■五行相生と五行相剋

五行それぞれの意味については先に述べましたがそれだけでは各々の関係が明らではありません。そこで五行同士の関係を説明するための理論が作られてきました。

■五行相生とは

五行相生とは五行間の循環を「相生の相」として捉える理論です。木・火・土・金・水の五気の間に次のような循環を見いだします。つまり、木気は火気を生じ、火気は土気を生じ、土気は金気を生じ、金気は水気を生じ、水気は木気を生じる、という循環です。順に「木生火」、「火生土」、「土生金」、「金生水」、「水生木」と呼ばれています。

五行相生図

五行同士の関係を「相生の相」として捉えます。「相生」とは1つのものから順に発生して行く様子を意味します。

この説は素朴な自然の理によっていると言えます。以下にまとめてみます。

●木生火(もくしょうか)
木は火を生む。木をこすり合わせることが火が生じるので火を生む。
 
●火生土(かしょうど)
火は土を生む。火は燃えることで灰(すなわち土)を生じるので土を生む。
 
●土生金(どしょうごん)
土は金を生む。土は集まると山となり山は石を生じる。金は石の中に含まれるので土は金を生む。土の中に光り輝くものが金(属)でありしたがって土は金(属)を生む。
 
●金生水(ごんしょうすい)
金は水を生む。山に雲があると雨となる。山は石を生じ石の中に金が含まれるので金は水を生む。湿度が高い時には金(属)の表面に水滴が生じる。したがって金(属)は水を生む。
 
●水生木(すいしょうもく)
水は木を生む。水の潤いによって木は生長するので木を生じる。

このような関係から木→火→土→金→水の順に巡って行けば何事もうまく事が運ぶと人々は考えたようです。

■五行相剋とは

五行相剋とは五行間の循環を「闘争の相」として捉える理論です。木・火・土・金・水の五気の間に次のような循環を見いだします。つまり、木気は土気に剋ち、土気は水気に剋ち、水気は火気に剋ち、火気は金気に剋ち、金気は木気に剋つ、という循環です。順に「木剋土」、「土剋水」、「水剋火」、「火剋金」、「金剋木」と呼ばれています。

五行相剋図

五行同士の関係を「闘争の相」として捉えます。「相剋」とは対立するものが互いに相手に勝とうとすることを意味します。

この説もやはり素朴な自然の理によっていると言えます。以下にまとめてみます。

●木剋土(もっこくど)
木は土に剋つ。木は土に根を張り土から栄養分を吸い取って生長する。これは木が土の気を損なうことであるので、木は土に剋つ。
 
●土剋水(どこくすい)
土は水に剋つ。土は水を吸い取り、また、常に流れようとする水をせき止める。これは土が水の気を損なうことであるので、土は水に剋つ。
 
●水剋火(すいこくか)
水は火に剋つ。水は火を消してしまう。これは水が火の気を損なうことであるので、水は火に剋つ。
 
●火剋金(かこくごん)
は金に剋つ。金属は強く固いが、火はその金属を溶かしてしまう。これは火が金の気を損なうことであるので、火は金に剋つ。
 
●金剋木(ごんこくもく)
金は木に剋つ。大木であっても斧や鋸(これらは金属である)にかかると切り倒されてしまう。これは金が木の気を損なうことであるので、金は木に剋つ。

■相生と相剋との関係

個人的には五行相生や五行相剋はもっと奥が深いものになるのではないかと思っています。というのも、例えば五行相生に水生木があります。確かにその通りなのですが、水もその量を過ぎれば逆に木は枯れてしまいます。相生の中に相剋的(こういう表現が適切かどうか別にして)な要素も含まれているような気がしてなりません。逆に相剋の中には相生的な要素が含まれていると思います。この辺に関してはまだ十分考察できていないのですが、今後考えてみようとは思っています。