がついていないから,私に手伝えというのです。長男の嫁だからと。すぐには都合がつかないので,後でかけ直します,といって切ったのですが,それから電話が恐くて。姑はあれしろこれしろ,夫が体調崩したのは私のせいだとか言うのです。でも,言い返すと10倍言われるし,恐くてたまりません。

2. 36歳の男性がつぎのような話をします:

うちの会社は人使いがめちゃくちゃです。朝になって突然,出張に行けというんです。一人ならいいですけど,仕事の性質上どうしても二人で行かなければなりません。誰と組み合わせになるか分からないと考えると気が気でないです。一緒に行く相手が理解のない上司だったりしたら,体調が良くないときにも何にも言えません。今週は内勤で一人仕事だからよかったんですけどね。来週からどうなるか。

3. 15歳の女子中学3年生が次のような話をします:

友達がつらくて,学校を休んだとき,話を聞いてあげられなかった。リストカットしたときに一緒にいてあげられなかった。友達がどんどんひどくなっていくのを見ていて自分は無力と思う。他のみんなは自分のことで一杯一杯で友達のことを考えていられないみたい。友達が他の同級生から悪口をいわれているのを聞いて,“そんなことないよ”と言ったら,私が友達にこびを売っている,みたいに思われて。仲間にいれてもらえなくなった。リスカしている友達も前みたいに皆で仲良くしたいと言っているし,自分もただ皆で仲間はずれとか考えないでしゃべれたら,いいのにと思う。

4. 35歳の親が次のような話をします:

娘はもともとは明るくて,よく勉強し,親にもいろんなことを話してくれる子だったのに。最近は笑わないし,夜も眠れないみたいなんです。世話好きな子なんですが,それが友達に利用されていると思います。人の悪口を言うんじゃないんですが,タバコを吸ったり,繁華街に行くような友達とは普通の同級生ぐらいのつきあいにしなさいと娘に話しているんです。でも,聞いてくれません。高校受験のこともあるし,余計なことは考えてほしくないのです。娘も本心では良い高校に行きたいのです。

5. 53歳の男性が次のような話をします:

確かに同窓会の後,飲み過ぎました。でも,家でいろいろあって。娘が働かないで家からでないのですが,鼻の整形手術を受けたいというのです。家内と娘が喧嘩になり,家でのストレスが強いんです。今月はお金が足りないとか家内から言われると,飲まないとやっていけません。普段の会社の誘いはことわっているのですが,この間の同窓会だけは,何年に1回のことだからと飲んでしまいました。

6. 49歳の工員が次のような話をします:

仕事がはかどらなくて周りに迷惑をかけています。若い人が多い職場でつぎつぎやめていきます。若い人に仕事を教えても辞めていくし。自分も嫌になってきました。でも年齢があるから,今の仕事やめても次の仕事はみつからないし,妻も理解してくれないし,もう行き詰まってしまいました,地震で亡くなった人のこととかあると,どうせなら自分がそうなればよかったと良く思います。

こういう相談があったときに一言どう答えますか。一言でこの人が助かって,すっぱり先生有難うございました,みたいなことはないので,このあとこの人が共感をしてもらったと,自分のことをもっと話が出来る,解決の方にいけるかなぁといような気持ちになるような最初の一言を書いてください。

色々内容が沢山ありますが,その部分のどこを拾って共感するかになります。では次にいきましょう

いかがでしょうか。書けました?また皆さんの反応が後でどうなるかをチェックしますが,とりあえずこれで回収させて下さい。どう答えたかというのをちょっと聞いてみましょうか。もしくは私がどう答えたかというのを書きましょうか。どっちがいいですか?私も今,答えて書いているわけで,前から準備をして私だけズルをして前から正答を書いているわけではありません。これは正しい答えがひとつしかないようなものではありません。共感するポイントというのは沢山ありますから,どこを選んで,どういう風に答えるかという答えはたぶん何十種類とあるでしょう。ただ答え方によってはクライエントさんの話が,続きやすくなるもの,それで終わってしまうもの,話が深まらないで表面的に流れてしまうものがあるだろうということです。

表 回答例 原井の場合

1. 41歳の女性:

今こうして話している間はいいけれど,自宅に帰ると電話のベルひとつでもびりびりする感じなのですね。

2. 36歳の男性:

上司に業務の仕方や体調について配慮して欲しいと言いたいことがある,一方でそれを言うのははばかられるのですね。

3. 15歳の女子中学3年生:

友達のことをずっと考えていて,でも,どうしてあげていいのか,わからない,自分にはなにもできない,と思うのね

4. 35歳の親が次のような話をします:

娘さんの様子が変わってきて心配なのですね。そしてそれは友達のせいだと思っておられる

6. 49歳の工員が次のような話をします:

もう,先が見えない,このまま生きていくより,さっと人生を終えたい,と思う。

自分はこう書いてみたのだけれども,これで良かったのだろうかと,今,見てもらいたい人いますか?では,私のと並べてみますね。書いていただいたのは,「我が儘で困ります」と。私だったら,「今こうして話している間はいいけれど,自宅に帰ると電話のベル一つでもビリビリする感じなのですね」。どっちがいい?そうですね,原井がいいと言っていただいてありがとうございます。

何が違うと思います?はっきりと違うんですけれども,どこが違うでしょう。

女性:押しつけちゃったかな

原井:そうですね。答えを最初に出しちゃいましたね。“我が儘で困ります。”当然ですよね。それからお手伝いしましょうと。すごく親切でいいのですが,たぶん何度かやり取りした後に出てくるならこれでいいのでしょうけれど,一番最初のひとことの言葉としては,本人の立場になって話をするより先に自分の意見を伝えてしまったということになりますね。では,次の問題を,別の方にお願いします。

次の方は,「来週は憂うつですね。よい上司が一緒だったらいいですね」と。私が書いた方は,「上司に業務の仕方や体調について配慮してほしいと言いたいことがあると。一方でそれを言うのははばかられるのですね」。どっちがいいかな?皆さんどう思います。皆さんどう書かれたかな?どう感じます。どっちがいいだろうか。これも悪くないですよね。悪くはないですね。決して押しつけてもいないし,希望を相手に伝えているみたいな感じなんでしょうかね。一方,私のやったのはどんな感じだと思います。

女性:辛い面を具体的に共感しているなと思う。

原井:具体的な答えでしたね。具体的なんですけれども,具体的だっていうのを具体的な部分,どの辺がどう具体的だと思います?

女性:ここにレジュメに書いてある業務の仕方とか,体調について配慮をしてほしいと言っていたので,それが言えないというのを書いていたので,そういうところが載っているので具体的かなと思いました。

原井:そうなのです。本人は結構話が長いけど,私がこれをまとめてみました。本人の言葉の中に,正確にその言葉はないんです。「人使いがめちゃくちゃです」とか書いてあるわけです。「体調が良くないときに何も言えません」まではあるのですけれども,本人の希望はどうも何とかしてくれてと上司に文句を言いたい,文句を言いたいけれども,どうもこれは言えない理由が本人の側に何かありそうです。それを聞かずに本人から言いやすいように言ったわけです。こう言ったら,体調のことなど本人が言えない理由をたぶん詳しく言い始めるはずです。やっぱり言いたいのだけれども,このことを言うと誤解されるし,やっぱりちょっと言いにくい,でもやっぱり言わないとやっていけないし,どうしようかというふうに,ここの葛藤が出てくるようになります。それがどなたかが書いたように「来週は憂うつですね。よい上司が一緒だったらいいですね」とすると,割とあっさり目に,「そうですね」と言って終わって続かなくなる可能性がありますね。はい,上司さえ良ければいいのですと。転勤してもらったら別の上司に変わったらいいのだけれどもという話になって,本人が何故こういうことを言えないでいるのかというところが出てきにくいことになります。

3番目,これも多少微妙な違いですけれども,私の書いた方は「友達のことをずっと考えていて,でも,どうしてあげていいのか,わからない,自分にはなにもできない,と思うのね」と。

男性:この無力感について,具体的に先生の方は述べているかなという印象を受けました。

原井:具体的にどう違うと思いますか?これは言葉で足してあげると同情と共感の違い。上はどちらかというと同情。何故,同情になってしまうかというと,仲の良かった友達が離ればなれになって辛い。私達,その同情というときに使うのは,社会的に誰でも認められるような理由や状況を述べているときに同情というふうに使うのです。仲の良かった友達が離ればなれになれば誰でも辛いということですが,ちょっと表面的です。例えば昨日,私は熊本から出てきて東京に1泊して,それから朝6時40分の飛行機でこっちに来ました。“わざわざ九州から”というのは,誰が聞いても大変だなと思うような出来事を話したとき,「大変ですねえ」と返せば同情というふうになります。社会的に誰もが認めてくれるようなものは同情といいます。一方,私の書いた方は本人の個人的な気持ち,誰でもみんな感じるようなことではない本人の個人的な気持ちを言葉にしたというところです。そうすると,どちらがより共感された気になると思いますか?

男性:個人的にした方が共感になると思います。

原井:誰からでも言われないような,本人の個人的な部分を拾うことは,センスがあると言えばセンスだけれども,丁寧に一つ一つやって,目の前の人の気持ちを拾っていくということができたらいいわけです。一方,同情が悪いと言っているわけではありません。最初から本人に「こう思え,ああ思え」という場合だと本人は,はね除けてしまいますが,同情からスタートするのは私たちにとって容易い言い方だと思います。例えば,私が熊本から来ましたと。熊本からはるばる来ていただいて大変でしたねというのは社交辞令的でごく普通の言葉で悪くはないです。しかし,それだけでずっとカウンセリングが終わってしまったら深まらないことになります。

ではもう一つ午前中にしておきたい宿題がありますので,これもやっておきましょう。ワークのうちになりますが,皆さんのお手持ちの紙の中で,「今の自分の生活について振り返ってみましょう」という紙があります。これは午後からのエクササイズで使うので,皆さんのこれから自分で変えたい部分,何か気になる部分というのを一言書いてください。もし書ききれなかったら,これからお昼休み中に考えて書いておいてください。7つ輪があります。それぞれの領域について自分を変えたいこと,これから何かをしたいという部分を書いていただき,その次のページを見ていただくと,それぞれについてそれがどの程度自分に重要であるのかを書き入れます。それから実際にその通り実行できる自信があるのかどうか,というのを書く欄があります。今日アンビバレンスというのが人間の色々な抵抗であったり,難しいことであるとお話をしました。先程の場合でいえば,例えば36歳の男性ですね。自分の体調とか職場に人の使い方について業務の命令について考えほしい,言いたいことが上司にある,これは重要性が高いわけです。本人にとって大事なのです。誰と組み合わせて働くのか,場合によってはこのまま内勤にしてほしいとか言いたいし,重要性があるわけです。一方それを言う自信がないから困っているわけです。両方とも自信もあるし言う勇気があれば最初から困ってないわけです。こんな風に大体人間,物事がうまくいかなかったり,自分の思うようなことが叶わなかったりするのは自信と重要性との関係が一致していないことが大きな理由のひとつです。ということで,書くところがあります。皆さんの中で,もちろん実際にもうサッサと出来ていることがあってもかまいませんし,これはやっぱり当分無理だよなと,特に禁煙なんかのように自信はない,しかし止めなくてはいけないこと,あるいはダイエット,運動など,考えていることを一言選んで書くようにしてみてください。

ではこの間に住谷さん,デモンストレーションの準備をさせていただきましょうか。まだ書いてらっしゃる途中だと思いますが,昼休みの宿題にさせていただいて,デモンストレーションを一回やって,午前中はこれで終わりにしようかと思います。デモンストレーションですが,金魚鉢練習というふうにいいます。舞台と椅子三脚ということで,上がって見えるところにいかないと皆さんに少し不便です。それから皆さんには,面接する様子をよく聞いていただきます。それを書く用紙というのもありますが,ちょっと説明をします。会場をこの真ん中で分けて,こちらは一所懸命クライエントさん側の方を聞いて,こちらはカウンセラーさんの側を聞く,これから私と住谷さんとで,まず住谷さんにカウンセラー役をしていただいて,次に私がするという風にしますので,どんなところが違うかということをよく観察して聞いてほしいと思います。先程Helpful Responses Questionnaireを書いていただいてように,共感のレベルがどうか,表面的な同情であったり,指示をしてしまったりしているのかを聴いてください。そしてクライエントさん側の発言では,カウンセラーに抵抗しているか,それとも自分から止めていこうという発言が増えてきたかどうかを見ていただきたいと思います。

ちょっと簡単に自己紹介をしていただいてよろしいでしょうか。

住谷:私は札幌マックの住谷と申します。宜しくお願いします。今日はよくいらしてくださいました。

原井:先にどんなクライエントさんか,それを一言紹介してください。

クライエント:私は40歳です。

原井:どういう状況でここに来ているのか?一番わかりやすいのは,病棟の看護師さんでいらっしゃるから,たぶん病室の中で今もちろん飲んではいないし,入院している患者でしょうからね。入院していて禁酒というか強制的な禁酒ですが,お酒は抜けていますね。40歳で,男性で入院何回目?

クライエント:5回目です。

原井:入院5回目で,今日で何日目ぐらいですか?

ライエント:今はもうすでに1ヶ月ちょっと経っています。

原井:1ヶ月経っている。そうするともうそろそろ退院も考えなくてはいけないと。

クライエント:病院の方向としては,先生とは入院期間3ヶ月というふうに言っていますので,もうちょっと時間があると思っていますけれども。

原井:今,入院されている状況についてお話していただくことなのですが,40歳,男性で現在入院が5回目で1ヶ月の入院で3ヶ月間のいわゆる久里浜方式の入院でおられると。後,家族とか奥さんとかといったところを。それから仕事はどうなりますか。

クライエント:家は父親と一緒に暮らしています。

原井:そうすると家族は,結婚はしていなくて。

クライエント:まだ結婚はしておりません。

原井:では,未婚で父親と一緒に暮らしている。仕事は。

クライエント:仕事は,前は父親の仕事をトラックの運転手だったのですが,そっちの方を手伝っていたのですけれども,最近はしていないです。

原井:そうすると一言でまとめますと,40歳男性で5回目の入院ですから,どうも30代若いうちからアルコール問題があって,まだ30歳前の頃は父親のしているトラックの仕事を手伝って働いていた。ところが30歳になってからは入退院を繰り返し,もう仕事の方もこの1・2年はしていない。結婚歴はなくて家族もお父さんと2人暮らし。お母さんもすでにいない。今回又,先月10月初めくらいに入院をして1ヶ月経ったというところで,これから今の入院についてどうするかということを受け持ちの看護師さんと話をするという感じでよろしいでしょうか。

クライエント:はい。

原井:では,そういう状況です。受け持ちの看護師さん宜しくお願いします。

住谷:こんにちは。1ヶ月ぐらい,もう入院して過ぎたのですけれども体調はいかがでしょうか。

クライエント:体調自体はもう離脱症状もないですし,元気です。

住谷:今,だいぶ落ち着いてこられたように見受けられるのですけれども,今何か心配事とか悩みとかはありますか。

クライエント:入院をして自助グループの方にも何回か行っているので,自分としては少し前よりは変わったと思っているのですけれども,うちに帰ったら父親がうるさくて,うるさくてしょうがないのです。今回の入院もお父さんが本当に,お父さんと喧嘩をして,又酒を飲んでしまったという感じで,お父さんがうるさくてしょうがないんですよね。

住谷:そうですか。お父さんも,たぶん色々と息子さんのことを心配して色々言ってくださっていると思うのですけれども,でもそれが気に掛かるみたいですね。でも,なんか前の入院とは違って自助グループに通って,自分は変わってきたと思うとおっしゃいましたけれど,どの点が自分で変わったと思われますか。

クライエント:少し僕は話すのが苦手なんですけれども,皆さんの話を聞きながら,少しですけれど自分のことを話しするようになったということかな。でも,お父さんが居なかったら僕はもう飲まないと思うんですけれどね。

住谷:だいぶお父さんのことがまだ色々とお悩みのことがあると思うのですけれども,お父さんはどの様なことをおっしゃっているんですか。

クライエント:もういちいち細かいこと,細かいことうるさい。とにかく,もうそんなことを言わなくてもいいのにと思うことを言ってくるので腹が立って,もうしょうがないんですよ。

住谷:そうですか。お父さんも色々ご心配のあまり色々なことをおしゃっていると思うのですけれども,今ちょっとおっしゃったように自助グループに通って,だいぶ自分のこともお話しするようになったし,自分のことも見えるようになってきたとおっしゃっていますが,どの辺が見えてくるようになりましたか。

クライエント:どのへん・・・。自分のこと話をしている。皆さんが話をしているから,僕も自分のことを話しているだけなんだけど,でも何かちょっと話をすると安心するような感じを持てるというふうに感じているだけで,ちょっとかもしれませんけれども,それが僕は変わったと思っているんです。

住谷:そうですか。前の時と安心感が出てこられたということですよね。なんかそれは,私にとっては大事なことのように思えるのですけれども。なんかそれが前とは違ったような感じなのでしょうか。

クライエント:断酒が必要だということは思っております。自分は断酒がしたい,断酒をすることは自分の人生には必要だというふうに思っているのです。いやーとにかくお父さんが居なかったら出来るんですよ。もう僕は完璧に断酒出来るんです。

住谷:そうですか。お父さんが変わってくれれば,うるさいことを言わなければ,お酒は止められると。

クライエント:そうなんです。もう全然なんでもないんですよ。

住谷:やっぱり,お父さんのことでお酒に自分が走ってしまうのだと。

クライエント:うん。

原井:詰まってきましたか?いつも,こんな感じですか?だいぶ上手に出来ました?

クライエント:あまり細かいことまで考えていなかったんですけれど,うまく出来たかどうかちょっとわからない。

原井:住谷さんとしては,いかがでしたか?

住谷:なんとか相手の肯定的な言葉を拾いながら,やって行こうと思ったのですけども,やっぱり引き込まれちゃいますね。

原井:ずいぶん一所懸命,共感しようとされていたようなのですが,普段はどうされているんですか,こういうときは。

住谷:正直に言うと,色々行き詰まったことはいっぱいあったので,でも田辺先生をはじめ色々教えてもらっていたので,何とかここまで来られたかなというところが正直なところですね。

原井:正直なところ,結果は出てきます?

住谷:近々お陰様で,うまくいくケースも出来ています。正直に言うと,20代の若い人に非常に行き詰まってしまったんですけれども,実は原井先生から仙台で教えてもらって,見よう見まねでやったところ,いい結果が2人,なんかこう出来たのです。それが私はうれしかったんです。

原井:有難うございます。こういうのを聞くと僕も嬉しいし,そうすると随分昔と比べると共感的な聞き方,今の場合でも本人を責めたりしないで,本人に合わせて聞いていくようなところがありましたけれど,いいところは認めるというところがありました。それが実際に結果に,特に若い人には出てきているということですね。

では,ちょっと私がどうやってみるかやってみましょうね。

もう一回,さっきの最初から続きのような感じでしましょうね。病棟で看護師さんとお話して,入院についてどう思うかというところでやってみるという感じでしょうね。

クライエントさんはそのままでいいですか。

原井:クライエントさん,入院生活どうですか。

クライエント:そうですね,1ヶ月経って,もう離脱症状もないですし,体の方も楽になりましたし,何回か看護師さんに言われて自助グループの方にも行きましたし,順調だと思います。

原井:今回入院5回目で,体調も今度もいいし,今度もいい入院だと。

クライエント:そうなんです。

原井:入院して良かったという感じ?

クライエント:入院して良かったです。先生とは3ヶ月というふうに言われているので。今はもう3ヶ月しないで退院しても,もうお酒を飲まないでやっていけるんじゃないかというふうに思っていますけれども。

原井:そうすると,今回5回目の入院で,今までずっと3ヶ月,3ヶ月だったんですよね。で,今回5回目。今度は1ヶ月でいいと?

クライエント:とにかくお父さんが居なければ,お酒を飲まないでやっていけるんです。

原井:とするとお父さんが居ると,このままだと6回目もたぶんあるだろうと?

クライエント:そう。うちに帰ればお父さんが居て,ちょっとしたことでもうるさく言うから,もう腹が立ってしょうがないんですよね。うちに帰ると。

原井:ではいままで入院してくる時も,これで今回5回目ですよね。そうすると,それはいつもお父さんが一言,一言,言う。それが入院の原因だと。

クライエント:それでお酒を飲んでしまうのです。それで腹が立ってお酒を飲んでしまう。お父さんが原因でお酒を飲むのだから,お父さんが居なければ僕はお酒を飲まないで生活をずっとやっていけるのです。

原井:じゃ,お父さんが悪の根源みたいな。

クライエント:うん。そう思います。僕は。

原井:早く,あっちに行ってくれというか,あの世に行ってくれみたいな感じ?

クライエント:あの世に行ってくれとは,そこまでは思わないけれども,でも・・。なんかうるさいことを言わなければ,僕は気持ちよく生活出来て,お酒なんか全然必要ない生活ができると思います。

原井:入院中は,ここだと体調もいいし,5回目でだいぶ慣れてきたし,お父さんの顔も見なくても済むと。ここだったらいい。家に帰ると,またお父さんの一言,一言があって飲んでしまう。

クライエント:そうなんです。

原井:で,早めに退院して,またお父さんの顔を見に行く?

クライエント:はい?

原井:今回,早めに退院したい?

クライエント:早めに退院したいというか,もう自助グループも行ったし,今,退院すればお父さんが居なければ,もうお酒を飲まないで全然やっていけます。

原井:あっ,お父さんは今いない?

クライエント:いえ,家に居ますけれども。

原井:そうすると,お父さんが居ると飲む。で,自助グループに行っている。今回1ヶ月で止められる・・・

クライエント:だから,お父さんが居なければお酒を飲まないでやっていけるんです。

原井:家に今,お父さんが居る・・・

クライエント:はい。

原井:早めに退院して家に帰る?

クライエント:先生との約束だから3ヶ月は居ますけれども,3ヶ月の居なくてもお酒を飲まないで僕はやっていけます。

原井:それは,早めに帰るというのはお父さんの顔を早めに見たいの?

クライエント:うーん,たしかに家に帰ればお父さんがいるから,うーん・・・・。お酒を飲まないこと自体は,僕は何も・・。父親が居なければ,僕はお酒を飲まない生活をそのままやっていけるはずなんですけどね。

原井:お父さん居るんですよね。

クライエント:います。もぅうるさくてしょうがないんです。ちょっと寝っ転がっているだけで,「そこ何をしているんだ。」とかって言って,もぅそれで喧嘩になるんですよ。して,もぅ腹が立ってその後お酒を飲むんですよね。

原井:それでまた今度の5回目の入院になったんですよね。そうすると寝ているだけで,家でゴロッとしているだけで喧嘩になり,それで入院することになると。

クライエント:はい。

原井:それで今度は早めに退院したい。

クライエント:早めに退院したいというか,もうお酒なしで,今の状態で僕はできると思います。退院したいというか,だから先生との約束だから3ヶ月は居ますけどね。

原井:3ヶ月経ったら,そこで退院をして家に帰りたい。家に帰って,お父さんと・・・

クライエント:それが悩みの種なんですよ。どうしたらいいんだろう?

原井:そうすると,3ヶ月後に退院するというのが分かっていて,自分でも今度は退院をしようと。3ヶ月後に,5回目だけど。家に帰ってお父さんと一緒にいるというのも分かっている・・・

クライエント:だからそこをどうしたらいいのかなぁ。別にお父さんをすごく嫌いだから失くしてしましたいとか,そういうことまでは思っていないんですよ。でも,お酒の原因はお父さんなんですよ。

原井:そういうことは,こういう感じかな。お父さんが,例えばあなたがゴロッと寝ていても「おまえ疲れているんだろう」といふうに言ってくれるようになったらいいということ?

クライエント:なるほど,お父さんがもう少し僕への言葉をもっと優しいとか,そういうふうになってくれれば,お酒を飲まないでやっていけるんですね。

原井:お父さんに変わってほしい?

クライエント:そうですね。お父さんが変われば,僕はもう全然大丈夫です。

原井:それだけであれば,父親が心を入れ替えて,なんか急に優しい愛情のある父親になったら,もう入院はない?

クライエント:無いと思います。あれ,うるさいんだよなぁ。

原井:なんか黙らせる方法があったら教えてほしい感じだよね。

クライエント:黙らせる方法あったらというか,お父さんに言ってくださいよ。

原井:病棟のスタッフの方から,お父さんにカウンセリングをやってほしいという感じ?

クライエント:それでお父さんが変わってくれれば,今までお酒で辛い思いをしてきたの無くなるのだから,そっちの方が全然いいです。

原井:お父さんさえという感じだね。

クライエント:そうです。

原井:お父さんのことだけ?

クライエント:お酒を飲む原因はお父さんなんですから。

原井:今のところあなたが気がかりなのは,入院は後2ヶ月と決まっているからこれはいいと。後はお父さんがどうなるか。お父さんに変わってほしいということ。そのことだけが,これからの問題?

クライエント:そうなんです。お父さんと,そうやってもぅうるさく言うから何かお酒も飲むし,うるさく言うからちょっと何か鬱っぽくなって生活が,なんて言うんだろう楽しくないし,そこでどうしてもお酒にいっちゃうんですよ。お酒がすごく大好きだとかそういうことは全くないです。

原井:そうすると,あなたの方には特別飲む理由は何もない。一方お父さんの態度が原因で5回も入院してきた。

クライエント:少しはあったかもしれませんけど,でも今の僕は自助グループに行ってるし,前の僕とは全然違います。

原井:前の入院,1回目2回目はそうでもないけど,今現在では自分のやるべきことはきちんとやっていると。後は父親だけの問題だと。何かもう,あのお父さん何とかしてくれという感じだよね。

クライエント:そうですね。

原井:じゃこれからは,まずお父さんのことだけですか。

クライエント:家に帰ったらお父さんが居ますからね。僕はこんなに変わったのに,お父さんは全然変わらないから,どうしてもやっぱり,そこからお酒にいままでいっちゃうんですよ。それで4回も入院させられて。

原井:じゃあもう,あの父親があのままでいる限り,また6日目7回目の入院もあるという感じですね。

クライエント:いやー,入院はもうしないです。

原井:というと?

クライエント:だって,僕自身はもうお酒を飲まないでやっていけるふうに変わったんです。だから父親がいるからなぁ。そこが困っている。

原井:そうですね。何かどうしたらいいか,なにかいいやり方があったら教えたほしいという感じ?

クライエント:うーん。でも,僕は変わったんですから,今まで父親のせいでお酒を飲んでいたけれども,僕自身は自助グループに行って変わったんだから,ある程度やっていけると思います。

原井:(クライエント)さん自信は完璧にアルコールのことも分かって,自分がそういうことが分かっていると。後はお父さんだけの問題だと。一方お父さん,そう簡単なことでは変わりそうではない感じなんだね。

クライエント:父親が変わるねぇ・・・。ちょっと難しいかもしれませんね。

原井:結構,頑固親父なんですね。

クライエント:そうですね。父親も酒を飲むんですよ。

原井:そうですか。もう手に負えないんですか?

クライエント:いや,酒を飲んで手には負えないというのではないけど,酒を飲むとまたさらにうるさくなるんですよね。そうしたらイライラしちゃって,僕。またちょっと少し鬱になったり,イライラしたりして,そうすると必ず僕がお酒を飲んでしまう。飲みたくなるんですよ。

原井:そうすると,お父さんはそう簡単に変わらないし,だいぶ年も取ってきているし,で言うことはいつも変わらないし,これで退院した後また言われたらまた気持ちも落ち込んで飲みたくなるという事ね。

クライエント:うん。

原井:あなた自身こんなに頑張っているのに,お父さんは全然変わらない。結局,飲むのも変らないということ。

クライエント:えっ?飲むのは変らない?

原井:あなたがね。お父さんが変らないから。

クライエント:お父さんのせいで,ですね。

原井:お父さんのせいで飲むのが止まらないという感じですね。

クライエント:大体,お父さんが原因ですね。

原井:じゃ,お父さんが居る間はこのままですね。

クライエント:うーん。そうですね。一緒に暮らしている以上は。でも・・。今の状況では離れて暮らすわけにもいかないです。仕事も,僕,してないし。経済的にもちょっと一緒に暮らすしかしょうがない。

原井:実際にはこういう時,父親とうまくいかない時,たしかに離れて暮らすとか,経済的に自立をして別々に一人暮らしをするとかという方法もある。一方,あなたにはそれは無理だということ?

クライエント:今,僕は仕事をしていませんから。しょうがないですね。

原井:そうすると仕事をするようになったり,自分で稼ぐようになったり,別の家に住むようになったら,もうちょっと展開は違うけれども,今のところはこのままだということ?

クライエント:うーん。そうですね。仕事して,父親と離れて暮らすんですか?うーん。そうですね。

原井:確かにね。で,離れて暮らすのも考えてみて有りかなということ?

クライエント:それも・・。僕が経済的に自立出来るようになれば,離れてやっていくことも選択肢としては・・・。父親が原因なんですからね。

原井:まぁ,あなたとしては,将来的には働いて,親とは別れて別々に暮らすようになると。それが一番大事だということね。

クライエント:それが一番大事だというか,とにかく父親がいなければお酒を飲まないのですから。

原井:そうすると,お酒を止めるためには父親と離れて暮らすということか。

クライエント:いずれは,そういう状況になればいいのかな。うーん。

原井:そうなるまで待つ?

クライエント:えっ待つ?

原井:そういう状況になるまで。

クライエント:あっ僕がそういう状況になるまでということか。そうですね。うーん,待つ,うーん。そうですね。お酒を止めるにはそういう状況になるのが必要なんだから,そうならなきゃいけないのかなぁ。お父さんを何とかしてほしい,と思ってたんですけどね。

原井:自分でもなんかするとこあるし,このままじっと待っているわけにもいかないし。まだまだ難しいけど,仕事も見つかればいいし,別々に親と離れて住めればいいということね。

クライエント:うん。だって僕自身はもうお酒を飲まないでやっていけるのですから。

原井:そうね。お父さんさえいなければ。

クライエント:はい。

原井:じゃ,お父さんと別れて暮らす方法を考える必要があるということ?

クライエント:そうですね・・・。

原井:どうしましょうか。離れて暮らすとか,将来の生活設計ということになったら,ここでこのまま話すよりもケースワーカーさんとも話して,またお父さんとも話して,経済的な支援が得られるかどうか相談することも出来ます。誰か他の相談相手と話をするか,あるいはお父さんも交えて別々の家を借りるかどうかとかという話も出来ますが,どうしましょうか?

クライエント:そんな。今すぐそんなことを言われたって。今すぐそんなこと出来ないですよ。

原井:じゃ,こういうふうな将来のこらからの生活の話はもう少し後に回す。今すぐはまだ早いということですね。

クライエント:うん・・。そんな急に生活をガラッと変えたら大変じゃないかなぁ。

原井:まだ,お父さんとこのまま生活するほうがいい・・

クライエント:もぅまたうるさいんだよなぁ。はぁ・・。

原井:お父さんと一緒に暮らすのか,それとも別々に住む方法を考えるのか,それこそもうちょっと時間が経つまで待つのか,それはあなたが決めることだから。

クライエント:うん,そうですけどね。でも,今は僕,分からない。

原井:わかりました。また明日話し合う時とか,もう少し時間がありますから,どういう考えで退院まで2ヶ月間ありますので,又その時教えてください。

クライエント:はい。

原井:よろしいでしょうか?

クライエント:はい。

原井:こんな感じでしましたが。どうでしょうか。まず,クライエントさんの感想。

クライエント:うーん,あの・・・・自分で思っていた,もうお酒飲まないでやっていけるとか,お父さんがっていうふうに,もう頭の中で凝り固まっていたのがちょっと困ってしまいました。困って,どうしたらいいんだっていうふうな状況に持って行かれました。

原井:意図的にやっています。一部直面化的でしたよね。私の方が。本人が逃げよう逃げようとする現実を私が言葉にしていくので,その意味では直面化なんだけれども,しかし本人の言葉をそのまま使っているから,反発できなかったでしょ?「何でそんなこと言うんだよ」という。最後に本人の言ったことが,これからどうするかを,あなたは家から離れて,親と考える必要があります,と僕がいきなり言ったら「あっ先生もか」となる。ところが順番を追って,本人の話についていきながら最後,「お父さんと別れて暮らす方法を考える必要があるということ?」と言って「そうですね」とうなずいてもらいました。

クライエント:実は反発しようと思ったんです。

原井:あとは本人の選択肢を提示しました。「お父さんと一緒に暮らすのか,それとも別々に住む方法を考えるのか,もうちょっと時間が経つまで待つのか・・」と。

クライエント:どう答えようか,考えるのはまだ先でもいいか,といろいろ考えました。でも結局自分自身の問題と思うほかなかったです。(聞き取り不可能について,想像で追加)

原井:はい,有難うございました。こんな感じでした。一旦ここで休憩に入りたいと思います。先程書いていただいた,質問・・・集めさせていただきたいと思いますが。・・。

住谷:ただ今から午後の部に入っていきたいと思いますけれども,その前に主催が札幌マックとなっていますけれども,札幌マックの方は今,説明させていただきますと,状況を報告させていただきますと,今,男性の方はグループホームを2つ持っていまして,5名5名のグループホームです。合計10名の入所施設を持っていまして,通称でもって全部で20何名の枠で,今20名近くぐらいで毎日グループセラピーとか色々な行事をやっているのですけれども,今中にいる人は男性の方は,20代から60代でやっています。中にはアルコール依存症と薬物依存所とギャンブル依存症の方が来ています。後ろの方に田辺先生の書かれているギャンブル依存症ですとか,もう一つ来ていますので,うちの施設で大変参考にさせていただいているいい本ですので,是非ともご購入の方宜しくお願いします。それから原井先生の今日の動機づけ面接のDVDがあるのですけれども,私もそれ,一回仙台でデモンストレーションを見させていただきまして,大変興味を持ちまして,すぐにインターネットで購入をしたんですけれども,中身は1時間弱ぐらいなんですけれども,何回もデモンストレーションの部分で,振返り傾聴法ですとかチェンジトークですとか,そういう部分が何回も繰り返して見ることができるということで,大変勉強になりました。それも是非とご購入の方,ご検討をお願いしますということです。

女性:少しずつ少しずつ自分にとってはアルコール薬物とはどの様な物であったのかというところを本当に自己洞察の中で,自分自身の状態を見つめていって,仲間の話を通して自分の状態に気づいていくっていうことの繰り返しをやっております。男性のマックの方は,もう出来て27年目ぐらいに入りました。女性の方は平成12年に専門家の方が立ち上げました。それで私は平成14年から当事者スタッフということで引き継いで現在に至っております。現在は,やっぱり物質に限らず行動依存と言われる摂食障害とかギャンブル依存も含めたクロスアディクションも含めて,行動依存だけの人も繋がってきます。それで物質依存と摂食障害のクロスアディクションは,グループホームを始まって第1号の方がそうでしたので本当に格闘でした。動機づけ面接技法なんていうものではなかったですね。摂食障害の経験がないので本当に苦労しました。経験があるとか無いとかは言っていられないということで,本当に私も専門家の所に方に行きながら,依存症という病気の部分で,やっぱり自分の経験も通してやっていくということが,成功はしなかったんですけれども,そのクライエントにはいい経験をさせていただいたなというのは実感があります。その後,一番考えたのはギャンブル依存の方が来た時です。私はもう腹をくくったというか,生き方を変えるお手伝いなら出来るので一緒にやってみませんかということで受け入れました。その方も今日,お手伝いに来ているのですけれど,つい3・4日ぐらい前から仕事に行っています。とっても嬉しいですね。そういうふうなこともあります。やはり私も原井先生に出会ってから,随分クライエントの会話が自分自身でも少しは変ってきたかなと。私は,これ性格上の問題で欠点なんですけれど,やっぱり否定してしまうのです。それは良くない,あれも良くない,これもしなさい,あれもしなさい,と。でも今は,相手の本当にちょっとした,クライエントが肯定的なことを話したり考えたりすることを本当に引き出し,引き出し,そこからどうしようというふうに一緒に少しでも考えられるようになったかなということで感謝いたしています。本当に私自信もそうでしたけれども,どんなにひどいクライエントでも今どうすればいいのかっていうのは一緒に話していく中で,ちゃんとご本人が見いだしてくれるというのが,とってもいいのです。じゃ自分で言ったことなんだから「さぁやりましょう」と言ったって,素直にやってくれるという状況もあります。私以下2人の女性のスタッフ,マックでは珍しいんですけれども,覚醒剤から立ち直ったスタッフとずっと古くから一緒にやっているスタッフと,本当に今ちょっと落ち着いているのかなと。落ち着いていると恐いんですけれども。そういう感じでやっております。それと今日は専門家の方,関係者の方がほとんどいらしてくださっているわけですが,これからも本当に,本当に私なんですけれど馬鹿な当事者スタッフでございますので,どうかご支援のほどと,ご指導のほど宜しくお願いします。相談に行きましたら,どうぞ相手をして下さい。宜しくお願いいたします。

司会:それではもう一つ,今日のこのセミナーの講演として色々,今日もそこでモニターでやっていただいています北海道ダルクさん。

ダルク 森:こんにちは。北海道ダルクの森と言います。講演といっても,そこでやっているだけなんですけれども。北海道ダルクは3年3ヶ月ぐらい前に北海道で始まって,現在はNPO法人北海道ダルクが運営するグループホームリボンハウス,そこは男性のみの7名の定員で,それから地域活動支援センター北海道ダルクというのが10名定員の去年まで作業所でしたけれども,今年は地域活動支援センターというふうに変りました。自立支援法の影響を受けて,あっちへ引きずり回され,こっちへ引きずり回され,の毎日です。自立支援法にいいことは一つもなかったという感想しかないですね。ダルクは,アルコールも薬物というふうに考えて薬物依存症の回復支援施設なんですけれども,現在は25が一番若いのかな。そして59歳という仲間がいます。16年間入院していたと言っていましたね。その59歳の仲間は。ダルクでやれてないかというと人一倍元気で,人を振り回すぐらい元気に料理を作っているんです。だから不思議だなと思います。あと最近困ったなと思うのは,回復というか生活保護の担当の方達が,仕事=回復というふうに認識されているような気がして,「仕事を早めにしなさい」とか,「なるべく生活保護を早く切りなさい」というようなことをはっきりとは言わないですけど,ほのめかすというか,そういうふうに伝わっていくので本人達が焦り出すというのがあるのです。それが困ったなとしか言いようがないですね。僕もそこでそんなことを言わないでくれと言いづらいですしね。難しい問題です。弱者なので沢山方達に沢山の善意をもらいながら,何とか生き延びているのが現状なので宜しくお願いします。有難うございました。

司会:では引き続きお願いいたします。

原井:ではまた引き続きワークショップをさせていただきます。今,画面を流しているのは,今丁度,紹介していただいた「動機づけ面接の訓練」DVDでございます。これは後ろの方で販売をしております。何か大変参考になったということを聞いて,私もとても嬉しいし有難うございます。使っていただいて,これで変ったという報告を今聞いて,これもまた嬉しい話です。熊本のダルクの所でも少しデモンストレーションをさせていただき,あの時の印象がたぶん強くあったんだとは思うんですけれども,やっぱり2種類あります。「良いのはわかったんだけれど,やっぱり出来ない」という反応と,それから「やってみて実際クライエントさんの反応が変ってきて,自分から言ってくれるようになった。言ってほしいと思っている言葉を相手の口から聞けるようになった」と。で,相手の口から出てきたものは,相手が当たり前ですけれど良くやってくれる,という経験を積まれてくる。そこから段々覚えていかれますので,どんな物でもそうだけれども,自分の手で,自分でやってみて覚えた物がやっぱり一番身に付きます。ですからここからの部分が僕にはどうしようもないところで,後はたまたまということになるかもしれません。クライエントさんが反応してくれたという状況も合ったんだと思いますし,もちろんそれをサポートしていただける,そのマックの雰囲気もあったんだと思います。なかなかこういう動機づけ面接のスタイルは,見た目は当然こちらが言うべき事とかやらせるべき事というのが分かっている時に,それを言わない,押さえておく部分が必要です。周りのスタッフの方が「何故そこで先生,こう言わないの」とか言われることがあります。そういう雰囲気で働いていると,そっちの方に引っ張られて,流されてしまいます。そういった雰囲気がマックの方にはなくて,クライエントさんを重視する,尊重するということができる環境があったんだと思います。良かったなと思いました。段々,難しい例とか,一歩行ったけど次とか,それから一辺止めたんだけれども又戻ってくるとか,そういうことが人間の人生何回でもあるので,それは今後もあると思います。

さて午前の質問の私の回答例です。もう回収してしまったので,自分の書いたのを覚えていらっしゃらない方もいると思いますが,一応こういう聞き返しを本人の部分でしていくと,ということです。解説だけすれば,これがベストで他の物はダメだという意味ではありません。もっともっといい回答があると思います。これも35歳親の話でしたけれども,「娘さんのことで色々考えて」これでもいいと思いますし,「心配してらっしゃると,心配なさるのは当然です。娘さんの明るさを取り戻したいんですね」,それから「真剣に心配してらっしゃるんですね」。基本的に共感されているのでとても良いと。さすがに「子離れをしなさい」と書いてあるのは無いですね。さっき言った林野庁の中には「今頃の娘はそれぐらいするよ」とか書いてあるのもあったんですけれど,そういうのも無いですね。無回答というのも。そして「親の思いを話すのではなく,娘さんの気持ちをゆっくり聞いてあげてください」という,こういうアドバイスはよくあります。これもどう評価するかですが,私の回答の「娘さんの様子が変わってきて心配なのですね」と,ここまでは当然,誰でも考える所です。「そしてそれは娘の友達のせいだと思ってらっしゃる」と。ここは,はっきりそうは言ってないけれども,このお母さん,娘の友達が悪いからこうなったんだと思って他人のせいにしていますね。さすがにそれを言うのはまずいかなと,お母さんは内心は思っているので,それをそのまま聞き返してあげます。やっぱりどうしようかなと。しかしたぶん当たり前ですが,さっきのアルコールの男性が,自分が酒を飲むのは父親のせいだと言い続けているのと同じで,娘の行動が変ったのは娘の友達のせいだと思いやすいものです。しかし,そのままでは変っていかない。その部分をまずでも取り上げたということになります。

次49歳工員。これは誰が聞いても鬱病の方だと思われると思います。これは,これをやると結構一生懸命出来ることを認めてあげるという感じで,「がんばっていらっしゃるんですね」とか「不安」という言葉をおっしゃっている方,「自分のことだけを考えてみては」というふうなアドバイスの方。それから「奥さんも理解してくれないんですね」これも共感だとは思います。「辛いですね」という回答は多いですね。どうしても本人の今の状況について,「辛いですね」「可哀想ですね」というふうに同情されているものもあります。さて,私だとこういうふうに致しました。「もう先が見えない・・。このまま生きていくよりサッと人生を終えたいと思うんですね」と言われたら落ち込んだ気持ちもまた落ち込むでしょう。でも落ち込んだ気持ちを,そのままこちらも言葉にして,「今,もぅこういう風に思っているんですね」と,気持ちをもっと打ち明けてもらえるような状況を作るわけです。本人の次の言葉を待つのです。さあ,どんな感じです?こういうふうに言われたら。

男性:ちょっとわからないんですが,先生のやっているの,何か,その言った中でのどこか一点を捉えて,それを同調しながら,言葉を返すような形で一点どこか思っている事を伝えるというのが,

男性:そこがちょっと見つからないのかもしれません。

原井:どうやって,やっているか?どうやって,やっているかって。こればっかりは,毎回やっているから段々覚えてきたとしか言いようがないし,いつもいつも言い当てるわけでもないし,外れの空振りしてしまう時もあります。ただ,こればっかりは訓練したらセンスが付いてきます。何か雰囲気とか状況とか掴んで,この人はこういう風に考えているんだろうな,これを本当は言いたいのだけれどもうまく言葉に表せないでいるのかなと考えます。で私達が社会的な言葉を使う時に,例えば今日,重要性と自信のスキルというのを書いていただきましたが,人間その二つを分けて考えるのは普段やらないので,自信が無いものは重要では無いというふうに言うんですね。どうしようもないとか考える物は,本当は大事な物でも言わなかったり,口にしなかったりすると。それから当然ですが,社会的な生物ですから隣の聞いている人の事も考えて,あまりはっきり言うと相手が心配するからそこまで言わないでおこうとか,こんなことを言ったら差別しているみたいに聞こえるから言わないでおこうというのがあります。そのあたりを,ちょっとこういうふうに,本当は本人が言いたいはずだというところを掴まえるようにしているということになります。ただ,これがベストかどうか分かりません。相手との話の途中の流れで出てきた方がいい時もあるし,最初はとりあえず簡単な同情とかではなくて本人の言葉をまず聞き返して,聞いているんだという態度を見せられることが雰囲気としては必要だと思います。

サンプルの方をお示ししたところで,ではワークショップの方にいきたいと思います。今日の進め方ですが,さっき色々なお話,デモンストレーションをさせていただきました。まずそのデモンストレーションの感想,見てらっしゃってどう思われたかというところを,もう一度お昼休みの間にどう感じられたかというのをお聞きしたいと思います。なかなかアルコールの難しい方,なかなか抵抗されて本人自身のせいじゃない,俺は悪くない,しっかり自分ではやっていて周りのせいだと,言われる方とかあると思いますが,どなたか感想とかないですか?どう感じたとか。今,どう思うとかあります?

男性:そうですね。午前中も言いましたけど。そうですね・・・。突然で・・。僕にはふらないだろうなと思って。

原井:次の人の回してみましょう。他の人が言ってもらってから,むしろ言ってもらった方がいいと思います。何か感想を。

男性:やっぱり自分のせいじゃなくて,他の人に原因を帰属するときというのは,とても変りにくくて難しいのかなと感じました。

原井:それではちょっとつまらないんですけど。難しいのは分かっているじゃないですか。それをどうもっていったところ,どこが違っていたかとか。

男性:どこが違っていたかですか?

原井:うん。

男性:やっぱり何度も,直面化する時というのがとてもしつこい様に感じるところもあるんですけれども,やっぱり難しくて技術のいるところなのかなというふうに思いました。

原井:そうですね。本人に逃げられない現実を,帰ったらそこにお父さんが居るという現実を何度も繰り返していましたね。直面化させられたという感じですか?

男性:させられたというのは?

原井:直面化していましたよね。直面化というのはどういう感じでした?そこの技術の部分ですね。直面化させるというのと,直面するというのと違う。そこをどうやるかですね。こちらから現実を持ってきて相手に見せつけるというふうにしていたか。

男性:意図的にみせるようにしていた。

原井:意図的でした。その意図は,はっきりしています。本人が,今そこで大事な物から逃げていくことは出来なかったですね。それはどうやって,やったでしょう。

男性:相手の意見から引き出していって,最終的には相手に元々持っている物を提示するというか・・。

原井:そうですね。相手の言葉を引き出して,相手の言葉をずっと使い続けていましたね。相手の言葉をずっと使い続けていたのであって,全然本人の知らないところから現実を持ってきて,こう現実ですよとやったのではなかった。例えば別々に住むとか,仕事を見つけるといったことも,相手の言葉が出てくるまで待っていましたね。他にはないですか。

男性:他にですか?

原井:思いつかない? 3人相談して何か一緒に。では他に回しましょうか。これで段々厳しくなってくる,考えなくてはいけない,他の方いかがでしょう?何か逃げそうな顔をしていますが。

女性:大変勉強になりました。まだ心理士として間もないんですけれども,問題を気づかせるというのが難しいなと思いまして,面接の回数ですとかタイミングもたぶん大きいと思うのですが,その辺をまだ見たいと思います。

原井:難しいところをやっているところをみて凄いなと思った。で,一体その難しい部分をどうやって解決をしていたのかよく分からなかった。

女性:というか面接の回数によっても,おそらく先生が直面させるようなことも違うんじゃないかなと思ったんですが。

原井:面接の回数によって,つまり繰り返し,繰り返し面接をしていれば直面をもっとさせるし,少ないとあまりしないでサッと流すかどうかということ?

女性:そうですね。

原井:初めて1回目パッと会う人には直面化を避けて,2回3回4回と会う人だったらしっかり直面化させてということ?

女性:その辺も私にはちょっとまだ分からない。

原井:分からない。では回数だけではなさそうだということですね。何でしょうか?

女性:回数の他に考えられる理由ですよね。

原井:これは皆さん分かります?僕の今の質問の仕方,動機づけ面接のスタイルをそのままやっているのですよ。本人から答えを引き出すように。本人は一生懸命,逃げよう逃げようと,普通パッと思いつくような回数だけとか。言っちゃ悪いけど,その場で思いついた適当に考えて言っているもんだから,僕がいじめてるみたいです。すいません。

女性:いえ,有難うございます。

原井:自分で言っちゃったからね。何か考えなくちゃいけないんですよね。私がただ聞き返しているだけなんですけどね。この辺がセンスみたいな物です。やっぱり,この辺は相手が言い訳を言っているなと思った時に,その言い訳の部分,じゃ回数で決まるということ?とか,というふうにして,シラーっと言って相手がそれを説明しなくちゃいけなくなっちゃって困ってきちゃうと。別にいじめてないんですけど。

女性:大丈夫です。緊張して・・

原井:緊張しますね。その方が昼休みの後,目がしっかり覚めて良かったと思います。他の方,何か感想とか,ここがとか,いいですか?

男性:今から思うと,役になりながらまじめに答えようとしていたんです。今から思うと,イライラさせられる部分もあった。質問とは別に,そのイライラがもういいとかいって,そこを離れちゃうだとか,そういうこともあるんじゃないかなと,今から思うと。会話をしようと僕は,あそこではしちゃったんだけれども