遁走曲
仏像の抱へば軽き春惜しむ
群燕にはかに漁の出る気配
江ノ電の海にむかへば穂麦揺れ
厚切りの尾より喰ひだす初鰹
芍薬や男ばかりの庭いじり
かたぶくや遁走曲に竹夫人
野放しに李熟れをり密柑山
鬼門?
鬼の句会に出ていると、これはという特集にあたると、出る句の傾向が明らかに変わると思います。例えばエロスはわかりやすかったですね。
で、今回のかるみも、ここ数ヶ月の句会で、あきらかにかるみを意図する句を多く目にすることが出来ました。しかし、それが成功か否かは、かなり評価の分かれるものでしょう。
ここまで私たちのやってきたことは、俳句の教養課程みたいなところがありますが、しかし、蕉風のような変遷の激しい俳風の下にあった状況は、多分このような経験からこそ想像できるものがあると思います。我々のかるみへの戸惑いは、蕉門の諸俳人の戸惑いにも一脈通じるはず、と思う今日この頃なのです。
(C)Sunao Hashimoto 2007