射法八節  

 

 

  

 夏袴一列つつと床辷る

 

 腰静め二矢持つ影の涼しさよ

 

 燕飛ぶぱちんと弦を噛む矢筈

 

 すっと立つ白足袋すっと起こす弓

 

 輪唱のごとく弓矢の動き出す

 

 万緑に弓透明な帆となりぬ

 

 的へ凝る熱を吸ひ込む一矢かな

 

 残身に夏蝶まよひこむ心

 

 舞うやうにたたまれる弓晩夏光

 

 

 

   様々なる脱・近代

 今年の俳文学会の全国大会(於:筑波大学)で、連歌俳諧研究の泰斗、島津忠夫先生が「連歌史ところどころ」と題し講演なされた。その終わりに、ご自身も加わった現代連歌の紹介があった。句のみ引用する。

 透き影映すささがにの糸

 世の中は常ならぬとも思へかし

 つつがなきやとなほ漱ぐ

一見古式ゆかしい連歌そのものの詠み方であり、様々な読みが考えられるように仕掛けてある。現代連歌は、現状ではマイナーな存在だろうが、島津先生は雅語によって現代日本をとらえることの可能性を前向きにお考えである。

 引用の三句目、最近の新型インフルエンザのことをふまえた作だそう。みなさん、おわかりになりましたか。

 

 

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