短詩系
大寒の鴉ふわりと糞落とす
元日やあまたの猫は人の顔
乾坤の裂け目をのぞく芭蕉かな
占いに悪意風邪かもしれぬ
パタゴニアへ釣りしに行くの大垂氷
世に鷹の棲むや樹海の深き罅
深海にラブカ水炊き煮えあがる
菜の花忌ゆるゆると来る氷点下
家縛る電飾重き聖誕祭
日だまりに白衣の学生冬の鳶
誰もいない街に雪降る雪遊び
昌平坂しずかに歩く開戦日
仄暗い洋燈の底に蠢ける国籍のない君の右腕
リベルタンゴ流れる雪の相模原
ゑひもせて聖誕祭の行進者
赤ペンを頸につきつけ受験の子
グラウンドマイナスいくつ寒卵
(C)Sunao Hashimoto 2006