はーちゃんのお手伝い


はーちゃんの「イヤイヤ期」突入と共に、何でもやりたい
わくわく好奇心チャレンジ精神」も育ってきた。
それは、とてもよい事だと思うのだが、時にそれは周りの者(私と夫)に
多大な迷惑
恐怖を与える事もある。
例えばおトイレ。
私が用を足しに個室へ入ると、すかさず割り込んできてチャッカリ一緒に入っている。
そして、「どお?どお?」と、様子を聞いてくるのだ。答えに困った私は、
「順調だよ」と言うと、「んふっ」と、何が嬉しいのか、不気味な笑顔を浮かべる。
そして、一旦個室から出るのだが、ドアを閉める事は許されない。
お気に入りのビデオを見ながら、私の用が終わるのを待っているのだ。
そして、「カラカラカラ・・・」と、ティッシュを引っ張る音がすると、猛ダッシュで走ってきて
私の横に立って待っている。
立ち上がった私を個室の外に出し、お便器の中をちょっと覗き込んだ後
嬉しそうに「じゃぁ〜」と言いながら流す。
これって、お手伝いなのだろうか・・・と、一瞬悩んでしまうのだが、やり遂げた満足感(?)に
満ち溢れた顔で笑っている顔を見ると、「ま、いいか」となってまう。

食事中に空いたお皿が目に付くと、さっさと洗い場に運んでいくだとか、洗濯物を干していると
手伝っているつもりなのだろうと思うのだが、干したばかりの洗濯物をみんな丸めてしまうだとか
取り込んでたたんだ洗濯物を、目を離した隙に全部広げてかごに入れたり
玄関先を掃くホウキで部屋の中を掃いたりと、言い出したらキリがないのだが
わくわく好奇心&チャレンジ精神でしてくれた事なので、腹が立っても怒る事も出来ない。
時々なら我慢も出来るが、毎日毎日、1日中そんな感じなのだ。
急いでいる時や、体調の悪い時はそんな事をされるとムカツクを通り越して、憎くなってくる。
この頃は、お手伝い範囲は更に広がり、禁断の園キッチンにまで広がってきた。

何やら歌を歌いながら機嫌良く遊んでいる様なので、邪魔をしない様にそっと覗くと
シンクの扉を開けて、鍋だのフライパンだの出している。手の届く食器棚の引き出しも全て開け
スプーン、フォークなどのすべての物を出している。一瞬めまいがしてしまった。
幸い、包丁の入っている扉は、いたずら防止のロックがしてあった為、事故がなくて済んだ。
気を付けなくちゃ・・・と常に思っていたのだが、恐怖は突然襲ってきた。

以前、通信教育教材の付録にあった、おもちゃのお野菜と包丁のセットがある。
おもちゃの野菜は、その包丁で「ザク」っと切れる。
そのセットの名前がまた凄くて「ザクザクあーん」。何のひねりも、工夫も感じられないネーミングである。
切れ目にマジックテープでくっ付けてあるため切った感覚はちょっとリアルである。
そのおもちゃは、はーちゃんのお気に入りの一つで、よく一人で遊んでいる。

そして、ある日の事
夕食が終わり休憩をしていると、はーちゃんがいつものように自分の食べ終わった食器を
キッチンに運んでいた。キッチンからなかなか戻らなかったのだが、特別気にもしていなかった。
すると、はーちゃんが「まま〜! ちゅーり!でいた〜!!」(訳:ママ きゅうり出来た!)
と叫びながら走ってくる。その日は、はーちゃんの好きな「きゅうり」を料理に使ったのだ。
ああ、出しっぱなしにしたかな〜・・・と思い、「あらー、はーちゃんキュウリ見つけたの?」
呑気に見てみると、そこには私が切った切り口ではない切り方のキュウリを握り締めたはーちゃん。
夫は、「ちょ、ちょ、ちょ、はーちゃん、これ、何??( ̄■ ̄;)!!明らかにビビッっている。
ちゅーり!(訳:キューリ)(^▼^)」と、はーちゃん。
・・・・・」声が出なくなっている私。
キッチンに走る夫の悲鳴が聞こえるまで、わずか3秒。
キッチンマットの上には、不規則に切られたキュウリと、包丁が転がっている。
はーちゃんは、例のおもちゃの調子でキュウリを切ったに違いない。
まさに、「わくわく好奇心&チャレンジ精神」である。
私は、腰が抜けてしまい、立ち上がる事が出来ずはーちゃんの腕を掴み、怪我がないか確認した。
「ああ、指ちゃんとついてる〜」と安堵の声を出し、夫と共に無事を喜んだ。
何の事だかよく解かっていないはーちゃんは、満足そうにキュウリを頬張っている。

今度ばかりは、私が悪い。怪我が無くても、私が悪い。
赤ちゃんだとばかり思っていたが、成長している事を実感した瞬間だった。
これを教訓に、もう一度改めてはーちゃんの視線で、危険な物はないか、チェックしてみようと思う。