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<一知半解の独り言>
第687回 ズボン
平成13年9月15日
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ズボン」の語源はご存知でしょうか。
「ズボン」とカタカナで表現すると、いかにも外来語のように見えますが、実は立派な日本語なのだそうです。
イギリスではTrousers (トラウザース)、アメリカではSlacks (スラックス)、あるいはPants (パンツ)、 フランスでは Pantaloon
(パンタロン)、ドイツではHosen (ホーゼン)と言うんだそうです。
ズボンに当たるものは見当たらないのだそうです。
発音で一番近い言葉はフランス語の Jupon
(ジュポン)ですが、これは女性のペティコートを意味する単語だそうです。得意の広辞苑にもズボンは『(本来は「女子の下裾着」の意)
両足を別々に覆う洋装の外衣の総称。主に男物についていう。スラックス・パンタロン・パンツとも呼ぶ。』と書いてあります。
このペティコートがズボンに化けたことに対して、もっともらしい話として明治初期の元勲による艶聞が残されているのだそうです。
明治の重臣が金髪のフランス娘と浮気をしたのだそうです。
重臣はベッドサイドに脱ぎ捨てた自分のズボンを指さして、「フランスではあれを何というか」と質問したのだといいます。フランス娘は自分のペティコートのことだと思い「ジュポンと申します」と答えたのだといいます。
外国語に弱い重臣はとんでもない誤解に気付かず、金髪娘のいうことを信じて周りの人に、「これが『ズボン』」と吹聴したのだそうです。覚えやすい言葉のため、口から口へたちまちのうちに伝わり、一般に広まったといわれているのだそうです。
本当のような、嘘のような話しですが、語呂から語源を探っていくとこのような結論もあるのかなと思います。
しかし、外来語がなまって出来た言葉ではない、幕臣・大久保誠知が「スボンと足が入る」と言ったからという説もあるのだそうです。単純で分かり易い説ですが、本当だとしても単純すぎるきらいがあります。
落合直文という国文学者の『ことばの泉』という著書の中に「ずぼんと足のはいるより言い始めてたる語」とあるのだそうです。落合直文はズボンが日本に入ってきた当時に生存していたようですので、「すぼんと入る」説は信用に値するものだといえるのかもしれません。
しかし、当時の飛脚や車夫のはいていた身にピッタリそった“股引スタイル”のものと比べると、ズボンは太めに設計されているためズボンとはけたことは事実でしょう。
どちらにも軍配を上げにくい状況ですが、ズボンが導入された時代に生きていた落合説が有力なのでしょうか。
ズボンというのは何となく響きが古くさくなってきているでしょうか。
カジュアルな感覚のズボンは、スラックス、パンツといったアメリカ語に置き換えられることが多いようです。
今でも、背広やスーツのボトムとしては英語のトラウザースにあたるズボンがまだ生き残っているようですが、上にセーターやブルゾンを着込んだ時には、スラックスと呼ぶようになりつつあると思います。
本来はスーツのズボンより、ゆったり裁断され、腰にプリーツをとったものを指したようですが、最近はピッタリしたものも含まれています。
女性の着用も増えてスラックスに一層スポットライトが当てられるようになってきています。パンツという言葉は、日本では下着と混同されやすく、何となく艶めかしい響きを持つ言葉ですが、服装のカジュアル化が進に連れてズボンに変わる言葉としてよく使われるようになってきています。
ニュアンスとしてはスラックスより更にスポーティで、レディス向きのものは「パンツ」という表現の方が用いられるようになっているのでしょうか。