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2007年8月5日〜2007年8月11日


8月5日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2007年8月5日】
 先週休みだった図書館に借りていたものを返しに行き、その足でふと思い立って、梅田に出ることにした。のだが、電車に乗ってから、胃がしくしくと痛み出し、着く頃にはどよーんとした状態に。忙しいときには大丈夫だったのに、なんで今頃。
 というわけで、せっかく出たのだが、ソラネコとイノウラトモエ@「ムジカジャポニカ」なんてのもあったのだが、ちょっとだけ本屋とレコード屋に寄って、引き上げることに。と言いながら、レコード屋さんでは、仕事一段落記念で散財大会。ヴィニール・ジャパンからまたしてもこんなものがの、グッド・ミショナリーズ "FIRE FROM HEAVEN"(1979年。シングル曲の追加あり)、もう出てたのかのリチャード&リンダ・トンプソン "RICHARD & LINDA THOMPSON ...IN CONCERT, NOVEMBER 1975"(1975年録音)、それから買おう買おうと思いながら延び延びにしていたアルセニオ・ロドリゲス "QUINDEMBO/AFRO MAGIC/LA MAGIA DE ARSENIO RODRIGUEZ"(1963年)とニック・ターナーズ・スフィンクス "XITINTODAY"(1977年。エキサイティントゥデイと読むらしい)。タワーレコードのサービスポイントカードの仕組みが変わっていた。有効期限が最終使用日から一年とのこと。他の細かい点は未確認。

 グッド・ミショナリーズのレコードは、オルタナティヴTVが、いろいろあって、変名で活動していたときのライヴ録音。贋ロジャー・ディーン風、しかも手描きといった風情のジャケットイラストも好きだったし、当時行動をともにしていたヒア・アンド・ナウに通じる、ゆったりと音を流しながら、がしゃんと鳴るべきところを探して、的確に見つけるような、がしゃがしゃした演奏も大好きだった。オルタナティヴTVは、"Action Time Vision" に顕著なパンク風の曲も大好きだけど、どんな形をとっても、がしゃんとした音の在り処が見つかるかんじがええねんな。ラジオでかかった "Thief Of Fire"(ポップ・グループのメンバーが参加した、たぶん即興的に演奏したカバー)のフェイドアウト間際のギターの音がかっこよくて、やはりラジオで聴いたヘンリー・カウの "Groningen" の出だしのところのフェイドアウトとともに、「続きが聞きてぇ」ベスト2だったこともあるけど、レコードを買ったら、続きはなくて、レコードでもフェイドアウトされてて、ちょっとがっくりというようなこともあったな、そう言えば。
 しかし、まぁ、なんちゅうか、「即興としては稚拙」とか「今の耳」で言われたりするんやろな。ヤング・マーブル・ジャイアンツの集大成盤やスクリッティ・ポリッティの初期シングル集が出たりして、聴かれるようになっても、「今の耳」で稚拙とか下手と評されると、これらの演奏を耳にして、そうした言葉が出てくること自体が不思議でしょうがない。音楽のよしあしを言い当てるすべがないときに逃げとして持ち出すようなそうした話(うまい/へた、と80年代までの現代思想風にスラッシュを使ってみたりして)をしても意味がないということを、はっきりと感じさせてくれたのが、それらの音楽だったはずだから。ヤング・マーブル・ジャイアンツのページで紹介している岡崎京子さんの文章にも「つたない」「ちせつ」「へたくそ」という言葉が使われているけれど、それは外に向かってひっくり返すための布石です。感じたことそのまま、あるいは感じたことを隠してええかっこするための言葉とはちがう。

 ついでに書くと、「80年代の音」について、古臭いというような表現をよく見かけるけど、そんなん、「初体験の相手が80年代でした」と告白しているようなもので、音楽の何も伝えていないし、恥ずかしいだけだ(懐かしさから、持ち上げるのも同様)。新しい/古いというのも、うまい/へたといっしょで、よくわからないときに使う逃げの表現だと思う(さっきの岡崎さんの文章ではないけれど、そうした言葉に「意味」を持たせている場合はある。それは読めばわかると思うし、言い換えも可能)。どう言え、どう言おうというのはとくにないです。ただ、そのへんの言葉はNGワードにして、なんとか言わなあかんなと思ってます。

 買わなかったレコードで気になったもの。●ピエール・バルーの新作。DVD付きだった。●3月に某店でかかっているのを聴いて衝動買いしたデ・デ・マウスの『tide of stars』が、もう新装発売されてた。紙ジャケ、ボーナストラック付き。ボーナストラックは、リミックスみたいだから別にいいっちゃあ、いいのだけど。●井上堯之のソロアルバム復刻、出てました。予定外にグッド・ミショナリーズを見つけてしまったので、きょうは見送り。
 見かけてないけど、新譜情報。●あがた森魚『あがた森魚コンサート「永遠の遠国」 at 渋谷ジャンジャン』。1978年11月7日のライヴ録音2枚組。『永遠の遠国』の当初の構想に含まれていたライヴ録音素材にあたるのではないか。8月15日発売。●ディーモン&ナオミ "WITHIN THESE WALLS"。9月25日発売とのこと。

 昼、出かける前にテレビで、1995年6月のハイジャック事件の再現ビデオが流れていた。携帯電話で犯人の様子を知らせたのは、センチメンタル・シティ・ロマンスの告井さんだったのか。乗客のひとりということしか知らなかった。

8月6日(月) (一回休み)
8月7日(火) (一回休み)
8月8日(水) (一回休み)
8月9日(木) 【▼ぐりぐらメモ/2007年8月9日】
 夏季休暇前の4日間。今期は、納品日が7月に集中していたので、同時進行に追いまくられていたのだけど、その分、例年だとまだ続いている分が終わってしまっている。休み明けすぐにやってくる分についても、打ち合わせ済みだからあとは確認するだけ・・・と思っていたら、あちこちから追加の話が。あうー。というようなかんじだったので、らっくらくというわけには行かず。肩こりもひどい。

 月曜日は早めに帰れたので、途中下車してデリカテッセンで夏休み課題本(?)の集中読み。ひととおり読み終えた。火曜日の朝、出社の準備をしていて、『いなかっぺ大将』再放送に気付く。まだ東京に出てきたばかりらしい。ということは、月曜日からか。お囃子トランス状況がむりやりで可笑しい。お囃子でトランス状態に陥るという設定そのものが尋常ではないのだが。火曜日だったか、帰宅してメールチェックなどしてからテレビをつけたら、A児(あがた森魚)の声が。曲が終わりかけだったので、「コズミックサイクラー」か「星空サイクリング」かわからず。でもたぶん後者。NHK-BS2での押井守特集の一環で、『うる星やつら』の劇場版のどれか。むかしは(テレビ版のほうだけど)笑った記憶もあるのだけど、いま見ると、ほとんど笑えない。水曜日の夜、居眠り(と言うのか)してしまい、気付いたら、『グッジョブ』再放送が始まってた。5分逃す。本放送のときにたまたま観て面白かったもの。で、きょう。経理処理の都合上、定時退社が決まっていて、「その時」が来たら、あっちゅう間に大半が居なくなった。シャインさんの終業時刻(自分とこより30分早い)寸前に走っていって直談判したのが功を奏して、懸案がぎりぎりで話がつく。帰りは「のだめ」読み。いまのところの最新刊、かな。テルミンを弾く謎の学生登場。
 そう言えば、曜日は忘れたけど、『素浪人月影兵庫』のリメイクをやっているのを知って、驚いた。月影の旦那役は、近衛十四郎の息子。最初に見たものを親と思う、で、わたしは「月影」ではなく、「花山大吉」世代なのだが、今回も途中から「花山の旦那」にバトンタッチするのだろうか。ちゅうか、焼津の半次は。かなり前に田原俊彦がやって、「焼津の半次」ファンをがっかりさせたことがあったけど・・・調べたら知らない役者さんだった。でも、ナレーターを品川隆二さんがやってるらしい。前にも書いたけど、米米クラブがむかしアンコール代わりに「品川隆二ショー」と題して延々物真似芝居をしていたらしく、米米ファンの女の子に訊かれて品川隆二や焼津の半次について解説したことがあったのだが、ネットで検索かけてもそのことに触れたものが出てこない。一件あったと思ったら、自分が書いたものだった。

 退職の報がいくつか。まったく知らなくて、きょう「きょうで最後です」とメールをもらってびっくりしたり。「居なくなるひとは/いつも胸を焦がす」というピアナさんの歌がよぎる。アイドル歌手のような甘えたなかんじのピアナさんの歌いかたは好みではないし、詞も甘いなぁと思うのだけど、『エターナル・キャッスル』の中のうたものは好きで、ずっと聴いてます。遊佐未森、小川美潮を思わせる緊張感と開放感が、エレクトロニカに分類されるひとの中では珍しく、歌にある。エレクトロニカのひとといっても、たくさん聴いたわけではないから、偏見になりかねないけれど、電子音やノイズだからって、囁き、呟き、語り、声もノイズのひとつです、声が必要だから入れてみました、てなかんじで言われそうな歌の使いかたは、面白くなくて。自分に声が発見されていないというか、自分でやってますという以上の意味がない使いかたというか。そういうのではないだけでも、はっとさせられるのだ、ピアナさんの場合は。「だけでも」というのは失礼な話だけど、うーん、ストレートにひとに薦められない(恥ずかしいから)もんで、どうも言い淀んでます。

 リー・ヘイゼルウッドの訃報。ナンシー・シナトラのレコードはどこだ。仕事場のパソコンに、デュアン・エディの "This Guitar Was Made For Twangin'" が残っていたので、携帯音声ファイルプレイヤー(または聴取記憶再現補助機)に移して、帰りに聴く。一石二鳥なかんじで申し訳ない。気になってはいたものの、面白いらしいソロアルバムは聴いたことがない。ポール・ラザフォードの訃報。ラザフォードさんの演奏が入っているレコードは、グローブ・ユニティ・オーケストラくらいしか持ってないと思う。「ユリイカ」大友良英特集号で、ジム・オルークが子供のとき、デレク・ベイリーの家を訪ねて、インカスレコードの在庫を目にした話をしているのを読んで、ちゃんと聴きたいなという数十年来先延ばしにしていることをまた想っていたばかりでした。阿久悠氏の訃報の続き。「ハードスタッフ」小西さん経由で、ツアーを開始したジュリーが、「時の過ぎゆくままに」を急遽追加したことを知る。

 帰宅して、食べて、風呂はいって、うだうだして(居眠りを含む)、さてと、と寝る前に、リチャード&リンダ・トンプソンの1975年11月のライヴ録音を聴・・・こうと思っていたのだが、いつも1曲目の途中で崩れ落ちるという毎度のパターンで、聴けず。いやさ、あきらめて、最初から聴取記憶再現補助機で聴こうかなとも思ったのだが、Windows Media Playerの楽曲データベースにまだ曲情報がはいってなくて、自分で入力しなければならず、仕事場では今週その余裕がなくて、できなかった。
 それにしても、アイランド(ユニバーサル)本家からの発売なのに、あまりに地味なパッケージ。モノクロで、左側には修道僧のようななりでリンダさんを見つめながらギターを弾くリチャードさん、右側には熱唱中のリンダさん。ウラはカラー写真で、でもオモテと服装がちがう。ブックレットの真ん中にも同じ服装のバンド全景写真があるので、この日の服装はこっちではないか。途中で着替えた?・・・と思ったら、よく読むと、"(guitar, vocal)" に収録された11月27日のオックスフォード工科大学での演奏だけでなく、スウィンドンでの演奏も収められている由。面白い(というか、なんだかなぁ)のは、ブックレットに、3人のサポートメンバーについてはひとりひとりの大写しの写真が大きなサイズの文字で記された名前付きで掲載されているのに、主役の2人については単独の写真がないこと。本文の文字の色も読みにくい。デザインは誰やねんな、と確認したら、まさかのフィル・スミー。えーっ、事務所の新人にやらせたんとちゃうんか。
 演奏は、落ち着いた、どちらかと言えば、おとなしいかんじで、"(guitar, vocal)" 収録の "Night Comes In" や "Calvary Cross" から受けた鬼気迫る感触はない。"Night Comes In" を聴いていたら、なにか、音楽とは関係のない覚えのあるかんじがよぎったのだけど、なんだったのか捕まえられず。

8月10日(金) (一回休み)
8月11日(土) 【▼ぐりぐらメモ/2007年8月11日】
 珍しく午前中に家を出て、京都へ。下鴨、のほうではなくて、北白川の「ガケ書房」できょうから開催の古本市「下亀納涼古本まつり」を覗きに。「蟲文庫」、「書肆砂の書」といった古書店、名うての古本好き、友部正人さん、ふちがみとふなとさん、オクノ修さんといったミュージシャンなど、ひとクセある出品者の名が並んでいるので。「出町柳」で自転車を借りて、つつーっと。12時過ぎには到着。もう自転車がいっぱい、ひともいっぱい。うろうろしてたら、「ちょうちょぼっこ」の在阪組がお揃いで。オモテに並んでた貸自転車はひょっとして、と思ったら、そうだった。もう下鴨のほうは覗いてきたのだそう。
 「古本まつり」で買ったのは、南陀桜綾繁さん出品のものから、多田葉子・関島岳郎・臼井康浩のトリオ、オキドキの2005年作CD 『Don't walk on the cat side』と楳図かずおファンクラブ発行『ウメズム Vol. 1 特集・おろち』(1998年発行)の2点。それと新品で、渕上さんが登場するグレゴリ青山さんの記事が載っているムック「京都に住まえば 2007年夏号(「なごみ」7月号別冊)」と津久井智子『かんたん、消しゴムはんこ。』(宝島社・・・だったのか、2007年5月)を。
 会計を済ませて外に出たら、「ちょうちょぼっこ」の3人がいて、同じところ(みなまで言うな、恵文社だ)へ向かおうとしているというので、ご一緒させてもらう。恵文社に行く前にひるごはんをということで、ひるごはんも一緒に。古本市帰りだけど、収穫を見せ合ったりはしないで、OLの会話をするのでした。恵文社をちょっと覗いてから、急いで帰宅。家族行事があったので、16時には戻ることになっていて。ちょっと過ぎたけど、間に合った。

 夜、川上澄生「初夏の風」に焦点をあてたテレビ番組を見る。消しゴムはんこをがんばろうと思う(番組の見かたと志の方向がまちがっている)。「消しゴムはんこ」の本は、「ガケ書房」のレジ近くで目についたので、何冊かあるうち、短時間で良さそうなのをぱぱっと選んで買ったのだけど、ひるごはんのときに、その筋では有名なひとだと聞いた。なるほど、メーカーと提携して、初心者用に材料をまとめたセットを監修して出したりしているらしい。前に書いたように、カワイイ系、ロハス系の目的ではなくて、「交換品番掲載ページ」とか「項目15-2参照先」とか何度も書くのが面倒になったので、それを消しゴムはんこでやってしまおうという計画です。・・・できるのか、そんなややこしい漢字。

 レコードの話。●恵文社で、ペンギン・カフェ・オーケストラのベスト盤と日本人ミュージシャンによるカバー集が新しく出ているのを見かけた。ベスト盤は初めてではないし、カバー集で気になるのは、蓮実重臣氏の "The Penguin Cafe Single" くらいなので、手は出ない。多少、衒学的ではあるけれど、「みんなのうた」にサイモン・ジェフスが提供した歌のカバーくらいやってくれてもよかったのに。ペンギン・カフェ・オーケストラと言えば、半月ほど前だったか、帰宅してから点けたテレビで、なにかの映像のバックに、"Sound of Someone You Love Who's Going Away And It Doesn't Matter" が使われていた。この曲が入っている "MUSIC FROM THE PENGUIN CAFE" を含めて、彼らのレコードはアナログ盤でしか持っていない。CDは、最初に買うなら "MUSIC FROM THE PENGUIN CAFE" なのだけど、これはできたら、オブスキュア版の復刻でと思っているので、なかなかむずかしい。何度も書いてることだけど、オブスキュアレコードの10枚なら、オリジナルパッケージレプリカ10枚組ボックスセットでも買います。仮に万が一「ストレンジ・デイズ」誌の監修であったとしても、しかたがない、おとなしく買います。●希望の復刻をもひとつ。マイク・オールドフィールドの "HERGEST RIDGE" のオリジナルミックスでの復刻をずっと願っているのだけど、そこに紙ジャケシリーズ発売の報が。喜んで詳細を読んでみたのだけど、今回もやっぱりダメみたいです。以前の紙ジャケの再発だそうで。イギリスでは "THE ORCHESTRAL HERGEST RIDGE" が一部使われているというドキュメンタリーフィルム "SPACE MOVIE" のDVDが最近発売されて、解禁ムードがあるのなら、デラックスエディションちゅうことで、オリジナルミックスとオーケストラ版の2枚組という形で出てくれるとうれしいんやけどなぁ。"HERGEST RIDGE" は、「好きなレコードなのに誤ってキズをつけてしまったのでCDで買い直したかったアルバム」なのだが、CDには何故だか、"BOXED" のリミックスバージョンが収録されて、それが標準になってしまっているために、キズありのアナログ盤をしまいこむことができない。"BOXED" 版を聴いたのは、CD版よりもあとだったので、いや、ほんま節穴としか言いようがないけれど、CDで買い直したとき、ちがって聴こえるのは、「やっぱりCDはノイズに埋もれないで隅々まで聞こえるから」と思っていたのでした。恥ずかし。


 

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(c) 2007 Kijima, Hebon-shiki