ホームに戻る

バックナンバー8に戻る

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

<一知半解の独り言>
第461回 ふぐ(1)
                     平成13年1月24日

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

『河豚(ふぐ)は食いたし、命は惜しし』とよく言われます。
ふぐは、古来より我が国で好んで食されてきた食材の一つですが、同時に多くの犠牲者を出してきた食材でもあります。ふぐの刺身や鍋料理を『てっさ』、『てっちり』と呼ぶのは、かつてふぐが『てつ(鉄砲=当たると死ぬ)』と呼ばれていたからだといわれています。現在でも全国で毎年20〜30件のふぐ中毒が発生し、死亡者も後を絶たないようです。

今日は、その辺りについて調べてみたことを書かせていただきます。

ふぐの骨は日本各地の貝塚から多量に発見されており、ふぐはかなり古い時代から食用にされていたことがわかっているのだそうです。当初は筋肉部だけを生食していたらしいのですが、後世、煮炊きして内臓まで食べるようになってから中毒による死亡事故が頻発し始めたようです。

桃山時代頃から、次第に法令によってふぐを食用に供することを禁止するような措置がとられるようになったそうです。

例えば、尾張藩の禁札に下のようなものがあったそうです。
一、河豚捕来売捌候漁師買取売捌者儲け給べ候者押込五日
一、右魚貰ひ請け給べ候者押込三日

また、蘇東坡の詩にも『その味死に値する』とあったり、古川柳にも『ふくの汁を一つはちすとしやれて喰ひ』『ふく汁をくわねたはけにくふたはけ』など、ふぐの美味と中毒を題材にした句が多く見られます。

明治になってからは、ふぐを食べたものを“偉警罪”で処分した地方もあったようです。

第二次世界大戦後は中毒事故が激増し、年間数百件にも達したので、東京都では1949年(昭和24年)ふぐ取扱業取締条例を交付し、所定の試験を受けた者でないとフグを取扱う事が出来なくなったのです。東京都以外にも、県条例によって同様の取締りを行っている地方は多いそうです。

このように大変恐ろしい毒を持つふぐを安全に食べるには、ふぐの種類や食べられる部位を見分けたり、除毒処理をするための専門知識が必要なのです。現在、発生しているふぐ中毒のほとんどは、素人調理によるものなのだそうです。


バックナンバー8に戻る

ホームに戻る