飛ぶにふさわし
人飛ぶにふさわしき風秋に入る
海の腑の真ん中あたり真葛原
船団の一組残り星の橋
アクアリウムに月の魚のふる月夜
稲光市場に残る撞木鮫
断念の黄色い眼8・15
二番手にアタックチャンス秋涼し
八月初頭、故郷に帰った時の句。船乗りの町の船長の息子にとって、海は身近な遊び場で、同時に謎めいた畏怖の対象でもあった。いや、そのようなもの言いは本当は正しくないか。もやもやと言葉にし得ない、常に体温を微妙に上げ続けるもの。そして、思い切り惚けたものから、その真反対まで、虚と実の間で「そいつをさつと一挙動で掴まへて、そのままに紙にうつしとる」動機となるもの。
(C)Sunao Hashimoto 2008.1